Takaのエンタメ街道

一生を映画に捧ぐと決めたTakaが主に映画・テレビ・音楽について書くブログです。

<週刊興行批評>コロナウイルスの影響を受けた映画館興行について考えること

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こんにちは。連日のように報道されている新型コロナウイルス。感染拡大を抑制するべく、イベントの休止や延期、レジャー施設の休業や営業時間の短縮が行われているのは周知の事実だと思うのですが、映画館での興行もこの影響に直面し、休業、はたまた公開作品の延期が相次いでいます。今週はいつものように作品を取り上げるのではなく、コロナウイルスの影響による映画館興行の状況について、筆者自身が考えていることを書いてみたいと思います。

 

 

1.先週末のランキング

まずは先週末のランキングを見てみましょう。

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1位は「パラサイト 半地下の家族」。土日2日間で動員12万8000人、興収1億6600万円をあげ、累計では動員272万人、興収37億円を突破している。

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2位は「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」。土日2日間で動員9万人、興収1億1200万円をあげ、累計では動員48万人、興収6億3200万円を突破している。

3位は初登場劇場版 SHIROBAKO」。土日2日間で動員8万4000人、興収1億1500万円をあげ、興収ではスマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」を上回る好スタートを切った。

4位は「犬鳴村累計では動員78万人、興収10億円を突破。

5位は初登場野性の呼び声」。初日から3日間で動員6万3500人、興収7700万円をあげた。

6位は「ミッドサマー」。累計興収は2億4400万円を突破。

7位は「ヲタクに恋は難しい」。累計は動員86万人、興収は11億円を突破。

8位は「1917 命をかけた伝令」。累計興収は6億8800万円を突破。

9位は「デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆」。累計興収は1億9600万円を突破した。

10位は初登場スケアリーストーリーズ 怖い本」。

2.コロナウイルスの影響を受けた映画館興行について考えること

さて、連日のようにコロナウイルスのニュースがテレビやネット上を錯綜する日々を我々は過ごしており、他人事では済まない日常生活にも影響をきたすレベルにきております。 

コロナウイルスの影響は映画界にも及んでおります。↓のサイトでまとめられていますが、各劇場が対応を迫られています。劇場の休館、チケットの払い戻し、チケットの先行販売の中止、小中高生を対象とした入場制限、1席ずつ間隔を空けてのチケット販売(これに関しては市松模様や縦1ブロック丸ごと空ける対応を見せて欲しい)などを実施している。

また、「映画しまじろう しまじろうと そらとぶふね」、「映画ドラえもん のび太の新恐竜」、「劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス」、「2分の1の魔法」、「ドクター・ドリトル」、「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」、「ソニック・ザ・ムービー」、「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」、「ムーラン」が公開延期の決断をした。特に「007」は世界的に11月に延期と今後、日本だけでなく、海外でも公開延期の決断が増えるかもしれない。日本に限って言えば、このままの状況だと、春休みやGWの主力作が軒並み延期になったことで例年のようなムーブメントになることはないと思われます。

以上のような打撃を受けてしまった映画界。映画ではないが、ライブハウスでのクラスター感染が問題化するなど、これまでの震災のような自粛とは違い、密集する空間での安全性が問題視されてしまうのはもどかしいところではある。確かに映画館(だけでなく密集する娯楽空間)で感染はないと断言できることは無理だ。実際問題、既に下関市での映画館で感染者が映画を鑑賞していたという情報も出ている。

だが、だからといって娯楽を止めるというのは少し考えたほうがいいように思う。娯楽に限った話ではない。社会は回らなければならない。そして、それを潤す一つは娯楽であると感じる。命を守るために映画館を閉館することも一つの手であろう。だが、こんなときだからこそ映画館を開けるという決断もある。どんな決断を下そうとも明日への道を切り開くために頑張るのならば、自分はそれで良いと思う。

そう考えたところで今週以降は映画館がどういう動きを見せるのか。以上に挙げた対応を貫くことと公開作品の延期による穴埋めが必要になるだろう。その上で先週末のランキングは色々な意味を持ちそうだ。まず、3週連続を1位を記録した「パラサイト 半地下の家族」は春休みの競合作が軒並み延期になったことにより、さらなるロングランヒットになりそうだ。また、4週目現在もトップ5にランクインし続ける「犬鳴村」や今週ワンランクアップした「ミッドサマー」もサプライズとも言える好調を記録するだろう(「ミッドサマー」に関してはR18+指定のディレクターズ・カット版の全国公開が決定しておりさらなる上映館拡大が見込める)。この3作品はティーン層に徐々に広がっている(実際に友人のインスタを見るとパラサイトを観たという人が何人かいた)ことから期待できる。さらに、今週末から公開される「Fukushima 50」などもヒットするのではないかと思われる。また、ヒットに絡んでくるかは不明だが、「バーフバリ」の再上映など延期作品の代替にも注目だ。

とりあえず、今日までに出ている情報を基にコロナウイルス影響下の映画興行について考えていることについて話した。何度も言うが、密集する空間、映画館で感染しない保証はない。しかし、今日も映画館が開かれているのならば、映画を観れる環境があるのならば、自分はそうした場所も応援していきたい。

最後に。映画館に限った話というか、逸れた話になるのですが、今回の影響でイベントが中止になり、損害を被っているしかも多額の損額を被っている娯楽の人がいるかもしれません。先日、野田秀樹さんが声明を出したときに多少の批判が挙がりましたが、僕はこうした声が娯楽の人から出てくるのも無理はないと感じました。全面的な同意が出来なくとも、突如として決定したこの自粛によって娯楽を奪われた者の叫びは心の中へと沁み込むようでした。それでも、良き明日がくることを信じ、それぞれの対応を練り、動き出すエンターテイナーがいることは確かです。エンタメ団体が声明文を発表した今日この頃、損害を被った娯楽に携わる者がたくさん救われてる明日を願って、今週の当記事を締めたいと思う。

3.今週の注目作

Fukushima 50」(3月6日公開)

2011年3月11日に発生した東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故で、未曾有の事態を防ごうと現場に留まり奮闘し続けた人々の知られざる姿を描いたヒューマンドラマ。

2011年3月11日午後2時46分、マグニチュード9.0、最大震度7という日本の観測史上最大となる地震が起こり、太平洋沿岸に押し寄せた巨大津波に飲み込まれた福島第一原発は全電源を喪失する。このままでは原子炉の冷却装置が動かず、炉心溶融メルトダウン)によって想像を絶する被害がもたらされることは明らかで、それを防ごうと、伊崎利夫をはじめとする現場作業員や所長の吉田昌郎らは奔走するが……。

現場の最前線で指揮をとる伊崎に佐藤浩市、吉田所長に渡辺謙という日本映画界を代表する2人の俳優を筆頭に、吉岡秀隆、安田成美ら豪華俳優陣が結集。「沈まぬ太陽」「空母いぶき」などの大作を手がけてきた若松節朗監督がメガホンをとった。

ジュディ 虹の彼方に」(3月6日公開)

オズの魔法使」で知られるハリウッド黄金期のミュージカル女優ジュディ・ガーランドが、47歳の若さで急逝する半年前の1968年冬に行ったロンドン公演の日々を鮮烈に描いた伝記ドラマ。

ブリジット・ジョーンズの日記」シリーズのレニー・ゼルウィガーが、ジュディの奔放で愛すべき女性像と、その圧倒的なカリスマ性で人々を惹きつける姿を見事に演じきり、第92回アカデミー賞をはじめ、ゴールデングローブ賞など数多くの映画賞で主演女優賞を受賞した。

1968年。かつてミュージカル映画の大スターとしてハリウッドに君臨したジュディは、度重なる遅刻や無断欠勤によって映画出演のオファーが途絶え、巡業ショーで生計を立てる日々を送っていた。住む家もなく借金も膨らむばかりの彼女は、幼い娘や息子との幸せな生活のため、起死回生をかけてロンドン公演へと旅立つ。

共演に「マネー・ショート 華麗なる大逆転」のフィン・ウィットロック、テレビドラマ「チェルノブイリ」のジェシー・バックリー、「ハリー・ポッター」シリーズのマイケル・ガンボン。「トゥルー・ストーリー」のルパート・グールド監督がメガホンをとった。

仮面病棟」(3月6日公開)

現役医師で作家の知念実希人によるベストセラー小説を、坂口健太郎永野芽郁の共演で映画化。

ピエロの仮面をかぶる凶悪犯に占拠され、鉄格子で閉ざされた空間となった病院を舞台に、残された医師らによる決死の脱出劇が繰り広げられる。先輩医師から頼まれて一夜限りの当直をすることになった速水だったが、その夜、ピエロの仮面をつけた凶悪犯が病院に立てこもり、速水らは病院に閉じ込められてしまう。犯人に銃で撃たれて傷を負った女子大生の瞳を治療した速水は、瞳とともに脱出を試みるが、かたくなに通報を拒む院長や、院長とともに何かを隠している様子の看護師、さらには身元不明の入院患者や隠された最新鋭の手術室など、次々と不可解な事態に直面する。

映画単独初主演となる坂口健太郎が速水に扮し、ヒロインとなる瞳を永野芽郁が演じる。監督は「任侠学園」「屍人荘の殺人」の木村ひさし。

星屑の町」(3月6日公開)

地方回りの売れないムード歌謡コーラスグループ「山田修とハローナイツ」の悲哀を描く人気舞台「星屑の町」シリーズを映画化。

大手レコード会社の元社員・山田修をリーダーに、歌好きの飲み仲間や売れない歌手が集まって結成された「山田修とハローナイツ」。結成から十数年が経つ彼らだったが、これといったヒット曲もなく、ベテラン女性歌手のキティ岩城らと地方を回りながら細々と活動を続けていた。ある日、彼らは修の生まれ故郷である東北の田舎町へ巡業に訪れる。そこには修との間に遺恨を抱える弟・英二が待っていた。一方、英二の息子の幼なじみである愛は、母が営むスナックを手伝いながら歌手になることを夢見ていた。そんな彼女がハローナイツに入りたいと言い出したことから、思わぬ騒動が巻き起こる。

メンバーには大平サブローラサール石井小宮孝泰ら舞台版でおなじみのキャストが集結。「この世界の片隅に」の声優も好評だったのんがヒロインの愛を演じ、「海月姫」以来約6年ぶりに実写映画に出演した。監督は「の・ようなもの のようなもの」の杉山泰一。

酔うと化け物になる父がつらい」(3月6日公開)

アルコールにおぼれる父を持った菊池真理子の実体験に基づいたコミックエッセイを松本穂香、渋川清彦主演で実写映画化。

毎日アルコールにおぼれる父、新興宗教信者の母という一風変わった家庭環境で育ったサキは、普段はおとなしいのに酔うと化け物のように豹変する父の行動に悩まされ、いつしか自分の心にフタをして過ごすようになっていた。そんな自分とは正反対に明るく活発な妹や、学生時代からの親友に支えられながら、サキは家族の崩壊を漫画として笑い話に昇華することでなんとか毎日を生きていた。そんなある日、父に病気が見つかってしまい……。

主人公のサキ役を松本穂香、父・トシフミ役を渋川清彦が演じるほか、ともさかりえ今泉佑唯恒松祐里濱正悟、浜野謙太らが脇を固める。監督は「ルームロンダリング」、ドラマ「きのう何食べた?」の片桐健滋

劇場版 おいしい給食 Final Battle」(3月6日公開)

市原隼人演じる給食マニアの中学教師が主人公のコメディドラマ「おいしい給食」の劇場版。

1984年のとある中学校。給食を愛しすぎるゆえに、給食を愛せないヤツを許せない「給食絶対主義者」である給食マニアの教師・甘利田幸男は、学校から給食がなくなるという信じがたい報せに衝撃を受ける。一方、甘利田最大のライバルで「どちらがよりおいしく給食を食べるか」という超絶給食バトルを繰り広げている生徒の神野ゴウは、「給食革命」を目指して生徒会選挙への出馬を宣言。愛する給食を守るため、甘利田は奮闘するが……。

甘利田役を市原隼人が演じるほか、ヒロインの女性教師・御園ひとみ役を武田玲奈、神野ゴウ役を佐藤大志がそれぞれ演じる。

 

というわけで、今週は以上。閲覧ありがとうございました。