Takaのエンタメ街道

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<週刊興行批評>「ジョーカー」初登場から見る2010年代のアメコミとR指定映画

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今週は「ジョーカー」が初登場。そこで2010年代のアメコミ映画やR指定映画を振り返っていくことにします。

 

 

1.先週末のランキング

まずは、先週末のランキングを見てみましょう。

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1位は初登場ジョーカー」。土日2日間で動員35万6000人、興収5億4800万円をあげ、初日から3日間の累計では動員50万人、興収7億5600万円をあげる好スタートを切った。

2位は「記憶にございません!」。土日2日間で動員12万9000人、興収1億7400万円をあげ、累計では動員217万人、興収27億円を突破している。

3位は初登場HiGH&LOW THE WORST」。土日2日間で動員12万1000人、興収1億6400万円をあげ、初日からの3日間で動員19万6800人、興収3億1000万円をあげた。10億円を超えるのは難しいスタートとなった。

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4位は初登場蜜蜂と遠雷」。土日2日間で動員9万6000人、興収1億2700万円をあげ、初日からの3日間で動員13万4400人、興収1億7600万円をあげた。

5位は初登場ジョン・ウィック:パラベラム」。土日2日間で動員8万4000人、興収1億2600万円、初日からの3日間で動員12万3100人、興収1億8100万円をあげ、シリーズで最高のスタートとなった。

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6位は「かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜」。累計で動員157万人、興収19億円を突破。

7位は「天気の子」。累計で動員1011万人、興収135億円を突破。

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E.T.」「アルマゲドン」「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」を抜き歴代興収13位となっている。

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8位は「人間失格 太宰治と3人の女たち」。累計で動員83万人、興収11億円を突破。

9位は「HELLO WORLD」。累計で動員34万人、興収4億7000万円を突破。

10位は「アナベル 死霊博物館」。累計興収は3億3700万円を突破した。

 

2.興収チェック!「ジョーカー」

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今週初登場1位となったのは「ジョーカー」。公開からわずか5日で興収10億円を超えるなど予想以上の話題となっている本作。

世界でも最大の映画祭の一つでもあるヴェネツィア国際映画祭でアメコミ映画史上初の金獅子賞を受賞したという作品そのもののクオリティ、本国でも日本でも隙を見せない完成度を見せた予告や宣伝の数々に興味を持ったという方も多いのではないだろうか。

そんな今作を通じて、2010年代の日本でのアメコミ映画とR指定映画という観点を絡めて見ていこうと思う。

まずは2010年代のアメコミ映画から。2010年代の映画というのはすなわちアメコミ映画の台頭の時代。実際問題、今年、「アベンジャーズ/エンドゲーム」で世界興収歴代1位を記録するなど今やアメコミ映画は欠かせない存在になってきている。

ということで、まずは「ジョーカー」を同じコミックブランドであるDCの映画たちとともに比較していこう。

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一目瞭然。宣伝の記憶も新しい「アクアマン」や「スーサイド・スクワッド」を大きく上回る成績となった。

では、マーベルと比較とどうなるのだろうか。MCUスパイダーマンX-MENシリーズで見ていくことにしよう。

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「ジョーカー」は土日2日間で動員35万6000人、興収5億4800万円。これは「シビル・ウォー」や1作目の「アベンジャーズ」のオープニング成績を上回る記録。いかに本作が2010年代のアメコミ映画の中でも抜きん出ているかが分かるだろう。

続いて、2010年代のR指定映画という観点で見てみよう。2010年代は2000年代に比べると娯楽作でもR指定映画の面白さが現れた作品が日本でも増えてきたように思える。ちなみに2010年代R指定映画で10億円を超えたのは22作品。その中で15億円を超えた作品とともに本作を比較。

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「告白」や「テッド」といったR指定の代表作のオープニングを上回る成績となっている。

 

といった感じで「ジョーカー」のオープニングは近年稀に見るオープニング成績の高さであり、2週目以降の成績がどうなるのか。特に本作はクチコミ効果も十二分にあるので、来週以降の成績も気になるところだが、今のペースなら30億円以上は稼ぎそうだ。40〜50億円までいくととてつもない成績と言っていいだろう。

3.今週の注目作

イエスタデイ」(10月11日公開)

トレインスポッティング」「スラムドッグ$ミリオネア」のダニー・ボイル監督と「ラブ・アクチュアリー」の脚本家リチャード・カーティスがタッグを組み、「ザ・ビートルズ」の名曲の数々に乗せて描くコメディドラマ。

イギリスの小さな海辺の町で暮らすシンガーソングライターのジャックは、幼なじみの親友エリーから献身的に支えられているものの全く売れず、音楽で有名になる夢を諦めかけていた。そんなある日、世界規模の瞬間的な停電が発生し、ジャックは交通事故で昏睡状態に陥ってしまう。目を覚ますとそこは、史上最も有名なはずのバンド「ザ・ビートルズ」が存在しない世界になっていた。彼らの名曲を覚えているのは世界でただひとり、ジャックだけで……。

イギリスの人気テレビドラマ「イーストエンダーズ」のヒメーシュ・パテルが主演を務め、「マンマ・ミーア! ヒア・ウィ・ゴー」のリリー・ジェームズ、「ゴーストバスターズ」のケイト・マッキノンが共演。シンガーソングライターのエド・シーランが本人役で出演する。

空の青さを知る人よ」(10月11日公開)

埼玉県・秩父を舞台に描いた「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「心が叫びたがってるんだ。」の監督・長井龍雪、脚本家・岡田麿里、キャラクターデザイン&総作画監督田中将賀が再結集し、前2作同様に秩父を舞台にオリジナルストーリーで描いた長編アニメ映画。

秩父の町に暮らす高校生の相生あおいは、進路を決める大事な時期なのに受験勉強もせず、東京へ出てバンドをやることを目指して大好きなベースを弾いて毎日を過ごしていた。あおいには唯一の家族である姉のあかねがいるが、2人は13年前に事故で両親を亡くしており、当時高校3年生だったあかねは恋人・金室慎之介との上京を断念して地元で就職し、妹の親代わりを務めてきた。あおいは自分を育てるために多くのことを諦めた姉に対し、負い目を感じていた。そんなある日、町の音楽祭に大物歌手の新渡戸団吉が出演することになり、そのバックミュージシャンとして、あかねと別れたきり音信不通になっていた慎之介が町へ帰ってくる。時を同じくして、まだあかねと別れる前の慎之介が、13年前の過去から時を超えてあおいの前に現れる。

吉沢亮が慎之介、吉岡里帆があかね、松平健が新渡戸団吉の声を演じるなど豪華俳優陣が声の出演。

ボーダー 二つの世界」(10月11日公開) (R18+)

ぼくのエリ 200歳の少女」の原作者ヨン・アイビデ・リンドクビストが自身の原作をもとに共同脚本を手がけ、第71回カンヌ国際映画祭ある視点部門でグランプリを受賞した北欧ミステリー。

醜い容姿のせいで孤独と疎外感を抱える税関職員ティーナには、違法な物を持ち込む人間を嗅ぎ分けるという特殊能力があった。ある日、彼女は勤務中に奇妙な旅行者ボーレと出会う。ボーレに対し本能的に何かを感じたティーナは彼を自宅に招き、離れを宿泊先として提供する。次第にボーレに惹かれていくティーナだったが、ボーレにはティーナの出生にも関わる大きな秘密があった。

真実」(10月11日公開)

万引き家族」で第71回カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した是枝裕和監督が、初めて国際共同製作で手がけた長編作品。母と娘の間に隠された真実をめぐる物語を、フランスを代表する女優カトリーヌ・ドヌーブジュリエット・ビノシュの共演で描く。

フランスの国民的大女優ファビエンヌが自伝本「真実」を出版し、それを祝うためという理由で、アメリカに暮らす脚本家の娘リュミールが、夫でテレビ俳優のハンクや娘のシャルロットを連れて母のもとを訪れる。早速、母の自伝を読んだリュミールだったが、そこにはありもしないエピソードが書かれており、憤慨した彼女は母を問いただすが、ファビエンヌは意に介さない。しかし、その自伝をきっかけに、母と娘の間に隠されていた愛憎渦巻く真実が次第に明らかになっていく。

女優として優れていることを何よりも優先するファビエンヌカトリーヌ・ドヌーブ、娘のリュミールをジュリエット・ビノシュが演じた。そのほかリュミールの夫ハンク役でイーサン・ホークファビエンヌの共演女優役でリュディビーヌ・サニエら実力派キャストが顔をそろえる。

2019年・第76回ベネチア国際映画祭コンペティション部門に出品。日本人監督の作品として初めて、同映画祭のオープニング作品として上映される。

最高の人生の見つけ方」(10月11日公開)

ジャック・ニコルソンモーガン・フリーマンが共演したロブ・ライナー監督による同名映画を原案に、吉永小百合天海祐希が共演したハートフルドラマ。

人生のほとんどを家庭のために捧げてきた主婦・幸枝と、仕事だけに生きてきた大金持ちの女社長・マ子。余命宣告を受けた2人は病院で偶然に出会う。初めて人生に空しさを感じていた彼女たちがたまたま手にしたのは、入院中の少女が書いた「死ぬまでにやりたいことリスト」だった。幸枝とマ子は、残された時間をこのリストに書かれたすべてを実行するために費やす決断をし、自らの殻を破っていく。これまでの人生で決してやらなかったことを体験していく中で、彼女たちは今まで気づくことのなかった生きる楽しさと幸せをかみしめていく。そして、そんな彼女たちに待っていたのは、ある奇跡だった。

監督は「ジョゼと虎と魚たち」「眉山」「のぼうの城」などで知られる犬童一心

クロール -凶暴領域-」(10月11日公開) (PG12)

最大級のハリケーンに見舞われたフロリダを舞台に、凶暴なワニの巣窟と化した家に閉じ込められた父娘の運命を描いたサバイバルスリラー。

大学競泳選手のヘイリーは、疎遠になっていた父が、巨大ハリケーンに襲われた故郷フロリダで連絡が取れなくなっていることを知る。父を捜しに実家へ向かったヘイリーは、地下室で重傷を負って気絶している父を発見。しかしその瞬間、背後から何者かに襲われ、地下室の奥へと引きずり込まれてしまう。浸水のタイムリミットが迫る中、大量発生したワニのテリトリーとなった思い出の我が家から、負傷した父とともに脱出を図るヘイリーだったが……。

主人公ヘイリーを「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」のカヤ・スコデラーリオ、彼女の父を「プライベート・ライアン」のバリー・ペッパーが演じる。「ドント・ブリーズ」のサム・ライミ製作のもと、「ヒルズ・ハブ・アイズ」のアレクサンドル・アジャ監督がメガホンをとった。

ブルーアワーにぶっ飛ばす」(10月11日公開)

若手映像作家の発掘を目的とした「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2016」で審査員特別賞を受賞した企画の映画化で、夏帆とシム・ウンギョンという日韓の実力派女優が共演したオリジナルストーリー。

30歳でCMディレクターをしている砂田は、東京で日々仕事に明け暮れ、理解ある優しい夫もいて、充実した人生を送っているように見える。しかし最近は、口を開けば毒づいてばかりで、すっかり心が荒んでしまっていた。そんなある日、病気の祖母を見舞うため、親友の清浦とともに大嫌いな地元の茨城に帰ることになった砂田は、いつものように清浦と他愛ない会話をしながら茨城に向かうが、実は今回の帰省に清浦がついてくるのには、ある理由があった。

アップグレード」(10月11日公開) (PG12)

パラノーマル・アクティビティ」のジェイソン・ブラムが製作、「インシディアス」シリーズで脚本や監督を務めたリー・ワネルがメガホンを取ったSFアクション。

近未来、妻と平和な日々を送っていたグレイは、突如現れた謎の組織によって妻を殺され、自身も全身麻痺となってしまうが、巨大企業の科学者によって実験的に埋め込まれたAIチップ「STEM」の力によって麻痺を克服し、人間を超越した身体能力を手に入れる。グレイは脳内で会話する相棒的存在である「STEM」と協力し、最愛の妻を殺害した謎の組織への復讐を誓う。

主人公グレイ役を「プロメテウス」「スパイダーマン:ホームカミング」のローガン・マーシャル=グリーンが演じる。

 

というわけで、今週は以上。閲覧ありがとうございました。