というわけでご無沙汰しております。
今日は「2001年宇宙の旅」のIMAX版を観てきたのでそのレポートです。
普段、映画批評は基本Twitter(↓では主にIMAX版としての批評を挙げています)か
「2001年宇宙の旅」
— Taka (@otmovie20503) 2018年10月28日
IMAX版で初の劇場鑑賞。
素晴らしかった…
半世紀を経ても未だに色褪せず、未だに追いつくことが出来ない、いや、させないということを考えると改めて今作の偉大さを感じます。
約3時間の"映画"体験、行って損はなかった…#2001年宇宙の旅 pic.twitter.com/Xrx1FxmoDM
最近はFilmarksを使っているわけですが、
せっかくはてなブログを開設してるんだし、何しろ語りたいことが山ほどあるので今回はこちらでも感想を書いていければと思います。
ブログということで長い文字数も書けるのでネタバレありで行かせてください。
あと、ブログで映画感想なんて初めてでもあるのであらすじに沿いながら実況形式で自分なりの解釈などを混ぜながらやらせていただきます。
それでもOKな方はぜひとも(簡単な感想やIMAX版の感想はTwitterやFilmarksでやりますんで)…
- 1.行くまでの経緯
- 2.鑑賞レポート①「人類の夜明け」
- 3.鑑賞レポート②木星使節(前編)
- 4.鑑賞レポート③インターミッション
- 5.鑑賞レポート④木星使節(後編)
- 6.鑑賞レポート⑤ 木星 そして無限の宇宙の彼方へ
- 7.まとめ
1.行くまでの経緯
今年公開50周年を迎えた「2001年宇宙の旅」。
実は僕、1回も劇場で観たことないんです。そりゃ2000年生まれのミレニアムベイビーである高校3年生がこれまで観る機会はないよな…と感じて頂ければ有り難いのですが(昔、観た記憶があるが完全に曖昧)、そんな中、クリストファー・ノーラン監督監修による70㎜ニュープリントが公開されることに。
これは行きたい!と思ったら、場所は東京。行けるわけもなく、チケットは即完売。初日には庵野秀明監督も来てたらしく、自分ただただショック…なんとか!全国でこの盛り上がりを共有出来ないのか!という矢先にIMAX版の日本公開の報が入ったのです。
これは嬉しい!是非とも観に行かねば!と思った矢先、今度はいつもお世話になっている109シネマズ名古屋のIMAXがIMAXレーザーに切り替わる報が。
これはこれで嬉しいのだが、残念ながら10月から切り替え工事のため、使えないという…これもまたショック……
が、しかし!愛知にはまだIMAXがある!
名古屋中区の109シネマズ名古屋のほかに、
豊橋市のユナイテッド・シネマ豊橋18、
そして、愛知で「2001年宇宙の旅」IMAX版をやってるのは豊橋と大高だけだ。
■『2001年宇宙の旅』上映劇場(2)
— ワーナー ブラザース ジャパン (@warnerjp) 2018年9月20日
広島バルト11
鹿児島ミッテ10
シネマサンシャイン
大和郡山、衣山、土浦
イオンシネマ大高
成田HUMAXシネマズ
USシネマちはら台
エーガル8シネマズ
というわけで、大高を選んだわけである。
イオンシネマ大高は昔、ワーナー・マイカル・シネマのときから近隣に暮らしていたため、よくお世話になっている個人的には馴染み深い映画館である。
そんなこんなで、いよいよ人生初の劇場での鑑賞となる「2001年宇宙の旅」が始まったのである。
2.鑑賞レポート①「人類の夜明け」
今回は前の方の真ん中座席を購入。さあ、スクリーンに入ってみると…
シーーン(ただただ小さな喋り声と空調の音が聞こえる)
なんとも言えない、張り詰めた緊張感。
年齢層も俺みたいな若年層というよりかは少し年上の方やご年配の方々。
さらには場内も40人くらいしかいないというなんとも言えないこの空気。
もう既にここから空気は作られていたのだ。
IMAXデモが終わり、ファンタビ、ボヘミアン・ラプソディ、ヴェノムとどれも気になるIMAX対応の予告が流れて、さてさてそろそろお馴染みのカウントダウンか?と思いきや、
映像のないスクリーンに「アトモスフェール」が流れ始める(なお、この時は一時点灯状態)。
これから始まる映画体験を暗示させるようなこのBGM…ドキドキとワクワクで待っていると……
完全消灯し、スクリーンには青いMGMの文字!
そして、「ツァラトゥストラはかく語りき」が流れるオープニング。大音量で若干高音が耳に来はしましたが、やっぱり最高ですよね。アポロが月に行く前*1だって言うのにこの完成度…素晴らしい。
さあ、始まるは類人猿パート。自然風景や人が入った猿の演技はすげぇなと唸らされる。
やがて群れと為し、現在の形が出来上がる中、不気味なBGM(「ソプラノ、メゾ・ソプラノ、2つの混声合唱と管弦楽のためのレクイエム」)とともに佇む「モノリス」。原始的な風景にスタイリッシュで近未来的というスタイルが最高*2。
その未知との遭遇後、猿は武器を手にし、"戦い"というものを学習します。ここでもまた「ツァラトゥストラはかく語りき」が流れます。何かを獲得したら流れるんですかね…
やがて仲間同志で戦を始め、戦いに勝利した猿が投げた骨は地球を回る衛星へと切り替わります。
そして、流れるは「美しく青きドナウ」。BGMに乗せて、オリオン3型、宇宙ステーション5、アリエス1Bが地球や月の周りを動く映像。
1968年、CGもないのに月にも行ってないのにあんな映像、どうやって作ったんだと思考したら本編終了しそうなくらい不思議です…
そして、BGMが終了し、ようやくセリフ。これにはやっとかい!と突っ込みたくなる。
それくらい映像とクラシック音楽だけで映画を持たせてしまってるのだから素晴らしい。
舞台は旅客機とホテルを組み合わせた宇宙ステーションへ。今見れば驚く声紋認証(あれは正しく「Hey,Siri」や「OK,Google」。)や宇宙食、テレビ電話の面白味とさらにはこだわったであろうインテリアデザインまで。
ここらへんは60年代のスタイルも感じるが、的確に近未来を当てにいってるのはやっぱりすごい。
さらに舞台は月の基地へと変わる。今見れば スクリーンXかよ!と突っ込んでしまった会議シーンもあるが、ここでもまたこれ本当に1968年の映画かよ!という領域の宇宙食になったサンドイッチが登場する。
そして、人類は再び、モノリスと遭遇。が、突然強力な信号を流す(ここも高音すぎて耳キーンなるわ! *3 )。
3.鑑賞レポート②木星使節(前編)
舞台は本作のメインパートの木星へ向かうディスカバリー号に移る。
ここでも人工冬眠やら最強の人工知能やらBBCが映るテレビやらそういうメカニック的に面白い場面は詰められている。
ここまで宇宙の素晴らしさや近未来に溢れた面白いSF的な側面を見せるが、最強の人工知能・HAL9000が船の一部分の故障を告げ、確認すると問題が見つからなかったことから物語は加速する(と言いたいが、進んでるのか後退してるのか…w)。
乗組員はHALの思考部を停止させることを決める。
それをHALが盗み聞きをしたところで、インターミッション(休憩)へ。
4.鑑賞レポート③インターミッション
これは実は人生初の映画館でのインターミッション(この時は一部点灯状態)。
先程も言った通り、張り詰めた緊張感(空調の音だけが場内に流れる)、いわばクワイエット・プレイス状態と化してしまっている劇場。
特にここまでを総括したような話も周囲から聞こえず、特にトイレに行く予定もなく自分はただTwitterを眺めながら約15分もの沈黙の時間を過ごした。
さて、インターミッションに突入。とりあえずたまに高音で耳キーンなりますね…あとは申し分ない。 https://t.co/S9hllw2dR9
— Taka (@otmovie20503) 2018年10月27日
インターミッション中は何をしたら良いんだ…またもや張り詰めた空気によるクワイエット・プレイス状態…
— Taka (@otmovie20503) 2018年10月27日
空調の音が場内に響き渡る…
— Taka (@otmovie20503) 2018年10月27日
まだかまだかと待ったところで再び「アトモスフェール」が流れ、場内は完全消灯へ。
5.鑑賞レポート④木星使節(後編)
先程の場面から再開。しかし、始まって数分。HALが船外活動中に宇宙服の機能を破壊し乗組員を殺害、人工冬眠中の3人の生命維持装置を切るという静寂の宇宙と宇宙船内のサイレンが鳴り響く。
この後のボーマン船長による殺害されたプール船長救出→HALに宇宙船を開けるよう要求→拒否→無理矢理(爆破で)ドアを開ける含む宇宙でのあの静寂は劇場ならではの静かな空気、緊張感が非常に良かったです。
その静寂からの宇宙の空気をシャットダウンしたときの音が戻ってくるあの感じも劇場だと肌一倍。
そして、ボーマン船長はHALの思考部を停止させます。あれ、個人的には猿のあの場面を思い出してちょっとだけ残酷でした。
でも、よく考えれば1960年代に人間vsAIという構造を描き出すのって凄いし、現在こそ観るべき部分もあるよね。
6.鑑賞レポート⑤ 木星 そして無限の宇宙の彼方へ
さあ、もうこっから個人的には完全に超越し始めたと毎度感じるこのパート。
ボーマン船長がモノリスと遭遇。そしてついに始まる。スターゲイトの潜り抜け。
IMAX版であれ観るのヤバかったな…前の席選択したのがもろ正解を出す場面でした。正直、もっと前でも良かった。
そして、ベッドルーム。もはや時間軸すら歪んだあの世界はたどり着いたボーマンと孤独にその部屋で暮らすボーマンと独り死に行くボーマンの3人によって構成されているが、個人的にあそこが一番理解が乏しくなってくるところ。
そして、ラスト。「ツァラトゥストラはかく語りき」が流れ、スターチャイルドが地球を見つめ終わるという…腑に落ちるわけないし、前衛的とはこのことを言うのではないか?と感じた。
たぶん、このパートではボーマンがスターチャイルドへの過程を描いたんだろうなと自分に納得させながら、本編終了。
そして、エンドクレジットは「美しく青きドナウ」。「THE END」の文字が流れ、場内は全灯状態に。
皆さん退場されましたが、僕は曲が終わるまでずっと席に座ってました(他に何人かいたけどw)。
そして、ワーナーのロゴ、IMAXの品質表示がされ終了といった感じです。
7.まとめ
というわけで、人生で1度は劇場で観たいなと思ってた1作「2001年宇宙の旅」を観ることが出来ました。
IMAX版としての感想は…
高音の出すぎ以外は最高。
映像はデカく、音響は席に響き渡る重低音がやっぱりIMAX版は凄いと思いました。最高の映画体験でした。
まあ、こうやってあらすじも羅列したので、改めて作品としての感想も。
公開から50年経った今も色褪せることのない映像美や構成。50年前とは思えない科学的実証の正確さ。
さすが、キューブリックと思いました。
個人的に「2001年宇宙の旅」はこういった宇宙や近未来といった要素に人間や自然といった終わりのない哲学的・神秘的な要素を誕生から描いている正しくSF映画なのであって、SF映画の古典的存在に感じます。
改めて見ると映画の「イロハ」のハまでやってんじゃねぇかとも言いたくなるような映画館だからこそ出来る体験(無音・画面いっぱいの宇宙・大音響でのクラシック音楽)をこの上なく敷き詰めた芸術作品の域ですよね、これw
もう、70mmフィルムもIMAXも美術館の作品の展覧会のように全世界を定期的に飛び回れば良いんじゃないかな。
IMAX、良かったです。70mmも観たいな…
というわけで、「2001年宇宙の旅」IMAX版は11月1日までの上映となります。
えっ!?時間がない。
という方も、今年は他にも様々なコンテンツが。
12月19日にはUltra HD Blu-rayでの発売*4が予定。日曜洋画劇場で放送された吹替にカットシーンを追加収録したWOWOW放送版を完全収録した吹替ディスクということで、既に購入済の方もまた買わねばならぬアイテムです(UHD高いのはなんとかして欲しい…)。
2001年宇宙の旅 日本語吹替音声追加収録版 4K ULTRA HD&HDデジタル・リマスター ブルーレイ (初回限定生産/3枚組/ブックレット&アートカード付) [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
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さらにはテレビでも。
11月5日(月)午後1時〜BSプレミアムで、
さらには12月1日(土)午後1時10分〜新たに開局されるNHK BS8Kで放送されます。
8Kですよ!8K!!
全国のNHKスタジオで4K・8K見れるそうなんでチェックしてみては(2001年やるかは未定ですが)?
さて、そんなとこで今回は締めにします。というわけで上映中、眠気と戦うために買ったキャラメル&プレッツェルポップコーンは好きなんだが、今作は食べるタイミングを見失いそうになったTakaでした…