Takaのエンタメ街道

一生を映画に捧ぐと決めたTakaが主に映画・テレビ・音楽について書くブログです。

<週刊興行批評>2019 - 2020年 冬休み映画を振り返る!

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遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。

今年も興行収入を追っていきたいと思いますが、今週は2週分のランキングと初登場した「男はつらいよ お帰り 寅さん」や「アナと雪の女王2」と「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」の分析、2019-2020年冬休み映画を振り返ります。

 

 

1.先々週末のランキング

まずは、先々週末のランキングを見てみましょう。

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1位は「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」。土日2日間で動員42万8000人、興収6億6700万円をあげ、累計では早くも動員211万人、興収32億円を突破している。

2位は「アナと雪の女王2」。土日2日間で動員41万5000人、興収5億3500万円をあげ、累計では動員745万人、興収95億円を突破。

3位は「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジン」。土日2日間で動員11万7000人、興収1億4900万円をあげ、累計では動員66万人、興収8億円を突破。

4位は初登場男はつらいよ お帰り 寅さん土日2日間で動員10万7000人、興収1億34000万円をあげ、初日から3日間の累計では動員17万人、興収2億円を超えるスタートを切った。

5位は「仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション」。

6位は「映画 妖怪学園Y 猫はHEROになれるか」。

7位は「午前0時、キスしに来てよ」。

8位は初登場劇場版 新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X」。

9位は「屍人荘の殺人」。

10位は「ジュマンジ/ネクスト・レベル」。

2.先週末のランキング

それでは、引き続き先週末のランキングを見てみましょう。

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1位は「アナと雪の女王2」。土日2日間で動員38万2000人、興収4億9600万円をあげ、累計では動員882万人、興収112.9億円となっており、歴代興収ランキング25位にランクインした。

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2位は「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」。土日2日間で動員31万9000人、興収4億8900万円をあげ、累計では動員347万人、興収52億円を突破するヒットとなっている。

3位は「男はつらいよ お帰り 寅さん」。土日2日間で動員13万6000人、興収1億6700万円をあげ、累計では動員59万人、興収7億3100万円を突破している。

4位は「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジン累計で動員92万人、興収11億円を突破。

5位は「仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション」。累計で動員59万人、興収7億円を突破。

6位は「映画 妖怪学園Y 猫はHEROになれるか」。累計で動員53万人、興収5億9800万円を突破。

7位は「屍人荘の殺人」。累計で動員67万人、興収8億7900万円を突破。

8位は「午前0時、キスしに来てよ」。累計で動員83万人、興収9億8500万円を突破。

9位は「ジュマンジ/ネクスト・レベル」。累計で動員58万人、興収7億9900万円を突破。

10位は「ルパン三世 THE FIRST」。累計で動員53万人、興収10億円を突破している。

 

3.興行チェック!「男はつらいよ お帰り 寅さん」

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先々週は4位、先週は3位にランクインしたのは「男はつらいよ お帰り 寅さん」。「男はつらいよ」50周年を記念して作られた50作目の新作。

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近年の山田洋次監督作品の初動で比較してみたものだ。現在の累計興収は7億円なので最終興収は10〜15億円あたりとなるのではないか。「男はつらいよ」が20年以上のブランクが空いたことも踏まえれば妥当な着地の仕方となるだろう。

4.興行チェック!「アナと雪の女王2」

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先週は再び1位にランクインしたのが「アナと雪の女王2」。7週目の時点で112億円を突破した。

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前回の時点では「アラジン」のペースと同等まで落ちたと書いたが、冬休み効果でそこからほぼ落ちることもなく、未だに4〜5億円台の週末興収を稼ぎ出すことはこの作品の持つ力の凄さを感じるばかりだ。今月末までに130億円は突破するだろう。

5.興行チェック!「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」

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先々週末は1位、先週末は2位にランクインしたのは「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」。

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「フォースの覚醒」以降の3部作の興収を比較しましたが、3週目の時点で「最後のジェダイ」に比べて週末興収比で102%、累計興収比で115%と上回っている。

「最後のジェダイ」ほどの賛否両論を渦巻いていないことが「最後のジェダイ」を下回ることを抑えた一つの要因であるように思う。「最後のジェダイ」の最終興収(75.0億円)を上回る可能性が見えてきた。

6.2019 - 2020年 冬休み映画を振り返る!

さて、今週は2019 - 2020年の冬休み映画の興行も振り返っていこうと思います。それでは、2019年冬休み映画興行ランキングトップ10を。

↓冬休み映画の興収予想をしていたので、参考程度に。↓

 

1位 「アナと雪の女王2」 112.8億円

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冬休み映画のトップはアナ雪の続編となった。公開40日目で100億円を稼ぎ出し、今後さらに稼ぐことになるだろう。

2位 「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」 52.4億円

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スター・ウォーズ」の最新作にして、スカイウォーカー・サーガの最終章が2位。公開16日目で50億円を稼いだ。「最後のジェダイ」での賛否両論があったとしても、日本ではそこまで影響はなかったようだ。

3位 「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング」 11.6億円

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人気コミック「ヒロアカ」の劇場版第2作。前作が17.2億円なので同程度か20億円に届くことになりそうだ。

4位 「ルパン三世 THE FIRST」 10.3億円

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ルパン三世」 を山崎貴監督が3DCG化。10億円の大台を達成した。

5位 「午前0時、キスしに来てよ」 10.0億円

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橋本環奈と片寄涼太によるラブストーリー。10億円の大台を達成した。両者ともに人気俳優なので妥当でしょう…

6位 「屍人荘の殺人」 8.7億円

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神木隆之介×浜辺美波×中村倫也によるミステリー映画。とあるジャンル映画を混ぜこんだというトンデモ仕掛けがありますが、10億円超えは厳しい?

7位 「ジュマンジ/ネクスト・レベル」 7.9億円

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前作「ウェルカム・トゥ・ジャングル」が12.4億円だったが、それを上回るのは厳しいか?今週、金曜ロードSHOW!でも放送されたのでその効果は現れるのだろうか??

8位 「仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション」 7.3億円

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仮面ライダー」の冬映画。昨年の冬映画は15.1億円だったのに比べると下回ると思われる。

8位 「男はつらいよ お帰り 寅さん」 7.3億円

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男はつらいよ」の新作は現在7.3億円。まだ公開3週目なのでさらに稼ぐと思われる。

10位 「映画 妖怪学園Y 猫はHEROになれるか」 5.9億円

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妖怪ウォッチ」の新作は6億円間近。前作は12.5億円だが、本作は10億円を超えるのも厳しいか?この勢いで来年は果たしてあるのだろうか…?

 

2019年の冬休み映画は予想通り、アナ雪2とSWのディズニー2強独占状態となった。ディズニーはやはり強い……

 

7.今週の注目作

パラサイト 半地下の家族」(1月10日公開) (PG12)

殺人の追憶」「グエムル 漢江の怪物」「スノーピアサー」の監督ポン・ジュノと主演ソン・ガンホが4度目のタッグを組み、2019年・第72回カンヌ国際映画祭韓国映画初となるパルムドールを受賞した作品。

キム一家は家族全員が失業中で、その日暮らしの貧しい生活を送っていた。そんなある日、長男ギウがIT企業のCEOであるパク氏の豪邸へ家庭教師の面接を受けに行くことに。そして妹ギジョンも、兄に続いて豪邸に足を踏み入れる。正反対の2つの家族の出会いは、想像を超える悲喜劇へと猛スピードで加速していく……。

共演に「最後まで行く」のイ・ソンギュン、「後宮の秘密」のチョ・ヨジョン、「新感染 ファイナル・エクスプレス」のチェ・ウシク。

フォードvsフェラーリ」(1月10日公開)

マット・デイモンクリスチャン・ベールが初共演でダブル主演を務め、1966年のル・マン24時間耐久レースで絶対王者フェラーリに挑んだフォードの男たちを描いたドラマ。

ル・マンでの勝利を目指すフォード・モーター社から依頼を受けた、元レーサーのカーデザイナー、キャロル・シェルビーは、常勝チームのフェラーリ社に勝つため、フェラーリを超える新しい車の開発と優秀なドライバーの獲得を必要としていた。シェルビーは、破天荒なイギリス人レーサーのケン・マイルズに目をつけ、一部上層部からの反発を受けながらもマイルズをチームに引き入れる。限られた資金と時間の中、シェルビーとマイルズは力を合わせて数々の困難を乗り越えていくが……。

シェルビーをマット・デイモン、マイルズをクリスチャン・ベールがそれぞれ演じる。監督は「LOGAN ローガン」「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」のジェームズ・マンゴールド

カイジ ファイナルゲーム」(1月10日公開) 

福本伸行の人気コミックを藤原竜也主演で実写映画化した「カイジ」シリーズの3作目。前作「カイジ2 人生奪回ゲーム」から9年ぶりの新作となり、原作者の福本が考案したオリジナルストーリーで、「バベルの塔」「最後の審判」「ドリームジャンプ」「ゴールドジャンケン」という4つの新しいゲームを描きながら、シリーズのフィナーレを飾る。

2020年・東京オリンピックの終了を機に、国の景気は急激に失速。金のない弱者は簡単に踏み潰される世の中になっていった。派遣会社からバカにされ、少ない給料で自堕落な生活を送るカイジは、ある日、帝愛グループ企業の社長に出世した大槻と再会。大槻から、金を持て余した老人が主催する「バベルの塔」という、一獲千金のチャンスを含んだイベントの存在を知らされ……。

福士蒼汰関水渚新田真剣佑吉田鋼太郎らがシリーズ初参戦し、過去作からも天海祐希松尾スズキ生瀬勝久らが再登場。監督は過去2作と同じ佐藤東弥

ティーンスピリット」(1月10日公開) (PG12)

マレフィセント」「20センチュリー・ウーマン」のエル・ファニングが主演し、本格的な歌唱シーンにも挑戦した青春音楽ドラマ。

イギリスのワイト島で、移民として母子家庭で育った内気な少女ヴァイオレット・バレンスキは、現実の世界から自分を解き放ってくれる音楽を心のよりどころに生きていた。ある時、国際的に有名な人気オーディション番組「ティーンスピリット」の予選が地元で行われることを知ったヴァイオレットは、退屈な田舎町を抜け出して歌手になる夢をつかむため、オーディションに挑む決意をするが……。

監督・脚本は、名匠アンソニー・ミンゲラを父に持ち俳優としても活躍するマックス・ミンゲラ。製作に「ロケットマン」「リトル・ダンサー」の俳優ジェイミー・ベル

ダウントン・アビー」(1月10日公開)

大邸宅に暮らす貴族・クローリー家と使用人たちの生活を描き、ゴールデングローブ賞エミー賞に輝いたイギリスの人気ドラマを映画化。2010年から2015年まで全6シーズン放送されたドラマ版の最終回から2年後のクローリー家が描かれる。

1927年、英国国王夫妻が訪れることとなったダウントン・アビーでは、グランサム伯爵家の長女メアリーが執事のカーソンを復帰させ、パレードや豪勢な晩餐会の準備を進めていた。そんな中、先代伯爵夫人バイオレットの従妹で何十年も音信不通となっていたメアリー王妃の侍女モード・バッグショーとバイオレットの間にぼっ発した相続問題など、一族やメイドたちのスキャンダル、ロマンス、陰謀が次々と巻き起こる。

マギー・スミス、ヒュー・ボネビル、ジム・カーター、ミシェル・ドッカリーらドラマ版のキャストに加え、映画版で初登場となるモード役でイメルダ・スタウントンが出演。ドラマ版に引き続き、オスカー受賞のジュリアン・フェローズが脚本、マイケル・エングラーが監督を務める。

マザーレス・ブルックリン」(1月10日公開) (PG12)

エドワード・ノートンが「僕たちのアナ・バナナ」以来となる約19年ぶりの監督業に挑んだ作品で、1950年代のニューヨークを舞台に私立探偵が殺人事件の真相を追うアメリカンノワールノートンが監督のほか脚本、製作、主演も務めた。

障害を抱えながらも驚異的な記憶力を持つ私立探偵のライオネル・エスログの人生の恩人であり、唯一の友人でもあるボスのフランク・ミナが殺害された。事件の真相を探るべく、エスログがハーレムのジャズクラブ、ブルックリンのスラム街と大都会の闇に迫っていく。わずかな手掛かり、天性の勘、そして行動力を頼りに事件を追うエスログがたどり着いたのは、腐敗した街でもっとも危険と称される黒幕の男だった。

共演にはブルース・ウィリス、ググ・バサ=ロー、アレック・ボールドウィンウィレム・デフォーらが顔をそろえる。

シライサン」(1月10日公開) (PG12)

飯豊まりえが初の映画単独主演を務め、人気小説家・乙一として知られる安達寛高が長編監督デビューを果たしたホラー。安達監督が脚本も手がけ、「その名を知ると現れて、視線をそらすと殺される」という新たなホラーキャラクター「シライサン」の恐怖をオリジナルストーリーで描く。

眼球の破裂した死体が連続して発見された。直接の死因はいずれも心臓麻痺で、死の直前に何かに怯え、とり憑かれた様子だったという奇妙な共通点があった。親友を目の前で亡くした大学生の瑞紀と弟を失った春男は、ともに事件を調べ始める。2人は事件の鍵を握る女性・詠子を探し出すが、ほどなく彼女は「シライサン……」という謎の言葉を残し、一連の事件の被害者と同じように死んでしまう。事件に目をつけた雑誌記者の間宮も加わり、「シライサン」の呪いが徐々に明らかになっていくが……。

音楽」(1月11日公開) (PG12)

俳優としても活躍する漫画家・大橋裕之の「音楽と漫画」をアニメ化。楽器も触ったことがない不良学生たちが思いつきでバンドをスタートさせるロック漫画を、岩井澤健治監督が実写の動きをトレースする「ロトスコープ」という手法で7年の時間をかけて映像化。4万枚以上の作画を手描きし、ダイナミックな映像表現のためにクライマックスの野外フェスシーンでは、実際にステージを組んでミュージシャンや観客を動員してライブを敢行するなど、これまでのアニメ作品にはないさまざまな手法が取り入れられている。

ミュージシャンの坂本慎太郎のほか、駒井蓮前野朋哉、芹澤興人、平岩紙竹中直人岡村靖幸らが声優として参加。

 

というわけで、今週は以上。閲覧ありがとうございました。

 

<週刊興行批評>2019年の映画界を興行収入で振り返る!

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あけましておめでとうございます。2020年最初のこのコーナーは2019年を"興行収入"という視点から振り返ろうと思います。

↓2018年の興行収入振り返りはこちら。1年に渡って常に注目記事としてたくさんのアクセスをいただきました。この場を借りて感謝します…↓

 

 

※数字は2019年12月31日時点の記述となっています。

 

1.日本の興行収入ランキングトップ10

まずは日本の興行収入を邦画、洋画別に見ていくことにしましょう。

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ご覧のような結果になった。さあ、ここからは様々なトピックを引き合いにしながら、今年の映画界を見ていきたい。

2.今年の日本映画界を振り返ろう!

2019年はアニメ映画の多様性が光った一年!

今年は邦画トップ10のうち、アニメ映画が5作品ランクインした。

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まず、邦洋合わせて年間1位に輝いたのが「君の名は。」の新海誠監督の新作「天気の子」。興収は140.4億円。「君の名は。」に比べて半分となったが、2作品連続で100億円という日本では宮崎駿監督以来の快挙を達成した。これから日本アニメをリードしていくのは新海誠監督であることは間違いないだろう。

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名探偵コナン 紺青の拳」は93.7億円を稼ぎ、前作「ゼロの執行人」(91.8億円)を上回った。

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来年は赤井ファミリーを主役にした「灰色の弾丸」が公開。100億円超えとなるか、注目したい。

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ONE PIECE STAMPEDE」は55.3億円を稼ぎ、前作「ONE PIECE FILM GOLD」(51.8億円)を上回った。

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映画ドラえもん のび太の月面探査記」は50.1億円を稼ぎ、前作「のび太の宝島」(53.7億円)に引き続き、50億円の大台を突破した。


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来年は連載50周年・映画化40周年を記念して、「のび太の新恐竜」、「STAND BY ME ドラえもん2」が公開。ドラえもんがさらなる注目を浴びそうだ。

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ドラゴンボール超 ブロリー」は40.0億円を稼ぎ、前作「ドラゴンボールZ 復活の「F」」(37.4億円)を上回った。


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毎年公開されているアニメ映画では「ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」が29.8億円、「映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 〜失われたひろし〜」が20.5億円を稼いだ。

その他に「劇場版 Fate/stay night [Heaven’s Feel]II.lost butterfly」が16.7億円、「劇場版シティーハンター 〈新宿プライベート・アイズ〉」が15.0億円、「プロメア」が14.0億円、「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」が13.8億円、「ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow」と「映画 すみっコぐらし」が11.0億円、「コードギアス 復活のルルーシュ」が10.0億円、「映画 プリキュアラクルユニバース」が8.9億円、「冴えない彼女の育て方 Fine」と「映画 この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説」が7.0億円、「スター☆トィンクルプリキュア 星のうたに想いをこめて」と「ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝 永遠と自動手記人形」が6.4億円、「えいがのおそ松さん」が6.1億円、「HELLO WORLD」が5.9億円、「空の青さを知る人よ」が5.7億円、「ガールズ&パンツァー最終章 第2話」が4.5億円、「それいけ!アンパンマン きらめけ!アイスの国のバニラ姫」が4.1億円、「海獣の子供」が3.1億円、「二ノ国」が3.0億円、「きみと、波にのれたら」が2.5億円、「バースデー・ワンダーランド」が1.3億円と稼いだ。

2019年はアニメ映画がたくさんヒットした年でもあり、多様なジャンルの作品が誕生しました。

2019年は漫画実写映画もヒットが連発!

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2019年は漫画実写映画でもヒットが連発した。

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まず、「翔んで埼玉」が37.6億円とサプライズヒット。面白さが伝染したのか、2月公開ながら春休み、GWまでロングラン上映され、11週連続でトップ10にランクインした。

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続いて、「キングダム」が57.3億円を稼ぎ出し、GW映画として大いに賑わした。続編も視野に入った展開だったので、是非とも正式に製作していただきたいところだ。

その他にも「かぐや様は告らせたい」が21.9億円など漫画実写映画のヒットが相次いだ年となった。

2020年は藤原竜也主演の「カイジ」完結編、福田雄一監督による「ヲタクに恋は難しい」、夏にはドラマもヒットした「今日から俺は!!」、るろうに剣心」最終章の2作が2ヶ月連続公開、浜辺美波北村匠海らが主演する「思い、思われ、ふり、ふられ」、冬には同じく浜辺美波が主演する「約束のネバーランド」が公開予定だ。

2019年はフジテレビ映画がヒットを連発!

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今年の邦画トップ10のうち9作品がテレビ局が製作に参加している作品だった(赤がフジテレビ、黄が日本テレビ、緑がテレビ朝日、青がテレビ東京)。そのうちの5作品がフジテレビだ。


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「ワンピース」の新作が55.3億円、木村拓哉主演の「マスカレード・ホテル」が46.4億円、ドラゴンボール」の新作が40.0億円、「翔んで埼玉」が37.6億円、三谷幸喜監督の「記憶にございません!」が35.9億円とヒットを連発した。

ここで各テレビ局の製作映画の興収を見てみよう。

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日本テレビは18本(2018年:16本)を公開。コナンキングダムのメガヒットを記録したほか、「十二人の死にたい子供たち」、シティーハンター、「ザ・ファブル」、「Diner ダイナー」、「アルキメデスの大戦」、ドラクエが10億円超えを果たした。

2020年はカイジ」の完結編、「AI崩壊」、ドラマ「奥様は、取り扱い注意。」や「今日から俺は!!」の劇場版が公開予定だ。

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テレビ朝日は11本(2018年:11本)を公開。ドラえもんしんちゃんプリキュア仮面ライダースーパー戦隊といった毎年のように公開されている映画に関しては大ヒットを記録したほか、ドラマ「おっさんずラブ」の映画化が25億円という大ヒットを記録した。

2020年もドラえもんしんちゃんプリキュア仮面ライダースーパー戦隊といった毎年恒例の映画が待機している。

f:id:ot20503:20200111032151j:plainTBSは4本(2018年:7本)を公開。池井戸潤原作の「七つの会議」や「かぐや様は告らせたい」が20億円を超える大ヒットとなった。

2020年は「スマホを落としただけなのに」の続編、中島みゆきの「」を基にした作品や田中圭主演の「ヒノマルソウル」が公開予定。

f:id:ot20503:20200111032404j:plainテレビ東京は6本(2018年:9本)を公開。「ミュウツーの逆襲」や「引っ越し会議!」が大ヒットを記録した。

2020年は「劇場版 ポケットモンスター ココ」が公開予定だ。

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フジテレビは13本(2018年:8本)を公開。前述のほかにも「コンフィデンスマンJP」や「ペット2」が20億円を超える大ヒットとなった。

2020年は「ヲタクに恋は難しい」の実写化、広瀬すず吉沢亮堤真一主演の「一度死んでみた」、「コンフィデンスマンJP」の新作、イルミネーションからは「ミニオン」の新作が公開予定だ。

2019年もフジテレビ制作の映画がヒットを連発した年となった。

その他の実写邦画は?

蜷川実花監督の「人間失格」は12.2億円、中島美嘉の楽曲を基にした「雪の華」が10.4億円、北村匠海永野芽郁主演の「君は月夜に光り輝く」が10.3億円、堤真一岡村隆史主演の「決算!忠臣蔵」が10.2億円、天海祐希吉永小百合主演の「最高の人生の見つけ方」が9.5億円、「映画 刀剣乱舞」が9.0億円、「蜜蜂と遠雷」が8.6億円、「貞子」が6.4億円、「映画 少年たち」が5.9億円、「新聞記者」が4.8億円、「愛がなんだ」が3.5億円、「見えない目撃者」が3.0億円という結果となった。

ディズニーがメガヒットを連発!

ここからは2019年の洋画を興行収入で振り返ろう。

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2019年はディズニーの大ヒットがたくさん生まれた年となった。

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ウィル・スミスがジーニー役を務めた「アラジン」が121.4億円、ピクサー作品の「トイ・ストーリー4」が100.7億円、フルCGで描かれた「ライオン・キング」が66.0億円とメガヒットを次々と記録した。

その他にも2018年12月に公開された「シュガー・ラッシュ」の続編が38.6億円を記録し、アナ雪2が100億円、SWの新作が50億円を既に記録しており、さらなるヒットを記録するのは間違いないだろう。

2020年はピクサーからは春に「2分の1の魔法」、夏には「Soul」が公開され、GWには「ムーラン」、夏には「ジャングルクルーズ」が公開予定。また、20世紀FOXが買収されたことにより、「フォードvsフェラーリ」や「ジョジョ・ラビット」といったオスカー有力作品や「キングスマン」やスピルバーグ監督によるウエスト・サイド物語」のリメイクといった話題作が続々公開される。

アメコミ映画がより定着!

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2019年はアメコミ映画がさらなる定着を迎えた年となった。

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マーベルからは「アベンジャーズ/エンドゲーム」が60億円超えというMCU最大のヒットとなり、「キャプテン・マーベル」が20億円、「スパイダーマン:FFH」が30億円とそれぞれ大ヒットした。

DCコミックからは「アクアマン」が16億円、「シャザム!」が6億円を記録した中、ホアキン・フェニックスの「ジョーカー」が50億円を超える予想以上の大ヒットとなった。題材が多くの人に共感された結果が数字に表された形となり、今後のDCコミック映画の方向性が示された。

2020年のアメコミ映画はMCUからは5月に「ブラック・ウィドウ」、11月にはアンジェリーナ・ジョリーが主演する「エターナルズ」が公開。他にもFOXからは4月(アメリカ)に「X-MEN」のスピンオフ「ニュー・ミュータンツ」がついに公開。ソニーからは7月(アメリカ)にジャレッド・レトによる「モービウス」、10月(アメリカ)に「ヴェノム」の続編が公開される。DCコミックは3月にはハーレイ・クインを主役にした「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」、6月には「ワンダーウーマン 1984」が公開予定だ。

その他の洋画は?

そのほかにはワイルド・スピード」のスピンオフが30.6億円、「名探偵ピカチュウ」が30億円、「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」が27.8億円、「ターミネーター:ニュー・フェイト」が23.0億円、アカデミー賞作品賞を受賞した「グリーンブック」が21.2億円、イルミネーション作品の「ペット2」が20.5億円、「IT/イット THE END」が18.0億円、タランティーノ監督の「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」が11.5億円、MIBが9.4億円、アリータが9.1億円、「バンブルビー」が8.4億円、イーストウッド監督の「運び屋」が7.6億円、「アド・アストラ」が5.9億円、「エスタデイ」が5.3億円、「ロケットマン」が5.1億円、「ジョン・ウィック パラベラム」が5億円、「ジェミニマン」が4.9億円を記録した。

3.世界はどうなのか?

では、ここで世界の興行収入を見ていくとしよう。

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10本中7本がディズニー映画で独占状態となり、「アベンジャーズ/エンドゲーム」が「アバター」(27億4385万ドル)を超えて歴代No.1ヒットとなった。

ちなみにハリウッドがあるアメリカも「アベンジャーズ/EG」が1位となっている。

4.2020年はどうなるのか?

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さて、2020年はその他にも1月には「パラサイト」や「キャッツ」といったオスカー有力作、岩井俊二監督の新作、3月にはロバート・ダウニー・Jr.主演の「ドクター・ドリトル」、ソニックの実写化、4月には007、5月には藤原竜也×竹内涼真主演作おジャ魔女どれみ」の新作岡田准一主演の「燃えよ剣」、6月には「シン・エヴァ」、7月にはトップガン」34年ぶりの続編、夏には「ゴーストバスターズ」のオリジナルキャストが登場する続編、9月にはクリストファー・ノーラン監督の新作、「鹿の王」のアニメ化、秋には「バイオハザード」のハリウッド版のスタッフによる「モンスターハンター」、小栗旬×星野源による「罪の声」が公開予定。

他にも2020年は山崎賢人×松岡茉優による又吉直樹原作の「劇場」、ライアン・レイノルズ主演の「フリー・ガイ」、「ピーターラビット2」、「キューティー・ブロンド3」、「ワイルド・スピード9」、「ゴジラvsキングコング」が公開予定となっている。

さらに、NETFLIXやDisney+といったネット配信サービスのオリジナル映画がさらに飛躍すると思われ、2020年も多種多様な映画に出会えそうだ。

 

今年も素敵な映画に出会えますように。閲覧ありがとうございました。

<週刊興行批評>スター・ウォーズの新作が公開!新3部作の成績を振り返る!

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今週は「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」の初登場から2015年から始まった新3部作(シークエル・トリロジー)の日本での興収の振り返り、さらには「アナと雪の女王2」の5週目の分析をしたいと思います。

 

 

1.先週末のランキング

まずは、先週末のランキングを見てみましょう。

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1位は初登場スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」。土日2日間で動員67万1000人、興収10億3700万円をあげ、初日から3日間の累計では動員101万9000人、興収15億7000万円をあげ、2019年の実写映画オープニングNo.1を記録するヒットスタートとなった。

2位は「アナと雪の女王2」。土日2日間で動員40万人、興収5億1400万円をあげ、累計では動員641万人、興収82億円を突破。歴代興収ランキング64位まで順位を上げている。

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3位は初登場僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジン」。土日2日間で動員22万4000人、興収2億8300万円をあげ、初日からの3日間で動員33万2400人、興収4億2200万円をあげた。

4位は初登場仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション」土日2日間で動員19万6000人、興収2億4900万円をあげた。

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昨年の冬の仮面ライダー映画を下回った結果となったが、まずは最終興収10億円に向けて、冬休みの動向に注目だ。

5位は「屍人荘の殺人」。累計で動員35万5800人、興収4億6800万円を突破した。

6位は「午前0時、キスしに来てよ」。

7位は「映画 妖怪学園Y 猫はHEROになれるか」。累計で動員19万8300人、興収2億2400万円を突破した。

8位は「ジュマンジ/ネクスト・レベル」。累計で動員32万6000人、興収4億6000万円を突破した。

9位は「ルパン三世 THE FIRST」。累計で動員54万人、興収7億3700万円を突破した。

10位は初登場ヒックとドラゴン 聖地への冒険」。

この世界の(さらにいくつもの)片隅に」は42館で初日からの3日間で動員1万6100人、興収2350万円を突破し、初登場14位だった。

 

2.興収チェック!「アナと雪の女王2」

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今週は2位にランクインした「アナと雪の女王2

強敵SWが公開された中、土日2日間で動員40万人、興収5億1400万円をあげ、累計では動員641万人、興収82億円を突破。歴代興収ランキング64位にランクインするなどまだまだ勢いは止まらない。

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今年同じくディズニー映画でヒットした「アラジン」と「トイ・ストーリー4」、そして、前作との比較だ。先週もそうだったが、週末興収は「アラジン」のほうが今週も上だ。また、5週目の累計興収も「アラジン」が上回っている。ここに来て、勢いが収まりつつあるか?ちなみに「アラジン」の累計興収は121.4億円。まだ、冬休み突入前の数字なのでこれから息吹き返す可能性もあるが(実際に年末年始に向けた初鑑賞やリピーターに向けた本編にさらに入り込んだ映像を使用するCMに切り替えている)、150億円突破には暗雲が立ち込めてきた状況だ。

 

3.興収チェック!「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」

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さて、今週初登場1位に輝いたのが「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」。

2015年の「フォースの覚醒」、2017年の「最後のジェダイ」につづく新3部作(シークエル・トリロジー)の最終章であり、これまで8作品手がけられたスカイウォーカー・サーガの最終章にもあたる作品となっている。

前作「最後のジェダイ」があまりの衝撃的でSWに風穴を開けた内容なだけに賛否両論に溢れ、半年後に公開されたスピンオフ「ハン・ソロ」が想像よりもヒットしない"SW疲れ"なる現象が発生するなど「スター・ウォーズ」のブランド価値も落ちかねない事態となった中でのエピソード9の公開となった。

結果としては土日2日間で動員67万1000人、興収10億3700万円をあげ、初日から3日間の累計では動員101万9000人、興収15億7000万円をあげ、オープニング成績としてはアナ雪2、コナン、トイ・ストーリー4、天気の子、アラジンにつづく結果となった。

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2019年のディズニー映画で比較するとこんな感じ。「アベンジャーズ/エンドゲーム」と比較すると動員比107%、興収比108%と僅かに上回った状態。ついに、SWもMCUに肉薄する時代となっている状況だ。

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2015年以降のSWシリーズで比較するとこんな感じ。2015年の「フォースの覚醒」は念願のSW復活ということもあって100億円を超えるヒットを果たしたが、以降そこまでのヒットには及んでいない。スピンオフも含めて、SWが毎年のように公開されてる状況は発表された当初は興奮もしたが、終わってみるとそんなハイペースで作って観るシリーズじゃないと痛感した。

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ちなみに過去2作の興収動向はこの通り。「最後のジェダイ」の落ち込み具合が激しいことが分かるだろう。おそらく、本作はそこまで落ち込みは激しくないとは言え、60億いくかいかないか、まずはそこが問われているように感じる。

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来週、再来週と年末年始シーズンに突入で各地の映画館も繁盛すると思われるが、SWはその恩恵に預かることはできるのか。来週以降の動向にも注目することで新3部作の動向、SWの未来を掻い摘むことができるだろう。

 

4.今週の注目作

男はつらいよ お帰り 寅さん」(12月27日公開)

山田洋次監督による国民的人情喜劇「男はつらいよ」シリーズの50周年記念作品。1969年に第1作が劇場公開されてから50周年を迎え、97年の「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇」以来、22年ぶりに製作された。倍賞千恵子前田吟吉岡秀隆らに加え、シリーズの看板俳優であり、96年に亡くなった渥美清も出演。さらに、歴代マドンナからは後藤久美子浅丘ルリ子と「男はつらいよ」でおなじみのキャストが顔をそろえる。柴又の帝釈天の参道にかつてあった団子屋「くるまや」は、現在はカフェに生まれ変わっていた。その裏手にある住居では車寅次郎の甥である満男の妻の7回忌の法事で集まった人たちが昔話に花を咲かせていた。サラリーマンから小説家に転進した満男の最新作のサイン会の行列の中に、満男の初恋の人で結婚の約束までしたイズミの姿があった。イズミに再会した満男は「会わせたい人がいる」とイズミを小さなジャズ喫茶に連れて行く。その店はかつて寅次郎の恋人だったリリーが経営する喫茶店だった。

劇場版 新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X」(12月27日公開)

E5系はやぶさ」「N700Aのぞみ」など実在する新幹線が変形するロボット「シンカリオン」に乗る運転士となった子どもたちが、大人たちと協力して敵に立ち向かう姿を描いたテレビアニメ「新幹線変形ロボ シンカリオン」の劇場版。

次世代新幹線開発のための試験車両「ALFA-X」がシンカリオンとして登場し、新たな運転士とともに戦う姿を描く。地球を狙う新たな敵ナハネの出現によって、再び戦いに身を投じることになったハヤトたち「チームシンカリオン」だったが、ナハネの襲撃によってハヤトの父ホクトが行方不明になってしまう。不安を隠せないハヤトの前に、時空を超えて9歳のホクトが現れる。タイムスリップしてきた少年ホクトは、地球を守り、元いた時間に戻るため、最新技術を結集して完成した「シンカリオンALFA-X」の運転士になることを決意する。

少年ホクト役は声優の釘宮理恵。ナハネ役で俳優の伊藤健太郎、ナハネの参謀オハネフ役で吉田鋼太郎がゲスト出演。

さよならテレビ」(1月2日公開)

ヤクザの現実を追った「ヤクザと憲法」の監督とプロデューサーによる、現在のテレビの現場で何が起こっているのかを探ったドキュメンタリー。さまざまな社会問題を取り上げたドキュメンタリー作品を世に送り出している東海テレビによる劇場公開ドキュメンタリーの第12弾。

潤沢な広告収入を背景に、情報や娯楽を提供し続けた民間放送。しかし、テレビがお茶の間の主役だった時代は過去のものとなり、テレビを持たない若者も珍しくなくなってしまった。マスメディアの頂点に君臨していたテレビが「マスゴミ」とまで揶揄されるようになったのは、市民社会が成熟したのか、それともテレビというメディア自体が凋落したのか。テレビの現場で何が起きているのかを探るため、自社の報道部にカメラを入れ、現場の生の姿を追っていく。

2018年9月に東海テレビ開局60周年記念番組として東海地方限定で放送されたドキュメンタリー番組に40分以上のシーンを追加した。

ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋」(1月3日公開) (PG12)

 

才色兼備の国務長官とうだつのあがらないジャーナリストとの恋愛をシニカルに描いた、シャーリーズ・セロンセス・ローゲン主演のラブコメディ。

アメリカの国務長官として活躍するシャーロット・フィールドは目前に控えた大統領選の選挙スピーチ原稿作りをジャーナリストのフレッドに依頼する。常に世間から注目され、脚光を浴びるシャーロットと行動をともにするうちに、彼女が高嶺の花であることがわかっていながらフレッドは恋に落ちてしまう。しかし、この恋にはクリアしなければいけないさまざまな高いハードルが待ち受けていた。

シャーロット役をシャーリーズ・セロン、フレッド役をセス・ローゲンがそれぞれ演じるほか、オシェア・ジャクソン・Jr.、アンディ・サーキスアレクサンダー・スカルスガルドらが脇を固める。監督は、ローゲンとは「50/50 フィフティ・フィフティ」でもタッグを組んだジョナサン・レビン。

エクストリーム・ジョブ」(1月3日公開) (PG12)

 

ひょんなことから大人気フライドチキン店を経営することとなった麻薬捜査班の姿を、「王になった男」のリュ・スンリョン主演で描いたコメディ。

忙しく走り回りながらも、思うような実績を積めずに解散の危機を迎えている麻薬班。国際犯罪組織の国内麻薬密搬入情報を入手したコ班長は、チャン刑事、マ刑事、ヨンホ、ジェフンの4人のチーム員たちとともに潜伏捜査を開始する。24時間監視のため、犯罪組織のアジト前にあるチキン屋を買い取り、麻薬班メンバーによるチキン屋稼業をスタートさせるが、絶対味覚を持つマ刑事の隠れた才能により評判が広まり、チキン屋は捜査にも手が回らないほどの大人気店となってしまう。そんなある日、麻薬班に捜査の絶好の機会が訪れるが……。

監督は「二十歳」のイ・ビョンホン

尾崎豊を探して」(1月3日公開) (PG12)

 

「卒業」「I LOVE YOU」「15の夜」など数々の楽曲を残し、1992年に26歳の若さで亡くなったミュージシャン、尾崎豊のデビュー当時から20代前半のライブなどの貴重な映像記録から構成された映像作品。

さまざまな苦悩を歌の中に託し、優しさや愛とは何かを求め続けた尾崎豊。この世を去って30年近く経った今もなお、彼の遺した作品は世代を超えて聴き継がれている。そんな尾崎の歌は何を伝えようとしてたのかを探すため、81年の新宿ルイードの初ライブ、地方公演、ニューヨーク、大阪球場、国立代々木競技場などのライブ、なにげない日常を切り取った映像など、400時間にも及ぶ映像群から断片を丹念にひろい集め、尾崎豊に迫っていく。

監督は美空ひばり矢沢永吉萩原健一沢田研二尾崎豊など長年にわたりミュージシャンとの映像作品を数多く演出してきた映像作家の佐藤輝。

 

というわけで、今週は以上。閲覧ありがとうございました。

<週刊興行批評>アナ雪2独走状態はいつまでつづく?

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今週は「ジュマンジ/ネクスト・レベル」の初登場と「アナと雪の女王2」の4週目の分析したいと思います。

 

 

1.先週末のランキング

まずは、先週末のランキングを見てみましょう。

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1位は「アナと雪の女王2」。土日2日間で動員60万7000人、興収7億8000万円をあげ、累計では、動員568万人、興収73億円を突破。公開から4週目にして早くも歴代興収ランキング82位にランクインした。 

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2位は初登場ジュマンジ/ネクスト・レベル」。土日2日間で動員13万人、興収1億8700万円をあげ、初日から3日間の累計では動員16万5000人、興収2億3700万円をあげる好スタートを切った。

3位は初登場屍人荘の殺人」。土日2日間で動員12万5000人、興収1億6500万円をあげ、初日から3日間の累計では動員16万7000人、興収2億2000円と、動員で「ジュマンジ/ネクスト・レベル」を上回った。昨年同時期に公開された東宝配給作「来る」(土日2日間で動員10万1000人、興収1億3700万円、最終興収8.9億円)の動員比123%、興収比120%と上回り、最終興収10億円も充分に狙える。

4位は初登場映画 妖怪学園Y 猫はHEROになれるか」。初日からの3日間で動員11万7700人、興収1億3200万円をあげた。

5位は「ルパン三世 THE FIRST」。累計で動員43万人、興収5億9100万円を突破した。

6位は「午前0時、キスしに来てよ」。累計で動員35万8000人、興収4億3100万円を突破した。

7位は「映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ」。

8位は初登場カツベン!」。初日からの3日間で動員6万2700人、興収7800万円をあげた。

9位は「決算!忠臣蔵」。累計で動員78万2000人、興収9億5800万円を突破した。

10位は初登場映画 ひつじのショーン UFOフィーバー!」。

ぼくらの7日間戦争」は初日からの3日間で動員2万8400人、興収3600万円をあげて初登場11位となっている。

 

2.興収チェック!「ジュマンジ/ネクスト・レベル」

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今週初登場2位にランクインしたのは「ジュマンジ/ネクスト・レベル。テレビゲームの世界を舞台にゲームキャラクターのアバターになった高校生たちが冒険を繰り広げる「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」の続編だ。

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前作と比較するとこんな感じ。動員比で72%、興収比で68%と前作を上回るオープニング成績を叩きだすことは出来なかった。

前作はアメリカなどでは2017年の冬休みだったところを2018年の春休みに日本公開されたが、全世界の大ヒット(9億6226万ドル*1 )、日本でのマジ卍をもじった「マジジュマンジ」といった宣伝の上手さが功を奏しヒットを記録。

続編ではさらなるヒットも期待したが、前作を上回る出足とはならなかった。冬休みに向けて、10億円以上のヒットを狙っていただきたい。

 

3.興収チェック!「アナと雪の女王2」

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さて、今週も1位に輝いたのが「アナと雪の女王2」。

土日2日間で動員60万7000人、興収7億8000万円をあげ、累計では動員568万人、興収73億円を突破した。段々と減速はしてきたものの、他作品をまだまだ寄せ付けないペースで独走中だ。

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毎週恒例となった今年同じくディズニー映画でヒットした「アラジン」と「トイ・ストーリー4」、そして、前作との比較だ。ここに来て、「アラジン」の4週目を下回る成績、さらには前作の累計興収に抜かされる事態となった。

今週は冬休みに向けた映画が多数公開されたこともあって、アナ雪2もさすがに落ち着いたといったところだろうか。

この独走状態もさすがに今週いっぱいだろう。というのも、いよいよ今週末には「スター・ウォーズ」の新作が公開。前作が賛否両論で熱が若干冷めたとはいえ、SWが持つ力はアナ雪2の独走状態を落ち着かせることは間違いない。今週末、あるいは子供たちが冬休みに入るクリスマス以降の成績に注目したいところだ。

 

4.今週の注目作

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」(12月20日公開)

スター・ウォーズ」の新たな3部作としてスタートした「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」、「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」に続く3部作の3作目。「スター・ウォーズ」サーガのエピソード9にあたり、1977年のシリーズ1作目から計9作品を通して語られてきたスカイウォーカー家の物語が完結する。

「フォースの覚醒」を手がけたJ・J・エイブラムスが再びメガホンをとり、主人公のレイを演じるデイジー・リドリーほか、ジョン・ボイエガアダム・ドライバーオスカー・アイザックら3部作の主要キャラクターを演じてきたキャストが集結。初期3部作の「スター・ウォーズ/帝国の逆襲」、「スター・ウォーズ/ジェダイの帰還」に登場した、ビリー・ディー・ウィリアムズ演じるランド・カルリジアンが再登場するほか、シリーズを通して重要な役割を担ってきた、16年12月に急逝したキャリー・フィッシャー演じるレイア・オーガナも、「フォースの覚醒」製作時に撮影されていたものの未使用だった映像を用いて登場する。

この世界の(さらにいくつもの)片隅に」(12月20日公開)

片渕須直監督がこうの史代の同名漫画をアニメーション映画化して異例のロングランヒットを記録し、国内外で高い評価を得た「この世界の片隅に」に、新たなシーンを追加した長尺版。

日本が戦争のただ中にあった昭和19年広島県・呉に嫁いだすずは、夫・周作とその家族に囲まれ、新たな生活を始める。戦況の悪化に伴い生活も困窮していくが、すずは工夫を重ねて日々の暮らしを紡いでいく。そんなある日、迷い込んだ遊郭でリンという女性と出会ったすずは、境遇は異なるものの、呉ではじめて出会った同世代の女性であるリンと心を通わせていくが……。

片渕監督のもと、主人公すず役ののん、今作でシーンの追加されたリン役の岩井七世らキャスト陣は変わらず続投。

テッド・バンディ」(12月20日公開) (R15+)

グレイテスト・ショーマン」のザック・エフロンが、30人以上の女性を惨殺した実在の殺人鬼を演じた犯罪ドラマ。

1969年、ワシントン州シアトル。とあるバーで出会い恋に落ちたテッド・バンディとシングルマザーのリズは、リズの幼い娘モリーとともに3人で幸福な家庭生活を築いていた。しかし、ある時、信号無視で警官に止められたテッドは、車の後部座席に積んであった疑わしい道具袋の存在から、誘拐未遂事件の容疑で逮捕されてしまう。また、その前年にも女性の誘拐事件が起きており、目撃された犯人らしき男はテッドと同じフォルクスワーゲンに乗り、その似顔絵はテッドの顔に酷似していた。

テッド役のザック・エフロンのほか、リリー・コリンズ、ジョン・マルコビッチらが脇を固める。監督は、同じくテッド・バンディを題材としたNetflixオリジナルドキュメンタリーシリーズ「殺人鬼との対談 テッド・バンディの場合」を手がけたジョー・バリンジャー。

僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング」(12月20日公開)

 

週刊少年ジャンプ」連載の堀越耕平による人気コミックを原作とする大ヒットアニメ「僕のヒーローアカデミア」の劇場版第2弾。

ある雪の夜。ヒーロー社会を壊そうともくろむヴィラン・死柄木弔たちが、密かに「何か」を運ぼうとしていた。彼らの不穏な動きを掴んだプロヒーローたちが現場に駆けつけ、激しい戦いを繰り広げる中、その「何か」は仲間とともに去って行った。同じ頃、出久ら雄英高校ヒーロー科1年A組の生徒たちは、ナンバーワンヒーロー・オールマイトの跡を継ぐ「次世代のヒーロー育成プロジェクト」の一環として、日本のはるか南に位置する那歩島へやって来る。そこへ突如として謎のヴィランたちが襲来し、次々と島の施設を破壊していく。出久たちは力を合わせて立ち向かうが、敵を率いる「ナイン」の個性と力は想像を遥かに超えるものだった。

ヒックとドラゴン 聖地への冒険」(12月20日公開)

クレシッダ・コーウェルの同名児童文学を原作に、バイキングの少年とドラゴンの友情と成長を描いたドリームワークス製アニメ「ヒックとドラゴン」シリーズの劇場版第3作。

かつてドラゴンは人間の敵だったが、弱虫なバイキングの少年ヒックと傷ついたドラゴンのトゥースの活躍によって両者は共存する道を選び、バーク島で平和に暮らしていた。ところが、急激な人口&ドラゴン増加により、バーク島は定員オーバーに達してしまう。亡き父の跡を継いで若きリーダーとなったヒックは、皆と島を出て新天地を探し求めることを決意。しかし旅の途中、一行は最凶のドラゴンハンターに命を狙われ、トゥースの前には謎の白いドラゴン“ライト・フューリー”が姿を現す。やがて彼らがたどり着いたのは、人間が住むことのできないドラゴンだけの“隠された王国”だった。

前2作に続き、「リロ&スティッチ」のディーン・デュボアが監督・脚本を手がけた。

THE UPSIDE 最強のふたり」(12月20日公開)

日本でも大ヒットを記録したフランス映画「最強のふたり」のハリウッドリメイク版。

スラム街出身で職もなく、妻子にも見放されたデルは、全身麻痺で車椅子生活を送る大富豪フィリップの介護人として働くことになる。秘書のイヴォンヌをはじめフィリップの周囲の人々は、キャリアも教養もなく、お調子者のデルを雇うことに否定的だったが、周囲の反対をよそに、フィリップとデルは互いにひとりの人間として接し、充実した日々を送る。しかし、フィリップは誰にも言えない秘密を抱えており、ある日、ふたりの友情を揺るがす出来事が起こる。

主人公デルを「ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル」のケヴィン・ハート、フィリップを「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」のブライアン・クランストンが演じたほか、秘書イヴォンヌ役でニコール・キッドマンが共演。監督は「それぞれの空に」「ダイバージェント」のニール・バーガー

ブレッドウィナー」(12月20日公開)

  

タリバン政権下のアフガニスタンを舞台に、過酷な日常を生き抜こうとする少女とその家族の姿を描き、第90回アカデミー長編アニメーション賞にノミネートされた社会派アニメ映画。原作はカナダの児童文学作家デボラ・エリスの小説「生きのびるために」。監督は「ブレンダンとケルズの秘密」のノラ・トゥーミー。

両親や姉、幼い弟と暮らす少女パヴァーナへは、戦争で片脚を失った父と一緒に露店を出して日銭を稼いでいた。そんなある日、父親が突然タリバンに連行されてしまう。女性だけでの外出は禁じられており、一家は食料も買うことができず窮地に立たされる。そこでパヴァーナへは髪の毛を切って男装し、街へ働きに出るが……。

冬時間のパリ」(12月20日公開)

パーソナル・ショッパー」「夏時間の庭」のオリヴィエ・アサイヤス監督が、冬のパリを背景に、もつれた2組の男女の愛の行方や幸せを模索していく姿を、洗練された会話やユーモアとともに描いた恋愛ドラマ。

編集者のアランは、押し寄せる電子書籍ブームの時代に順応しようと奮闘していた。そんな中、作家で友人のレオナールから、不倫をテーマにした新作の相談を持ちかけられる。内心で彼の作風を古いと感じていたアランだったが、アランの妻で女優のセレナの意見は正反対だった。アランとセレナの夫婦仲は最近うまくいっていないのだが、実はアランは年下のアシスタントと不倫中で、セレナもレオナールと秘密の関係を持っていて……。

セレナ役のジュリエット・ビノシュ、アラン役のギョーム・カネ、レオナール役のバンサン・マケーニュらフランスの名優が共演。

仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション」(12月21日公開)

2000年からスタートした「平成仮面ライダー」シリーズの20作目で最後の作品となった「仮面ライダージオウ」と、平成から令和への改元を経た19年に「令和仮面ライダー」の1作目として誕生した「仮面ライダーゼロワン」が共闘する劇場版。

タイムジャッカーの歴史介入によって、世界はヒューマギアに人間が支配される構図へと変わってしまう。飛電或人は荒廃した世界に戸惑いを隠せないが、そこに追い討ちをかけるように、ヒューマギアのウィル/アナザーゼロワンの存在によってゼロワンの力が失われてしまう。元の世界を取り戻すべく、仮面ライダーとしての記憶がよみがえった常磐ソウゴとともに、或人は全ての始まりの日である12年前へと向かう。しかし、そんな或人の前に、12年前の大事故「デイブレイク」に巻き込まれて命を落としたはずの父・飛電其雄が現れる。

 

というわけで、今週は以上。閲覧ありがとうございました。

*1:ソニー・ピクチャーズ作品では「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」、「007 スカイフォール」に続く歴代3位

<週刊興行批評>2019年冬休み映画興行予想!

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今週は「ルパン三世 THE FIRST」の初登場と「アナと雪の女王2」の3週目の分析、2019年の冬休み映画の興行収入を予想したいと思います。

 

 

1.先週末のランキング

まずは、先週末のランキングを見てみましょう。

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1位は「アナと雪の女王2」。土日2日間で動員77万6000人、興収10億3300万円をあげ、累計では動員466万人、興収60億円を突破した。

2位は初登場ルパン三世 THE FIRST」。土日2日間で動員17万7000人、興収2億4500万円をあげ、初日から3日間の累計では、動員22万人、興収3億円を超えるヒットスタートを切った。

3位は初登場午前0時、キスしに来てよ」。土日2日間で、動員12万1000人、興収1億4500万円をあげ、初日からの3日間で動員15万9000人、興収1億9400万円となった。 

4位は「映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ」。累計では動員81万人を突破、興収は間もなく10億円に届くヒットとなっている。

5位は「決算!忠臣蔵」。累計で動員67万8000人、興収8億2900万円を突破した。

6位は「ターミネーター:ニュー・フェイト」。累計で動員161万人、興収22億円を突破。

7位は「ドクター・スリープ」。累計で動員20万人、興収2億5500万円を突破。

8位は「IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。」。累計で動員128万人、興収17憶円を突破。

9位は「冴えない彼女の育てかた Fine」。累計興収は6億6700万円を突破。

10位は「シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」。累計で動員8万1100人、興収1億円を突破した。

 

2.興収チェック!「ルパン三世 THE FIRST」

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今週初登場2位にランクインしたのは「ルパン三世 THE FIRST」。単独の長編映画としては「ルパン三世 DEAD OR ALIVE」以来23年ぶり。監督を山崎貴が務め、シリーズ初の3DCGに挑んだ作品だ。

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近年のルパン三世長編映画の興収比較。2013年に公開された「名探偵コナン」とのコラボ作品や2014年に公開された実写版を下回る結果となってしまった。
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近年の山崎貴監督作品での比較。ドラクエと比較すると62%、アルキメデスと比較して92%のオープニング成績となっている。最終興収も10〜20億円程度となるだろう。

2010年代のルパン三世は声優の変更、名探偵コナンとのコラボ作品、小栗旬主演の映画と鈴木亮平で銭形警部を主役にしたドラマというそれぞれの実写版、宝塚による舞台化、ルパン三世以外を主人公にしたスピンオフシリーズ「LUPIN THE ⅢRD」、30年ぶりのテレビシリーズとルパン三世のジャケット色の変更(赤→青)、そして、3DCG映画と様々な挑戦をしてきた。それはそれで良いことだが、ぜひとも普通のアニメで長編映画を作っていただきたいものだ。

 

3.興収チェック!「アナと雪の女王2」

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さて、今週も1位に輝いたのが「アナと雪の女王2」。

土日2日間で動員77万6000人、興収10億3300万円をあげ、累計では動員466万人、興収60億円を突破するなどまだまだヒットの緩みを止めることはない。

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先週に引き続き、今年同じくディズニー映画でヒットした「アラジン」と「トイ・ストーリー4」、そして、前作と比較してみた。やはり、今年公開された2作品と比べるとアナ雪2の勢いが上であることが分かる。前作はクチコミにより週末の興収は増加を続けているが、アナ雪2が少し上回っている状況だ。来週、再来週とどれくらい勢いが弱回るのか。引き続き、比較していこうと思う。

ちなみに今週末からは応援上映も開始されるのでリピーター効果にも期待したいところ。

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4.2019年冬休み映画興行予想!

さあ、いよいよ冬休み。クリスマスやお正月といった年末年始シーズンが到来。実家帰省などもあるが、映画鑑賞も冬休みの一つの予定に組み込まれている方もいらっしゃるのではないだろうか?今週末から冬休みに向けた映画が次々と公開。そこで冬休み映画として期待する作品とその興収予想をしてみようと思う。

アナと雪の女王2」(公開中)

最終興収(予想):150〜200億円

 当ブログでも毎週のように取り上げてように今年の冬休み映画の首位を取ることは確定だろう。正月までには100億円を稼ぎ出し、春休みまでのロングランに持ち運びたいところ。

「ドクター・スリープ」(公開中)

最終興収(予想):3〜5億円

「シャイニング」の40年ぶりの続編となる本作。公開2週目で7位という状況で5億円稼いだら頑張ったと考えたほうが良さそうだ。

ルパン三世 THE FIRST」(公開中)

最終興収(予想):10〜20億円

先ほど紹介した「ルパン三世」の新作。今年の山崎貴監督作の成績と比較すると10億円から20億円あたりで落ち着くと思われる。

「午前0時、キスしに来てよ」(公開中)

最終興収(予想):3〜8億円

橋本環奈、片寄涼太主演の本作。オープニング成績から推測すると10億円まではいかないだろうと予想。冬休みのラブストーリー需要を担うことは間違いないだろう。

ジュマンジ ネクスト・レベル」(12/13公開)

最終興収(予想):10〜20億円

日本では昨年公開された「ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル」の続編。前作は12.4億円のヒットを記録したが、本作も同程度と予想。前作の面白さのクチコミによるヒットに期待したところ。と、言いたいが、そんな前作を手軽に楽しめる地上波放送が年明けということはいかがなものとは思う。

「屍人荘の殺人」(12/13公開)

最終興収(予想):5〜20億円

 神木隆之介中村倫也浜辺美波と旬のキャストを迎えたミステリー作品。予告のテンポの良さから個人的には期待を持ってしまうが、昨年同時期に公開された「来る」(8.9億円)のパターンに堕ち得るのではないのかという危惧がある。

「カツベン!」(12/13公開)

最終興収(予想):3〜6億円

周防正行監督の新作。宣伝具合からそこまでのヒットは見込めないだろうと予想。監督の前作「舞妓はレディ」は7.6億円だそう。

ぼくらの7日間戦争」(12/13公開)

最終興収(予想):1〜5億円

 

1988年に実写映画化された原作をアニメーション映画にした作品。実写映画に出演した宮沢りえが同役で出演することでも話題となっている。ティーンに引っかかればいいのだが、難しいのが現状と予想。実写映画を観た層を引きつけれるかに期待だ。

「映画 妖怪学園Y 猫はHEROになれるか」(12/13公開)

最終興収(予想):5〜15億円

妖怪ウォッチ」の映画シリーズ第6作。今回は学園を舞台にしたコメディでテレビシリーズも既に決定している作品となっている。前作「FOREVER FRIENDS」が12.5億円だったため、それを下回る可能性は大いにあるだろう。

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」(12/20公開)

最終興収(予想):50〜80億円

SWシリーズの第9作にして、新3部作及び9作からなるスカイウォーカー・サーガの完結編となる。アナ雪に続く冬休み映画の筆頭格であることは間違いないが、前作「最後のジェダイ」での賛否両論がどこまで影響するか。「フォースの覚醒」が116.3億円、「最後のジェダイ」が75.1億円であるがそれらは下回ると予想。50億円は行ってほしいがSW疲れが興収に響かないことを祈るばかりだが、「アナ雪2」の動向次第では影響が出ることもありそうだ。

「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」(12/20公開)

最終興収(予想):5〜10億円

2016年に公開された「この世界の片隅に」に新たな追加シーンを加えた長尺版。上映規模を考えるとこれでも多いほうのように自分が客観視すると思えるが、やはりこの作品はこれくらいヒットして欲しい。

僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング」(12/20公開)

最終興収(予想):15〜30億円

僕のヒーローアカデミア」の劇場版第2作。前作「2人の英雄」は興収17億円とヒットしただけにそれを超える興収をあげるのではないかと予想。

ヒックとドラゴン 聖地への冒険」(12/20公開)

最終興収(予想):3〜10億円

 ドリームワークス製作の「ヒックとドラゴン」シリーズの第3作。作品の完成度の高さからファンも多く、第2作が日本で未公開になった際には署名運動に発達したレベルだ。今回は無事に日本公開が決定。ファンの足の運びでこれくらいと予想。冬休みアニメの需要を担えるか?

仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション」(12/21公開)

最終興収(予想):10〜20億円

平成最後の仮面ライダー仮面ライダージオウ」と令和最初の仮面ライダー仮面ライダーゼロワン」のクロスオーバー作品。昨年の冬映画「仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER」が15.1億円、今年の夏映画「仮面ライダージオウ Over Quartzer」が10.6億円と考えると10億〜20億のヒットとなるだろう。

男はつらいよ お帰り 寅さん」(12/27公開)

最終興収(予想):5〜20億円

 男はつらいよ」22年ぶり、50作目の新作。「男はつらいよ」の復活ともなれば、それなりのヒットは見込めるがこれは未知数。リアルタイムで観た30代以上(特に50代以上)をどれだけ集客できるかによる。

ちなみに中学生以下は100円というキャンペーンも行われているが、果たして今の子供たちに寅さんを見ようと思う観客はどれくらいいるのか。

 

以上が冬休み映画としての予想。今年はアナ雪2の独走状態であることは間違いないだろう。それに他の作品がどれだけ追随できるかに期待しよう。

5.今週の注目作

ジュマンジ ネクスト・レベル」(12月13日公開)

テレビゲームの世界に吸い込まれた高校生たちが、本来の姿とかけ離れたゲームキャラクターのアバターになって冒険を繰り広げる姿を描き、大ヒットを記録したアドベンチャージュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル」の続編。

ジュマンジ」の冒険をクリアしてから2年。スペンサー、マーサ、フリッジ、ベサニーはそれぞれの進路を歩み、いまは大学生になっていた。しかし、あの時の興奮が忘れられないスペンサーは、破壊したはずのゲーム「ジュマンジ」をこっそり修理し、再びゲームの中に吸い込まれてしまう。スペンサーを救出するため、残った3人も「ジュマンジ」にログインするが、壊れたゲームの世界はバグだらけでキャラの入れ替え設定はめちゃくちゃ。さらに、スペンサーのおじいちゃん達も一緒に吸い込まれていた上に、ジャングルのみならず砂漠、氷山など新たなステージも追加されており……。

主演のドウェイン・ジョンソンほか、ジャック・ブラック、カレン・ギラン、ニック・ジョナスらメインキャストも再結集。監督も引き続きジェイク・カスダンが務めた。

屍人荘の殺人」(12月13日公開)

デビュー作ながら「第18回本格ミステリ大賞」など3つの国内主要ミステリーランキングで1位を獲得した今村昌弘による同名ミステリー小説を神木隆之介浜辺美波中村倫也の共演で映画化。

ミステリー小説オタクの大学生・葉村譲は、先輩でミステリー愛好会会長の明智恭介に振り回され、ホームズとワトソン気取りで学内の瑣末な事件に首を突っ込んでいた。同じ大学に通い、私立探偵の顔も持つ剣崎比留子は、2人に音楽フェス研究会の夏合宿への参加を持ちかける。実は比留子のもとには「今年の夏合宿で何かが起こる」との犯行予告が届いていたのだ。夏合宿がおこなわれる山奥のペンション紫湛荘へと向かい、3人は研究会のメンバーと合流する。そしてその夜、密室状態となった紫湛荘で惨殺死体が発見され……。

監督はドラマ「99.9 刑事専門弁護士」シリーズなどで知られる木村ひさし。

ぼくらの7日間戦争」(12月13日公開)

1988年に「ぼくらの七日間戦争」として実写映画化もされた宗田理の同名ベストセラー小説を新たにアニメーション映画化。原作から約30年の歳月が流れた2020年の北海道を舞台に、新たな「7日間戦争」が描かれる。

ひとりで本を読むことが好きな鈴原守は、幼なじみの千代野綾に片思いしていた。綾は親の都合で1週間後に東京へ引っ越すことが決まっていたが、間近に迫る17歳の誕生日をこの街で迎えたかったという綾の本音を知った守は、綾や友人たちと古い工場に潜り込み、そこで綾の誕生日までの7日間を、大人たちから逃れながら過ごそうとする。しかし、そこで不法滞在者のタイ人の子どもと出会ったことから、守と綾と仲間たちは、思いがけない事態へと巻き込まれていく。

声優は、主人公・守役に北村匠海、綾役に芳根京子。さらに、実写映画版で宮沢りえが演じた中山ひとみが30年後の姿で登場し、宮沢が再び同役を担当する。

カツベン!」(12月13日公開)

 

Shall we ダンス?」「それでもボクはやってない」の周防正行監督が、サイレント映画時代を舞台に一流活動弁士になることを夢見る青年を主人公にしたコメディドラマ。

当時の人気職業であった活動弁士を夢見る俊太郎が流れ着いた小さな町の閑古鳥の鳴く映画館・靑木館。隣町にあるライバル映画館に人材も取られ、客足もまばらな靑木館にいるのは、人使いの荒い館主夫婦、傲慢で自信過剰な弁士、酔っぱらってばかりの弁士、気難しい職人気質な映写技師とクセの強い人材ばかり。雑用ばかりを任される毎日を送る俊太郎の前に、幼なじみの初恋相手、大金を狙う泥棒、泥棒とニセ活動弁士を追う警察などが現れ、俊太郎はさまざまな騒動に巻き込まれていく。

主人公・俊太郎役は、「スマホを落としただけなのに」「人間失格 太宰治と3人の女たち」など話題作に立て続けに出演し、本作が映画初主演となる成田凌。ヒロイン役を黒島結菜が演じるほか、永瀬正敏高良健吾井上真央音尾琢真竹野内豊ら周防組初参加のメンバー、竹中直人渡辺えり小日向文世ら周防組常連陣が顔をそろえる。

家族を想うとき」(12月13日公開)

麦の穂をゆらす風」「わたしは、ダニエル・ブレイク」と2度にわたり、カンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールを受賞した、イギリスの巨匠ケン・ローチ監督作品。現代が抱えるさまざまな労働問題に直面しながら、力強く生きるある家族の姿が描かれる。

イギリス、ニューカッスルに暮らすターナー家。フランチャイズの宅配ドライバーとして独立した父のリッキーは、過酷な現場で時間に追われながらも念願であるマイホーム購入の夢をかなえるため懸命に働いている。そんな夫をサポートする妻のアビーもまた、パートタイムの介護福祉士として時間外まで1日中働いていた。家族の幸せのためを思っての仕事が、いつしか家族が一緒に顔を合わせる時間を奪い、高校生のセブと小学生のライザ・ジェーンは寂しさを募らせてゆく。そんな中、リッキーがある事件に巻き込まれてしまう。

2019年・第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。

映画 ひつじのショーン UFOフィーバー!」(12月13日公開)

イギリスのアードマン・アニメーションズによる人気クレイアニメウォレスとグルミット」から誕生した「ひつじのショーン」の長編劇場版第2作。ショーンたちの前にUFOが現れたことから巻き起こる騒動を描く。

イギリスの片田舎の牧場で仲間たちとのんびり暮らすショーンの前に、ある日突然、UFOがやってきた。田舎町はたちまちUFOフィーバーに沸きあがり、牧場主も宇宙をテーマにしたアミューズメントパーク「FARMAGEDDON(ファーマゲドン)」を作って一儲けしようと企む。そのUFOには、物を浮遊させる超能力を持った、ルーラという名の女の子が乗っており、ひょんなことから牧場に迷い込んだルーラは、ショーンたちと仲良しになるが……。

パリの恋人たち」(12月13日公開) (PG12)

フランスの名匠フィリップ・ガレルの息子で、「ドリーマーズ」「グッバイ・ゴダール!」などの俳優ルイ・ガレルが監督・主演を務め、パリを舞台に1人の男と2人の女が織り成す不器用な恋の行方を描いたラブストーリー。

ジャーナリストの青年アベルは、3年間同棲した恋人マリアンヌから妊娠を告げられる。しかし子どもの父親は友人ポールで、アベルとマリアンヌは別れることに。数年後、アベルはポールの告別式でマリアンヌと再会するが、ポールの妹イヴからも思いを告白され、2人の女性の間で揺れ動く。

実生活でもルイのパートナーであるレティシア・カスタがマリアンヌ、「プラネタリウム」のリリー=ローズ・デップがイヴを演じる。第66回サンセバスチャン国際映画祭で脚本賞を受賞。

2人のローマ教皇」(12月13日公開)

シティ・オブ・ゴッド」「ナイロビの蜂」のフェルナンド・メイレレス監督がメガホンをとり、2012年に当時のローマ教皇だったベネディクト16世と、翌年に教皇の座を受け継ぐことになるホルヘ・マリオ・ベルゴリオ枢機卿の間で行われた対話を描いたNetflixオリジナル映画。

カトリック教会の方針に不満を抱くベルゴリオ枢機卿は、ベネディクト教皇に辞任を申し入れる。しかし、スキャンダルに直面して信頼を失っていたベネディクト教皇はそれを受け入れず、ベルゴリオをローマに呼び寄せる。考えのまったく異なる2人だったが、世界に10億人以上の信徒を擁するカトリック教会の未来のため、対話によって理解しあっていく。

ベネディクト16世役にアンソニー・ホプキンス、ベルゴリオ役に「天才作家の妻 40年目の真実」のジョナサン・プライス。脚本は「博士と彼女のセオリー」「ボヘミアン・ラプソディ」のアンソニー・マッカーテン。Netflixで2019年12月20日から配信されるが、日本では配信に先立つ12月13日から劇場にて公開。

映画 妖怪学園Y 猫はHEROになれるか」(12月13日公開)

レベルファイブが企画・原作を手がけ、一大ブームを巻き起こしたゲーム「妖怪ウォッチ」の劇場版アニメシリーズ第6作。今作では、巨大な学園都市を舞台に、主人公の少年・寺刃ジンペイと仲間たちが繰り広げる妖怪冒険活劇を、ギャグ満載で描く。

トップクラスの能力を持った者だけが入学できる超エリート校「Y学園」に通う寺刃ジンペイは、学園が新たに設けた謎の選出基準「YSP」に則り、学園の「不思議解明ミッション」に挑むことになるが……。

ゲスト声優に女優の木村佳乃とお笑いコンビ「アンジャッシュ」の渡部建。監督は「妖怪ウォッチ」劇場版シリーズを手がけるのはこれで4作目となる高橋滋春。

 

というわけで、今週は以上。閲覧ありがとうございました。

<週刊興行批評>「ドクター・スリープ」が初登場!&映画の日のアナ雪2の力はいかに?

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今週は「ドクター・スリープ」の初登場と「アナと雪の女王2」の2週目を分析したいと思います。冬休みの興行予想は来週に後回しにしたいと思います。12月1日の映画の日とも重なった先週末はどうなった?

 

 

1.先週末のランキング

まずは、先週末のランキングを見てみましょう。

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1位は「アナと雪の女王2」。土日2日間で動員124万8000人、興収14億3500万円をあげ、動員数はオープニングの週末を上回る好調ぶり。累計では早くも動員338万人、興収43億円を突破した。

2位は「映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ」。土日2日間で動員12万1000人、興収1億3100万円をあげ、先週の4位からジャンプアップ。累計では動員71万人、興収8億円を突破するヒットとなっている。

3位は「決算!忠臣蔵」。土日2日間で動員11万7000人、興収1億3100万円をあげ、興収では「すみっコぐらし」を上回る健闘をみせた。累計では動員51万人、興収6億2500万円を突破した。

4位は「ターミネーター:ニュー・フェイト」。累計で動員151万人、興収20億円を突破した。

5位は初登場ドクター・スリープ」。初日から3日間の累計で動員10万5000人、興収1億2600万円をあげるスタートを切った。

6位は「IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。」。累計で動員122万人、興収16億円を突破。

7位は「ジョーカー」。累計で動員336万人、興収49億円を突破。

8位は初登場シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」。初日からの3日間で動員3万8600人、興収4780万円を突破。

9位は「冴えない彼女の育てかた Fine」。累計で興収6億430万円を突破。

10位は「マチネの終わりに」。累計で動員63万人、興収8億2900万円を突破した。

 

2.興収チェック!「ドクター・スリープ」

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今週初登場5位にランクインしたのは「ドクター・スリープ」。

スティーブン・キング原作で1980年にスタンリー・キューブリックが映画化した「シャイニング」の40年後を舞台にした作品。

初日から3日間の累計で動員10万5000人、興収1億2600万円をあげた。これは同じくキング作品で公開中の「IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。」(土日2日間で動員18万5000人、興収2億7200万円、初日からの4日間の累計では動員36万人、興収5億円)を下回る結果となった。

そもそも、題材が「シャイニング」の40年後ということ、本編が152分ということで1日の上映回数が少ないこと(これは「IT/イット THE END」(169分)が前作を上回れてない原因の一つでもある)、さらにはアナ雪2といった競合作が強すぎることで苦戦を強いられており、最終興収は10億円いくのも難しい状況だ。

「ドクター・スリープ」は本国・アメリカでも初週末は1411万ドル(「IT/イット THE END」が9106万ドル)、累計興収が全米で3062万ドル、全世界で6712万ドルと苦戦を強いられてる状況だ。「シャイニング」の40年ぶりの続編というアピールは強く通じない結果となった。

 

3.興収チェック!「アナと雪の女王2」

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さて、今週も1位に輝いたのが「アナと雪の女王2」。土日2日間で動員124万8000人、興収14億3500万円をあげた。動員数は初週末(121万1000人)を上回った。これは12月1日(日)が映画の日でほとんどの映画館が入場料一律1000円だったことが大きいだろう(動員が上回り、興収が下回った原因にも当たる)。さらに、累計は動員338万人、興収43億円を突破した。

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今年100億円以上のヒットを果たしたディズニー映画「アラジン」や「トイ・ストーリー4」と比較しても高い水準で稼いでいることが確認できる。
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また、前作や昨年同時期にメガヒットした「ボヘミアン・ラプソディ」と比較するとこんな感じ。前作から5年ものブランクを感じさせない「アナ雪」ブランド、そして、アナ雪以降さらに勢いを増したディズニーブランドの恐ろしさも考える。

この勢いでは今月までに100億円を突破するのは確実だろう。今週はルパン三世、来週はジュマンジや屍人荘の殺人、再来週にはスター・ウォーズが公開される中でどれだけの稼ぎをしてくるのか。冬休み突入前の動きにも注目しなければいけないだろう。

 

4.今週の注目作

ルパン三世 THE FIRST」(12月6日公開)

 

モンキー・パンチ原作による国民的アニメ「ルパン三世」を初めて3DCGアニメーション化して描いた劇場版。「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズなどVFXを駆使したヒット作を数々生み出し、「STAND BY ME ドラえもん」「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」など3DCGアニメも多数手がけてきた山崎貴が監督・脚本を担当し、ルパン一世が唯一盗むことに失敗したという伝説のお宝「ブレッソンダイアリー」に挑むルパン一味の活躍を描く。

20世紀最高の考古学者ブレッソンが遺した最大の謎・ブレッソンダイアリー。その謎を解き明かした者は莫大な富を手に入れることができるとされ、第2次世界大戦時にはナチスもその行方を追い求めたという。ルパンの祖父であるルパン一世でさえ盗み出すことに失敗した、史上最高難度の秘宝を手に入れるべく奔走するルパンたちだったが……。

午前0時、キスしに来てよ」(12月6日公開)

みきもと凜の人気同名漫画を片寄涼太GENERATIONS from EXILE TRIBE)と橋本環奈の主演で実写映画化。

優等生の花澤日奈々は、まじめすぎる性格で周りから一目置かれる存在だが、本当は王子様と恋に落ちるおとぎ話のような恋愛にあこがれる夢見がちな女子高生だった。ある日、日奈々の高校に国民的人気スターの綾瀬楓が映画の撮影でやってきた。エキストラとして参加することになった日奈々は、楓の飾らない素顔とやさしさに魅せられ、楓も日奈々の裏表のない実直さに次第にひかれるようになり、芸能人と一般人の誰にも知られてはいけない秘密の恋がスタートする。思いもよらぬ障害が2人に降りかかる中、日奈々をひそかに思い続けてきた幼なじみの浜辺彰が楓に宣戦を布告してくる。

片寄涼太と橋本環奈が主人公の2人を演じるほか、彰役を眞栄田郷敦が演じる。監督は「ひるなかの流星」「四月は君の嘘」の新城毅彦

https://lastchristmas-movie.jp:title=ラスト・クリスマス]」(12月6日公開)

 

1984年の発売以降、クリスマスの定番ソングとして全世界で愛されている「ワム!」の「ラスト・クリスマス」をモチーフに、「ゲーム・オブ・スローンズ」のエミリア・クラークと「クレイジー・リッチ!」のヘンリー・ゴールディング主演で描いたロマンチックコメディ。

ロンドンのクリスマスショップで働くケイト。華やかな店内で妖精エルフのコスチュームに身をまとうケイトは仕事に身が入らず、乱れがちな生活を送っていた。そんなある日、ケイトの前に不思議な青年トム現れる。トムはケイトが抱えるさまざまな問題を見抜き、彼女に答えを導き出してくれた。そんなトムにケイトは心をときめかせるが、2人の距離は一向に縮まることはなかった。やがてケイトはトムの真実を知ることとなるが……。

脚本は「いつか晴れた日」でアカデミー脚色賞を受賞し、女優として本作にも出演するエマ・トンプソン。監督は「シンプル・フェイバー」のポール・フェイグ

“隠れビッチ”やってました。」(12月6日公開)

 

あらいぴろよの同名コミックエッセイを、「旅猫リポート」「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」の三木康一郎監督が映画化。

見た目は清楚だが思わせぶりな言動で男を翻弄する「隠れビッチ」な女性の恋模様を描いた。異性からモテ続けることで承認欲求を満たしてきた女性ひろみは、相手の気持ちだけをもてあそびながら体の関係は断るというゲームのようなやり口で恋愛を楽しんでいた。そんな彼女の様子に、ルームメイトであるバイセクシャルの晃と恋愛に失敗してばかりの親友・彩は驚きを隠せずにいた。見た目は清楚だが計算し尽くした言動で男を落とすハンターぶりから、彩は彼女を「隠れビッチ」と名付ける。そんなある日、職場に気になる男性が現れたことで初めて自分の本音と向き合うことになったひろみは、晃からの叱咤を受け、「自分に必要なもの」を探し始めるが……。

NHK連続テレビ小説ひよっこ」の佐久間由衣が映画初主演を務め、村上虹郎大後寿々花森山未來ら実力派が共演。

ゴーストマスター」(12月6日公開) (R15+)

三浦貴大成海璃子を主演に、悪霊によって地獄絵図と化した青春恋愛映画の撮影現場を舞台に描くホラーコメディ。黒沢清監督に師事し、アメリカ人の父と日本人の母を持つヤング・ポール監督の長編デビュー作。

映画撮影現場で助監督をしている黒沢明は、名前だけは「巨匠」の風格だが、頼まれると断れない性格で要領の悪い、B級ホラー好きの気弱な映画オタクだ。現在の黒沢が携わる「壁ドン」な青春恋愛映画の現場で、監督やスタッフからこき使われる日々を送っていた。いつか自分が監督となった日に撮ることを夢見て、書き温めていた「ゴーストマスター」の脚本は、黒沢の心の支えとして、いつも肌身離さずに持ち歩いていた。しかし、あまりの過酷な撮影現場でたまりにたまった黒沢の不満と怨念のような映画愛が「ゴーストマスター」の脚本に悪霊を宿してしまう。そして、脚本に宿った悪霊により、青春映画の撮影現場は凄惨な地獄絵図と化していく。

ジーザス・イズ・キング」(12月6日公開)

 

2019年10月にリリースされたカニエ・ウェストのアルバム「ジーザス・イズ・キング」と同タイトルを冠した短編ドキュメンタリー。

19年夏、米アリゾナ州北部の都市フラッグスタッフのペインテッド砂漠にある、アーティストのジェームズ・タレルによる大規模アートインスタレーション「ローデン・クレーター」で行なわれたカニエ・ウェストのゴスペルイベント「サンデーサービス」(日曜礼拝)のパフォーマンスを収録した。死火山の噴火口とその周辺を天文台につくり変えるという壮大なプロジェクトとして、1972年から半世紀近く制作が続いている「ローデン・クレーター」の内部を撮影した世界初の映像となり、アメリカや各国のIMAXシアターで限定上映された。

日本では19年12月6日から、東京・池袋のグランドシネマサンシャインで3日間限定公開。

ジョン・デロリアン」(12月6日公開) (PG12)


 

映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」3部作で使用され、世界的に有名になった車・デロリアンDMC-12)。その開発者であるジョン・デロリアンの破天荒な半生を描いたドラマ。

1977年、南カリフォルニア。麻薬密売の現場をFBIに押さえられたパイロットのジム・ホフマンは、罪を問われない代償としてFBIの情報提供者となる。ジムの隣人であるジョン・デロリアンはかつてゼネラルモーターズでポンテアック・GTOの開発に携わり、現在は自身の夢のために新たに会社を立ち上げ、革新的な車「デロリアン」の開発に勤しんでいた。美しい妻子とともに素晴らしい家に住み、夢を追いかけるジョンの完璧な人生にジムは羨望のまなざしを向けていたが、ジョンの会社は新車開発でさまざまなトラブルが発生していた。ジョンが資金繰りで困っていることを知ったジムは、隣人として友人となったジョンを麻薬密売の罪でFBIに売り渡す計画を企てる。

 

というわけで、今週は以上。閲覧ありがとうございました。

<週刊興行批評>「アナと雪の女王2」がいよいよ公開!どんなオープニング成績を叩き出した?

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「週刊興行批評」も更新をつづけて実は早1年となりました。最近は更新ペースが落ちてきてますが(今週は先々週・先週をまとめた記事と同時に更新したくらい…)、毎週更新できるよう頑張ります。

さて、今週は今年最注目作と言ってもいいでしょう「アナと雪の女王2」が公開。どんなオープニングを叩き出したのか見ていきます。

 

 

1.先週末のランキング

まずは、先週末のランキングを見てみましょう。

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1位は初登場アナと雪の女王2」。土日2日間で動員121万1000人、興収16億1600万円と他の追随を許さない圧倒的な強さで、初日から3日間の累計では145万人、19億円を突破。前作「アナと雪の女王」を大きく上回る大ヒットスタートとなっている。

2位は初登場決算!忠臣蔵」。土日2日間で動員16万人、興収2億400万円をあげ、初日からの3日間では動員21万1500人、興収2億6700万円を突破した。

3位は「ターミネーター:ニュー・フェイト」。土日2日間で動員15万人、興収2億300万円をあげ、累計では動員130万人、興収18億円を突破した。

4位は「映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ」。累計では動員55万人、興収6億7100万円を突破。

5位は「IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。」。累計で動員110万人、興収15億円を突破。

6位は「ジョーカー」。累計で動員328万人、興収48億円を突破。

7位は「冴えない彼女の育てかた Fine」。累計興収は5億4700万円を突破。

8位は「マチネの終わりに」。累計で動員58万人、興収7億5800万円を突破。

9位は初登場ゾンビランド:ダブルタップ」。初日からの3日間で動員3万3300人、興収4900万円をあげた。

10位は「映画 スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて」。

 

2.興収チェック!「決算!忠臣蔵

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今週初登場2位にランクインしたのは「決算!忠臣蔵」。

殿、利息でござる!」、「忍びの国」の中村義洋監督が堤真一岡村隆史がダブル主演で「忠臣蔵」を題材に、限られた予算の中で仇討を果たそうとする赤穂浪士たちの苦労を描いた時代劇コメディだ。

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同じく中村義洋監督の「殿、利息でござる!」のオープニングを上回る成績となりました。年末年始までしっかりとヒットを続ければ、最終興収は10〜15億円くらいにはなるでしょう。平日の具合とか気になりますね…

 

3.興収チェック!「アナと雪の女王2」

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そして、今週初登場1位にランクインしたのは「アナと雪の女王2」。

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2014年に公開された前作「アナと雪の女王」では255.0億円と「千と千尋の神隠し」、「タイタニック」につづく日本の歴代興行収入3位という快挙を記録。

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これはもちろん、2010年代最大のヒット、21世紀では現在のところ洋画では最大のヒット作となります。

そんな記録的なヒットを生み出した作品の続編ともなれば、たくさんの人が注目することとなります。

結果としては土日2日間で動員121万1000人、興収16億1600万円、初日から3日間の累計では145万人、19億円を突破という記録的なオープニング成績を叩き出しました。

では、これはどれだけすごいオープニング成績なのかを見ていくことにしましょう。

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まずは2019年に公開されたオープニング成績の中で比較。今年No.1のヒットとなった「天気の子」や「アラジン」、名探偵コナンの新作を上回る成績となりました。

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これは2010年代のディズニー作品の中から50億円を稼いだ作品のオープニング成績との比較。前作も7億円と素晴らしいオープニング成績を記録していますが、動員・興収ともに倍近くの記録を出しました。近年、100億円以上を記録した「美女と野獣」や「アラジン」よりも稼ぎ出してることからもこのオープニング成績がいかにすごいものかは分かると思います。ちなみに記録が存在する中ではこのオープニング成績がディズニー史上最大*1の記録となります。

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つづいて、2010年代のオープニング成績で見ていきましょう。2010年代のオープニング成績では2位。2014年の妖怪ウォッチがいかに凄すぎる記録だとも感じますが、記録的なスタートとなったのは事実です。

ちなみに記録として残されている中で歴代1位のオープニング成績となっているのが2003年の「マトリックス リローデッド」で22億2285万円。ただ、これは先行上映も加えられた成績*2。そのため、あまり公平な記録とは言い難いです。というわけで当ブログではオープニング成績について触れる場合、こうした観点から公平な記録(先行上映が含まれない土日2日間の記録)が出始めた2010年以降を主に取り扱うことにしているため、今回のような歴代のオープニング成績で比較する際は2010年代で見てきたわけだ。

何はともあれ、「アナと雪の女王2」がここまで記録的なオープニング成績を残したとすれば、一体どこまで稼ぐことが出来るのかも気になるところ。ちなみに前作の場合は春休みに公開され、話題が話題を呼び、GWから夏休みにかけて、熱を冷ますことはなかった。今回の場合はまずは冬休みに向けて熱を冷まさないことが第一のポイントとなる。今年の冬休み(来週は冬休み映画興収予想をやりたいと思っている)は「ドクター・スリープ」、「ルパン三世 THE FIRST」、「ジュマンジ/ネクスト・レベル」、「屍人荘の殺人」、「妖怪学園Y」、「スター・ウォーズ /スカイウォーカーの夜明け」、「男はつらいよ お帰り 寅さん」といった作品が控えているがどれもアナ雪に匹敵するような作品でもないため、年明けまではエンジン全開の上映が見込める(今年の冬休みはアナ雪2とSWのディズニー2強が席巻するだろう)。第二のポイントは年明け以降だ。年明け以降、ディズニーがアナ雪2を引き続きどうアピールをするか。12月13日からは応援上映を行うと発表しているため、それがどういった効果を起こすのか、どれだけの規模で行うかに注目したい。そして、第三のポイントは春休みまでのロングランはあり得るのか。年明けまでには100億円あたりまで着実に来るはずだが、果たして春休みまでのロングランの上映規模がどのくらいになるか。昨年、同時期に公開された「ボヘミアン・ラプソディ」も春休みまでのロングランはかなりの上映規模で行われていたので、よっぽどのことがない限りは春休みまでのロングランあたりは難しくない。

以下の3ポイントでどれだけ稼ぐか。100億円あたりはいけると予想するが、果たして150億〜200億円を突破することはあり得るのか。今後の推移に注目だ。個人的予想としてはアナ雪以上の成績を叩き出すことは難しいと考えます(あの成績は社会現象級ですから)。

 

4.今週の注目作

ドクター・スリープ」(11月29日公開) (PG12)

 

スタンリー・キューブリック監督がスティーブン・キングの小説を原作に描いた傑作ホラー「シャイニング」の40年後を描いた続編。雪山のホテルでの惨劇を生き残り大人へと成長したダニーを主人公に、新たな恐怖を描く。

40年前、狂った父親に殺されかけるという壮絶な体験を生き延びたダニーは、トラウマを抱え、大人になったいまも人を避けるように孤独に生きていた。そんな彼の周囲で児童ばかりを狙った不可解な連続殺人事件が発生し、あわせて不思議な力をもった謎の少女アブラが現れる。その力で事件を目撃してしまったというアブラとともに、ダニーは事件を追うが、その中で40年前の惨劇が起きたホテルへとたどり着く。

大人になったダニーを演じるのはユアン・マクレガー。監督・脚本は「オキュラス 怨霊鏡」「ソムニア 悪夢の少年」やキング原作のNetflix映画「ジェラルドのゲーム」といった作品を手がけてきたマイク・フラナガン

シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」(11月29日公開)

日本では1980年代にアニメ化されて根強い人気を誇る北条司の漫画「シティーハンター」をフランスで実写映画化。

ボディガードや探偵を請け負う凄腕のスイーパー(始末屋)=「シティーハンター」ことリョウは、相棒のカオリとともに日々さまざま依頼を請け負っていた。そんな2人のもとにある日、その香りをかいだ者を虜にする「キューピッドの香水」の奪回という危険な任務が持ち込まれる。香水が悪用されれば世界は危機に陥ることは必至で、48時間というタイムリミットのなか、2人は香水を取り戻すために奔走する。

フランスの大ヒットコメディ映画「世界の果てまでヒャッハー!」を手がけたフィリップ・ラショーが監督・脚本・主演。日本語吹き替え版は、リョウ役を山寺宏一、カオリ役を沢城みゆきが担当。アニメ版オリジナルキャストの神谷明伊倉一恵スペシャルゲストとして、アニメ版とは異なる役の吹き替えで参加する。

HUMAN LOST 人間失格」(11月29日公開) (PG12)

 

太宰治の名著「人間失格」を、豪華クリエイター陣の手により大胆に翻案して描く劇場アニメーション。「PSYCHO-PASS サイコパス」「踊る大捜査線」の本広克行をスーパーバイザーに迎え、監督を「アフロサムライ」の木崎文智、脚本を「マルドゥック・スクランブル」の冲方丁が務める。アニメーション制作は「GODZILLA」3部作や「シドニアの騎士」を手がけたポリゴン・ピクチュアズ

医療の革命的な進歩により人が死を克服した昭和111年の東京。人々は体内のナノマシンと、それらを管理するネットワーク「S.H.E.L.L.」によって無病長寿を実現したが、その社会システムが生み出す経済格差や、「S.H.E.L.L.」ネットワークから外れて異形化する「ヒューマンロスト現象」など、さまざまな問題も生み出していた。そんな世界に暮らす青年・大庭葉藏は、ある日、ヒューマンロスト化した異形体「ロスト体」に遭遇し、対ロスト体機関「ヒラメ」に属する不思議な力をもった少女・柊美子に助けられる。そして、それをきっかけに葉藏自身もまた、人とは違う能力を持っていることを知る。

羊とオオカミの恋と殺人」(11月29日公開) (PG12)

漫画アプリ「マンガボックス」で人気の裸村原作のスプラッターブコメディ「穴殺人」を杉野遥亮福原遥の主演で映画化。

大学受験に失敗し、絶望した毎日を送る黒須は、壁につけたフックで首吊り自殺を図るが失敗し、そのはずみで部屋の壁には穴があいてしまう。その穴からは隣に住む美人で清楚な宮市さんの生活が丸見えとなり、その日から穴をのぞくことが黒須の生きがいとなり、宮市に夢中になっていく。いつものように穴から宮市をのぞいていた黒須は、彼女が部屋で殺人行為をおこなっているのを目撃してしまう。目撃行為を見つかってしまった黒須は宮市に愛を告白し、2人は付き合うこととなる。2人の交際は順調に進み、黒須は幸せの絶頂にいた。しかし、宮市は黒須とのデート中も構わず殺人を犯していく……。

黒須役を杉野遥亮、宮市役を福原遥がそれぞれ演じる。監督は「クソすばらしいこの世界」「女の子よ死体と踊れ」の朝倉加葉子。

ファイティング・ファミリー」(11月29日公開)

アメリカのプロレス団体WWEで一夜にしてスターの座を掴んだ女性ファイター、ペイジの実話をもとに、プロレスを通して固い絆で結ばれた家族を描いたヒューマンドラマ。ペイジとその家族を描いたドキュメンタリー「The Wrestlers:Fighting with My Family」に感銘したドウェイン・ジョンソンが、イギリスの映画製作会社Film4 Productionsとタッグを組んで映画化した。

イギリス北部でレスリングジムを営むナイト一家。中学1年生の時からリングに立っている18歳のサラヤは、いつかWWEの試合に出て一家を盛り上げたいと願っていた。兄ザックもプロレス命だが、その一方で愛する彼女と結婚して普通の家庭を持ちたいとも考えている。そんなある日、WWEのトライアウトに参加した2人は、尊敬するスーパースター、ドウェイン・ジョンソンと対面を果たす。兄妹は大喜びでトレーニングに励むが、サラヤだけが次のステージに進み、フロリダへ行くことが決定し……。

主人公ペイジを「トレイン・ミッション」「ミッドサマー」のフローレンス・ピュー、兄ザックを「ダンケルク」のジャック・ロウデン、父パトリックを「ショーン・オブ・ザ・デッド」のニック・フロストが演じる。ドウェイン・ジョンソンも本人役で出演。「蜘蛛の巣を払う女」などに俳優として出演したスティーブン・マーチャントが監督・脚本を手がけた。

劇場版 Gのレコンギスタ I 行け!コア・ファイター」(11月29日公開)

 

誕生から40年を迎えた人気SFアニメ「機動戦士ガンダム」の生みの親である富野由悠季監督が、2014年に手がけたテレビシリーズ「ガンダム Gのレコンギスタ」を新たに劇場版として再構築した5部作の第1部。

リギルド・センチュリー」と呼ばれる未来の時代。宇宙からもたらされる貴重なエネルギー源であるフォトン・バッテリーを地球上に運ぶ軌道エレベーターキャピタル・タワー」を護衛する「キャピタル・ガード」の候補生ベルリ・ゼナムは、初めての実習で宇宙海賊の襲撃に遭遇し、捕獲に協力する。捕まった宇宙海賊の少女アイーダに不思議な何かを感じたベルリは、アイーダが「G-セルフ」と呼ぶ高性能モビルスーツを、なぜか起動させることができた。それをきっかけに、ベルリは宇宙を舞台に世界の真相に直面する冒険へと旅立つ。

マリッジ・ストーリー」(11月29日公開)

イカとクジラ」「ヤング・アダルト・ニューヨーク」のノア・バームバック監督が、スカーレット・ヨハンソンアダム・ドライバーを主演に迎えて描いたNetflixオリジナル映画。

女優のニコールと夫で映画監督・脚本家のチャーリーが結婚生活に葛藤を抱え、離婚に向かっていく姿を描いたヒューマンドラマ。結婚生活がうまくいかなくなり、円満な協議離婚を望んでいた2人だったが、それまで溜め込んでいた積年の怒りがあらわになり、弁護士をたてて争うことになってしまう。

ニコール役をスカーレット・ヨハンソン、チャーリー役をアダム・ドライバーが演じるほか、ローラ・ダーンアラン・アルダレイ・リオッタらベテラン実力派俳優が共演。日本では配信に先立つ11月29日から、一部劇場にて公開。

ゾンビ -日本初公開復元版-」(11月29日公開) (R15+)

 

ゾンビ映画」というジャンルを確立した、ジョージ・A・ロメロ監督による傑作ホラー。

惑星から降り注いだ光線により、地球上の死者がゾンビとして復活した。その群れは生者に襲いかかり、噛みつかれた者もゾンビへと変貌、生ける屍たちは瞬く間に世界中を覆い尽くしてしまう。テレビ局員のフランと恋人スティーブン、SWAT隊員のロジャーとピーターはヘリコプターで脱出し、郊外の巨大ショッピングモールにたどり着く。モール内のゾンビを一掃し食料と安全を確保したものの、物資を狙う暴走族の集団に扉をこじ開けられ、ゾンビの大群までなだれ込んできてしまう。ゾンビ、暴走族との三つどもえの殺戮戦の中、生き残りをかけて奔走するフランたちだったが……。

本作にはアメリカ公開版(127分)、ダリオ・アルジェント監修版(119分)、アルジェント版をもとに日本の配給会社が独自の編集を施した79年の日本初公開版(115分)、ディレクターズカット版(137分)といった複数のバージョンが存在。そのうち配信もソフト化もされておらず幻のバージョンとなっているのが115分の「日本初公開版」を日本初公開から40周年を記念して、「日本初公開復元版」としてリバイバル上映される。

銀河英雄伝説 Die Neue These 星乱 第三章」(11月29日公開)

1982年の第1巻発売以来、シリーズ計15巻で1500万部を売り上げ、過去にアニメ化もされた田中芳樹の大長編SF小説銀河英雄伝説」を、Production I.Gの制作で新たにアニメ化した「銀河英雄伝説 Die Neue These(ディ・ノイエ・テーゼ)」のセカンドシーズン第3章。2018年放送のファーストシーズン「邂逅」(第1~12話)に続くセカンドシーズン「星乱」(第13~24話)は、全12話を4話ずつ全3章にわけて劇場上映。

遥か未来の宇宙で、銀河帝国のラインハルトと自由惑星同盟ヤン・ウェンリーという2人の軍人を主人公に、2大勢力の攻防や各陣営で巻き起こる闘争を描く。

声の出演には、宮野真守、鈴村建一、梅原裕一郎梶裕貴ら人気実力派声優がそろう。監督は「黒子のバスケ」などを手がけてきた多田俊介。

THE INFORMER 三秒間の死角」(11月29日公開)

英国推理作家協会賞やスウェーデン最優秀犯罪小説賞などを受賞したアンデシュ・ルースルンドとベリエ・ヘルストレムのベストセラー小説「三秒間の死角」を、「スーサイド・スクワッド」「ロボコップ」のジョエル・キナマン、「ゴーン・ガール」のロザムンド・パイクの共演で映画化。

模範囚として刑務所で服役中だったピートは、自由の身と引き換えにFBIの情報屋として極秘裏に捜査協力することに。そして、その最後の任務として麻薬組織への潜入を任される。ピートは組織のリーダーから刑務所内での麻薬取引を仕切るよう命令され、競合組織を壊滅させたが、ピートの動きを嗅ぎまわっていたニューヨーク市警の横やりによってFBIに裏切られ、FBI、マフィア、NY市警、囚人たち、すべての組織から命を狙われる危機的状況におちいってしまう。

主人公ピート役をジョエル・キナマン、FBI捜査官ウィルコックス役をロザムンド・パイクが演じるほか、コモン、クライブ・オーウェンらが脇を固める。監督は「エスコバル 楽園の掟」のアンドレア・ディ・ステファノ

MANRIKI」(11月29日公開) (R15+)

俳優のみならず、映画監督などでも活躍する齊藤工(斎藤工)、芸人・永野、ミュージシャン・金子ノブアキ、映像クリエイター・清水康彦による映像クリエイティブ集団「チーム万力」が手がける初の長編映画。永野の原案・原作をベースに、齊藤がプロデューサー、金子が音楽を担当し、清水がメガホンを取った。

国民がさまざまなコンプレックスを抱える日本で、駆け出しのファッションモデルが仕事欲しさに小顔矯正を決意する。美しい整顔師が経営する美容クリニックで整顔師の猟奇的哲学と万力による小顔矯正施術により、モデルは変貌を遂げる。クリニックを去り、新たな地へと向かった整顔師は場末の街で美人局をするフーテンと年増に遭遇する。この3人の偶然の出会いから物語は加速していく……。

斎藤工が主演を務め、永野、金子も出演。そのほかSWAY、小池樹里杏、神野三鈴らが脇を固める。

M/村西とおる狂熱の日々<完全版>」(11月30日公開) (R15+)

前科7犯に、借金50億円を抱えるという破天荒な人生で「AV界の帝王」の異名を取り、Netflixオリジナル作品「全裸監督」のモデルにもなった、村西とおるのドキュメンタリー。

1996年夏、50億円の負債を追った村西とおるは再起を図るため、北海道で世界初となる4時間超のDVD用Vシネマと35本のヘアヌードビデオの撮影を同時にスタートさせた。しかし、その撮影現場は苛烈を極め、度重なるアクシデントや終わることのない撮影は、やがて人間関係を崩壊させていく。

当時のメイキング映像に加え、片岡鶴太郎西原理恵子高須克弥玉袋筋太郎松原隆一郎宮台真司らのコメントから、村西という人間の本質に迫っていく。2018年10月に中野ゼロホールでイベント上映されたものを再編集した完全版。

 

というわけで、今週は以上。閲覧ありがとうございました。

*1:これまでディズニーのオープニング成績で最高だった2007年の「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」(公開初日から3日間で動員148万6413人、興収19億3869万7200円)を本作の初日からの3日間(動員145万2530人、興収19億3974万6600円)の興行収入が僅かに上回っています。

*2:ちなみに「マトリックス リローデッド」は先々行・先行上映を行なっており、その興収は8億9236万4000円と言われている。