世界最大の映画賞とも言われているアカデミー賞。みなさんは先日、そんなアカデミー協会が出した重大なお知らせをご存知だろうか?
Change is coming to the #Oscars. Here's what you need to know:
— The Academy (@TheAcademy) August 8, 2018
- A new category is being designed around achievement in popular film.
- We've set an earlier airdate for 2020: mark your calendars for February 9.
- We're planning a more globally accessible, three-hour telecast. pic.twitter.com/oKTwjV1Qv9
そう。アカデミー賞の開催時期を早めたり、放送時間を短縮したりといった発表とともに「人気映画賞」という新たな部門を設けることを発表したのだ。
これに関して議論が起こっているのだ。映画ファンである自分自身、毎年オスカーのシーズンを楽しみにしてるだけあって、避けては通れない話題であった。
しかし、いったいなぜ?なぜ、今になって…
そこにはいくつかの理由があると思われるが、自分としては2つの理由を挙げたい。
1.視聴率の改善
(https://www.ocregister.com/2018/03/05/oscars-2018-tv-ratings-plunge-to-a-record-low/より)
(https://www.statista.com/chart/13142/the-oscars-tv-audience-falls-to-all-time-low/より)
こちらの2つの画像をご覧いただければ分かると思うが、2014年(エレン・デジェネレス司会で世界最高のセルフィーが撮られた回)を境にアカデミー賞の視聴率は年々下がってきているのだ。
そして、アカデミー賞は授賞式だけでも3時間以上、さらにはレッドカーペットを含めると6時間近くは放送しなければならない。
放送時間も深夜を超え、さらには興味もない結果や結果外れとなれば視聴率も落ちてしまうのも無理はないということだろうか?
そこで視聴率改善のために放送時間を短縮し、さらには「人気映画賞」を創設すれば視聴率も上がるという考えだ。
2.「ブラックパンサー」が与えた影響
皆さんは今現在、2018年のアメリカの興行収入でNo.1に君臨してる作品をご存知だろうか?
2月公開ながら今現在も公開しており、今月には7億ドルを突破。スター・ウォーズEP7、アバターに次ぐ歴代3位(もちろんこれはMCU最高成績)に位置し、社会現象とまで言われる成績を残したのだ。
さらには評価も高く、「Rotten Tomatoes」のトマトメーターでは97%とMCU最大の評価を得ているのだ。
しかし、ここまでヒット・高評価・社会現象となれば、問題となるのが「ブラックパンサー」がアカデミー賞作品賞に値するのか?ということだ。
もう一つここで過去に起こったアカデミー賞に関する問題を取り上げよう。同じくヒーロー映画の大傑作「ダークナイト」だ。
今作はその年のアカデミー賞では7部門(助演男優賞、撮影賞、美術賞、メイクアップ賞、視覚効果賞、音響編集賞、編集賞)ノミネートされ、助演男優賞、音響編集賞を受賞した。
しかし、作品賞は受賞するどころか、ノミネートからも外されたのだ。
これにファンは批判。翌年から作品賞の枠を5から10(後に5〜10という不規則な枠になる)に増やし、ノミネート作品の多様さを狙った。その結果、ピクサー作品やマッドマックスといったヒット作もノミネート出来るようになったのである。
↓この出来事については町山智浩さんが当時詳しく書いてます。↓
しかし、枠を増やしても「タイタニック」や「ロード・オブ・ザ・リング」のようなヒット作から作品賞受賞という結果には結びつかなかった。
さて、話を戻すが、「ブラックパンサー」がもたらした影響は大きく、アカデミー賞作品賞ノミネートすらもあり得る作品なのだ。しかし、受賞までいくかというと、アカデミー会員はマーベル映画に対して評価をするのかも疑問に感じるし、相当な可能性がないと受賞も難しいのではないかと考える。
果たして、このままヒット映画がアカデミー賞で受賞出来ないようなジンクスがあって良いのか?そういう意味合いもあって、人気映画賞を作るのだろう。
個人的に今回の創設はいかがなものかと思います。アカデミー賞は個人的に文芸的映画賞として捉えているので、もうこういった人気映画賞はピープルズ・チョイス・アワードとかMTV ムービー・アワードがあるのでそちらでやれば…というのはありますが、世界最大の映画賞だけあっての決断で難しいところですよね…
以上が私の見解ですがどうでしょう?
というわけで、ここからが今回の記事の本題。じゃあ、あの時、人気映画賞があったら、何を選んでただろう?ってことを個人的に想像しながら書いてみようと思います。
ここでルールを紹介
1.その年の米国内興行収入のトップ10に入っていること
2.アカデミー賞に1部門でもノミネートされていること
3.なお、今回の対象は1980年からの37年とする。
4.作品賞受賞作は例外
この4つを条件に考えていこうと思います。
そこから導き出した結果がこちら。
今回は条件を絞って選んだのであれがない、これがないとお思いかもしれませんが、こうやって見てもなかなか面白い結果になったのではないのでしょうか?
あっても別に悪くはない…かな?後半ディズニーばっかやし(そういえば、アカデミー賞放送局のABCはディズニー傘下)…
しかし、まだまだ議論出来る余地があります。アカデミー協会がどういう風に舵を握るのか。注目。
「ブラックパンサー」ノミネートが注目される第91回アカデミー賞授賞式は来年2月24日です。
↓ちなみに未だにアカデミー賞を受賞出来てないクリストファー・ノーラン監督は「ブラックパンサー」推してます。↓