今週は初登場した「ダンボ」の興行、そして2019年のディズニーの動向を書いていきます。
1.先週末のランキング
それでは、先週末のランキングを見てみましょう。
1位は5週連続で「映画ドラえもん のび太の月面探査記」。土日2日間で動員27万6000人、興収3億2400万円をあげ、先週末を上回る成績を叩き出し、累計では動員332万人、興収38億円を突破した。
2位は初登場「ダンボ」。土日2日間で動員14万4000人、興収1億8600万円をあげ、初日からの3日間で動員19万人、興収2億5000万円を突破した。
3位は「翔んで埼玉」。土日2日間で動員12万2000人、興収1億6500万円をあげ、1ヶ月経っても先週とほぼ変わらない落ちの少ない興行を果たし、累計では間もなく動員224万人、興収30億円を超える。
4位は「キャプテン・マーベル」。土日2日間で動員8万4000人、興収1億2400万円をあげ、累計で動員103万人、興収15億円を突破した。
5位は「バンブルビー」。累計興収は5億5000万円を突破。
6位は「映画 プリキュアミラクルユニバース」。累計で動員62万人、興収7億100万円を突破した。
7位は「君は月夜に光り輝く」。累計で動員65万人、興収7億6000万円を突破。
8位は初登場「映画 少年たち」。
9位は「グリーンブック」。累計で動員128万人、興収16億円を突破。4月26日から日本語吹替版を上映することを決定した。
10位は「えいがのおそ松さん」。累計興収は4億3000万円を突破した。
2.興行チェック!「ダンボ」
今週初登場2位にランクインしたのは「ダンボ」。
1941年製作のディズニー・アニメの名作「ダンボ」をティム・バートン監督のメガホンで実写化した作品だ。
こちらは過去10年のティム・バートン監督映画の比較。
「ダンボ」は「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」を下回る結果となってしまった。
先日公開された同じくディズニー映画「メリー・ポピンズ リターンズ」(動員13万9000人、興収1億8600万円)と同程度なので、最終興収としては春休み商戦も合わせて、10億あたりを超えると予想するが果たして?
3.2019年、ディズニーはどう動く?
こちらのデータは今現在の2010年代の洋画興収トップ10だ。なんと10本中6本がディズニー映画なのだ。
しかも、2010年代各年の洋画トップ10では2012年以外では複数ランクイン*1しており、2013、2014、2016、2017年は洋画トップを記録するなどさすが夢の国を持つ企業、洋画を牽引していった。
そんな、ディズニー。2009年にマーベル・スタジオ、2012年にルーカスフィルムを買収し、つい先日、ついに20世紀フォックスを買収した(そう考えると先程出した画像の8作品はディズニー作品という言い方も出来る)。
今年のディズニーはどういう展開をしていくのか。アメリカの公開日を基準に今年の公開スケジュールを見ていくことにします。
※黄色い文字のタイトルは20世紀フォックス作品です。
「Penguins」(米・4月17日、日本・公開未定)
日本では馴染みが薄いネイチャードキュメンタリーブランド「ディズニーネイチャー」の新作。
「Breakthrough」(米・4月17日、日本・公開未定)
2015年セントルイスの湖から若者が奇跡的に救出されたという出来事を描いた実話映画。
「アベンジャーズ/エンドゲーム」(米、日本・4月26日)
「アベンジャーズ」シリーズ第4作。「インフィニティ・ウォー」の衝撃的なラストから1年。ついにサノスに向けてのリベンジが始まる。全世界大注目の一本。
「Tolkien」(米・5月10日、日本・今夏)
「指輪物語」で知られるイギリス人作家J・R・R・トールキンの伝記映画。ニコラス・ホルト主演。
「アラジン」(米・5月24日、日本・6月7日)
ガイ・リッチー監督により実写化。ジーニー役のウィル・スミスのビジュアルも話題となっている。もちろんジーニーの吹替は山寺宏一。
「Ad Astra」(米・5月24日、日本・公開未定)
20年前の海王星への地球外生命体探査任務中に行方不明となった父親を持つ陸軍技術者が調査に乗り出すSFスリラー。主演はブラッド・ピット。
「X-MEN:ダーク・フェニックス」(米・6月7日、日本・6月21日)
「X-MEN」シリーズ第7作。前作から10年。 ジーン・グレイは宇宙での事故が原因で自分の中のダークサイドが増幅し、制御不能になってしまう。 そして、彼女の内に封じ込められていたもう一つの人格〈ダーク・フェニックス〉が解き放たれ、地上の生命体が全滅しかねない危機が訪れる。
「トイ・ストーリー4」(米・6月21日、日本・7月12日)
あの感動的なラストを迎えた「トイ・ストーリー3」から9年。幾つかの短編を経て、ついに長編の新作が!なんとボー・ピープの姿が変わっているがそこに意味は?
「Stuber」(米・7月12日、日本・公開未定)
Uberの運転手である主人公が探偵を拾うアクションコメディ。デイヴ・バティスタ出演。
「ライオン・キング」(米・7月19日、日本・8月9日)
「アイアンマン」、「ジャングル・ブック」のジョン・ファブロー監督が実写化。シンバは「This is America」でお馴染みドナルド・グローヴァー(チャイルディッシュ・ガンビーノ)。
「The New Mutants」(米・8月2日、日本・公開未定)
「X-MEN」シリーズのスピンオフ。若者ミュータントの葛藤を描いたアクションホラー。
この映画に関しては、度重なる公開延期がされていながらも具体的な情報がされておらず、もしかしたら新しく始めるサービス「disney+」で公開するのではないかという噂も出始めている作品。
「アルテミスと妖精の身代金」(米・8月9日、日本・今秋)
全世界で発行部数2500万部を超えるSFファンタジー小説「アルテミス・ファウル」シリーズを、「シンデレラ」のケネス・ブラナー監督が映画化。
「Spies in Disguise」(米・9月13日、日本・公開未定)
スパイがハトに変身してしまうコメディ。ウィル・スミス、トム・ホランド主演。
「The Art of Racing in the Rain」(米・9月27日、日本・公開未定)
ケヴィン・コスナー主演で同名小説を映画化。
「The Woman in the Window」(米・10月4日、日本・公開未定)
ジョー・ライト監督、エイミー・アダムス主演で同名小説を映画化したスリラー。
FOX買収時に、FOX2000の閉鎖を明らかにしており、これがFOX2000最後の作品になるとみられる。
「Maleficent:Mistress of Evil」(米・10月18日、日本・公開未定)
アンジェリーナ・ジョリー主演で日本でも話題になった「マレフィセント」の続編。
「Ford v. Ferrari」(米・11月15日、日本・公開未定)
ジェームズ・マンゴールド監督、マット・デイモン×クリスチャン・ベール主演でカーレース界を舞台にフォード社とフェラーリ社の熾烈なライバル争いを描く。
「アナと雪の女王2」(米、日本・11月22日)
日本歴代興行収入3位(洋画歴代最高成績)を記録したアナ雪の続編。
「スター・ウォーズ:エピソード9」(米、日本・12月20日)
2015年から展開した「スター・ウォーズ」新シリーズがついに完結。
「Call of the Wild」(米・12月25日、日本・公開未定)
ジャック・ロンドンによる「野生の呼び声」をハリソン・フォード主演でCGアニメ化。
以上が今判明している現時点でのディズニー作品。20作品(そのうちFOX作品が11作品)、ディズニーはどれだけ稼ぐ気かよ…って話ですよね。
また、今年から始まる新しい配信サービス「disney+」*2に送られるFOX作品も少なからずあるのではないかということも考えられますし、ディズニーがこれからFOXをどう扱っていくのか、そして自社・マーベル・ルーカスフィルムとはどう展開していくのか、どう勢力図を描いていくのか…まだまだ未知数なことも多く、期待と不安が入り混じってるというのが思いとしてありますが、まずは今年のディズニーの動向に注目していくのがポイントではないのでしょうか?
4.今週の注目作
「バイス」(4月5日公開)
「マネー・ショート 華麗なる大逆転」のスタッフ&キャストが再結集し、ジョージ・W・ブッシュ政権でアメリカ史上最も権力を持った副大統領と言われ、9・11後のアメリカをイラク戦争へと導いたとされるディック・チェイニーを描いた社会派エンタテインメントドラマ。
1960年代半ば、酒癖の悪い青年だったチェイニーは、後に妻となる恋人リンに叱責されたことをきっかけに政界の道へと進み、型破りな下院議員ドナルド・ラムズフェルドの下で政治の裏表を学んでいく。やがて権力の虜になり、頭角を現すチェイニーは、大統領首席補佐官、国務長官を歴任し、ジョージ・W・ブッシュ政権で副大統領の座に就くが……。
これまでも数々の作品で肉体改造を行ってきたクリスチャン・ベールが、今作でも体重を20キロ増力し、髪を剃り、眉毛を脱色するなどしてチェイニーを熱演した。妻リン役に「メッセージ」「アメリカン・ハッスル」のエイミー・アダムス、ラムズフェルド役に「フォックスキャッチャー」「マネー・ショート 華麗なる大逆転」のスティーブ・カレル、ブッシュ役に「スリー・ビルボード」のサム・ロックウェルとアカデミー賞常連の豪華キャストが共演。第91回アカデミー賞で作品賞ほか8部門にノミネートされ、メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞した。
「麻雀放浪記2020」(4月5日公開) (PG12)
1984年に和田誠監督で映画化された阿佐田哲也のベストセラー小説「麻雀放浪記」を、主人公が1945年から2020年にタイムスリップするという大胆なアレンジを加え、斎藤工主演&白石和彌監督で再映画化。
新たな世界大戦の勃発により、東京オリンピックが中止となった2020年の東京。人口は大幅に減少し、AIに労働が取って代わられた結果、失業者と老人が街にあふれていた。そんな荒廃した東京に、坊や哲が1945年の戦後復興期の時代からタイムスリップしてやってくる。坊や哲が目にしたのは75年の時を経た、驚がくの世界だった。坊や哲は思わぬ状況で立ちはだかるゲーム「麻雀」で死闘を繰り広げていくが……。
斎藤が主人公・坊や哲を演じるほか、竹中直人、もも(チャラン・ポ・ランタン)、ベッキー、的場浩司、岡崎体育、堀内正美、小松政夫らが顔をそろえる。
「希望の灯り」(4月5日公開)
旧東ドイツの巨大スーパーを舞台に、社会の片隅で助け合う人々の日常を穏やかにつづったヒューマンドラマ。旧東ドイツ生まれの作家クレメンス・マイヤーの短編小説「通路にて」を、同じく旧東ドイツ出身のトーマス・ステューバー監督が映画化した。
ライプツィヒ近郊の田舎町に建つ巨大スーパー。在庫管理係として働きはじめた無口な青年クリスティアンは、一緒に働く年上の女性マリオンに恋心を抱く。仕事を教えてくれるブルーノは、そんなクリスティアンを静かに見守っている。少し風変わりだが素朴で心優しい従業員たち。それぞれ心の痛みを抱えているからこそ、互いに立ち入りすぎない節度を保っていたが……。
「未来を乗り換えた男」のフランツ・ロゴフスキが主演を務め、ドイツアカデミー賞で主演男優賞を受賞。マリオン役に「ありがとう、トニ・エルドマン」のサンドラ・フラー。2018年・第68回ベルリン国際映画祭コンペティション部門出品。
「4月の君、スピカ。」(4月5日公開)
高校の天文部を舞台に繰り広げられる三角関係を描いた青春ラブストーリー。小学館「Sho-Comi」で連載された杉山美和子による人気少女コミックの実写映画化で、福原遥と佐藤大樹(FANTASTICS from EXILE TRIBE)が主演を務める。
高校受験に失敗し、うっかり超スパルタ進学校へ入ってしまった早乙女星は、授業にはついていけず、友だちともうまく会話できず、入学早々に落ち込む日々が続く。そんなある日、天文好きの無口な美少年・深月と、ちょっぴりチャラいが学年トップの秀才・泰陽の2人組と知り合った星は、彼らに誘われるまま天文部に入り、そこで思いがけず自分の居場所を見つける。
星役を福原、泰陽役を佐藤が演じるほか、深月役で「MEN'S NON-NO」モデルの鈴木仁、泰陽の元カノである天川咲役で11代目ゼクシィCMガールの井桁弘恵が共演。監督は「NANA」の大谷健太郎。
「マックイーン モードの反逆児」(4月5日公開)
デビッド・ボウイやレディー・ガガといったアーティストをはじめ、キャサリン妃にも愛されたファッションデザイナー、アレキサンダー・マックイーンのドラマティックな生涯を追ったドキュメンタリー。
1969年にロンドンの労働者階級に生まれ、23歳で失業保険を資金にファッションデザイナーとしてデビューしたマックイーンは、27歳の若さでジバンシィのデザイナーに大抜擢される。自身のブランドで展開した過激なショーから「モードの反逆児」と呼ばれる一方、ボウイやガガなどの衣装、ビョークのMV監督、プーマやティム・バートンとのコラボなど精力的に活動を展開し、34歳で大英帝国勲章を授与される。しかし、成功の絶頂の中で2010年に40歳の若さで自ら命を断ってしまう。マックイーンの波乱に満ちた人生を友人や家族たちのインタビュー、発掘されたファッションアーカイブなどから迫っていく。
マックイーンの友人でもあったマイケル・ナイマンが音楽を担当。
というわけで、今週は以上。閲覧ありがとうございました。