Takaのエンタメ街道

一生を映画に捧ぐと決めたTakaが主に映画・テレビ・音楽について書くブログです。

<週刊興行批評>コロナウイルス状況下の日本の映画配給とストリーミングについて考えること

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先週末は東京都を中心に新型コロナウイルスによる外出自粛要請を受け、東京、神奈川、埼玉を中心に、約100もの劇場が営業を中止。新作の上映もほぼなくなり、映画ランキングも上位の興収データが発表できない状態に。その状態は今週以降も続くことになりそうだ。そこで今週もコロナウイルスの影響を受けた映画界について書いていきます。今週は配給会社とストリーミングについて自分が思うことを中心に書いていきます。

 

 

1.先週末のランキング

まずは、先週末のランキングを見てみましょう。

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1位は「一度死んでみた」。映画.comによると週末2日間の成績は前週比55%近くの減ということで、動員が3万6850人、興収が4730万円あたりとなる。累計で動員24万8000人、興収3億500万円を突破した。

2位は「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」。映画.comによると週末2日間の成績は前週比66%近くの減ということで、興収が8100万円あたりとなる。興収は「一度死んでみた」を上回ってるという。累計で動員26万4900人&興収3億8900万円を突破した。

3位は「仮面病棟」。累計では動員52万7400人、興収6億6500万円を突破した。

4位は「パラサイト 半地下の家族

5位は「Fukushima 50」。累計で動員55万8000人、興収7億2800万円を突破。

6位は「弥生、三月 -君を愛した30年-」。累計で動員11万6700人、興収1億5000万円を突破。

7位は「犬鳴村」。累計で動員106万人、興収13億円を突破。

8位は初登場PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR」。

9位は「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」。累計で動員86万人、興収11億円を突破。

10位は「ミッドサマー」。

2.コロナウイルス状況下の日本の映画配給とストリーミングについて考えること

先週末から始まった都を中心とした週末の自粛要請。その効果は映画界にも及び、東京、神奈川、埼玉の劇場が相次いで営業を中止。それに伴い、先週末は「fate」などか急遽公開延期に。今週末以降も注目作が続々と延期する事態となった。

この状況はしばらく続くことになることは明白だが、ハリウッドの公開延期作もある程度目処がついてる様子だ。今現在は「ワンダーウーマン 1984」や「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」、「クワイエット・プレイス PARTll」、「トップガン マーベリック」は延期はするものの年内公開の予定だが、「ワイルド・スピード ジェットブレイク」や「ミニオンズ フィーバー」、「ゴーストバスターズ アフターライフ」、「モービウス」、「ピーターラビット2」は年を越して1年単位での延期が発表されている。恐らく他の作品も2020年の秋or冬〜2021年に向けて延期がされていくことが予想される。

つまりはこの春だけでなく、夏もガラ空きな状態が今の映画界のスケジュール。つまり、一番の稼ぎ期であるアメリカなら4月下旬〜8月、日本だと7〜8月がこのままだとすっぽりと穴が開く、いわば主力作がない状態が出てくることになる。そう考えるとかなり深刻な事態となっている。ただでさえ、やりくりしている日本の映画館もこれではあまりにも先行き不透明ではある。

さあ、ここで本題となる。日本の配給会社とストリーミングだ。

配給会社

ここではまず、配給会社をメジャーと単館系と分けて考えていきたい。

まずはメジャー映画会社。ここでは東宝東映ワーナー・ブラザース、ディズニーなどを指すことにしよう。GWや夏休みの映画スケジュールを見直す必要性があるだろう。これは先週も書いたが、まずはGWの「名探偵コナン」をいかに延期するかで方向性は変わる。何ヶ月程度か、どのシーズンにぶつけるか。この方向性が見えてくると各映画会社も右向け右でそこに向けて進路が取れるだろう。「名探偵コナン」という今や90億円を稼ぎ出す映画の延期をしかも東宝という日本一の映画会社の判断によってどう動くか。

これが見えてくるだけでも見る目は大分変わるだろう。とりあえずは4月17日という公開日を一旦白紙には戻すべきだろう(4月に入った今の時点でCMが打ててないのは相当迷っているということではあると思う)。他にも「シン・エヴァ」や「るろうに剣心」あたりも見直す必要性がないとは言い切れない。こちらも動かし方には注視だ。

洋画に関しては本国の公開日が出ない限りはなんとも言えないが、出来る限り本国とのスパンは短くして欲しいというのが筆者の個人的な願いだが、こればかりは他国とのコロナウイルスの足並みを見ない限りは難しい。ただ、本国がそれらを呑み込んで1年近い延期を用意したのでまだ良いだろう。問題は他国で既に公開された「ドクター・ドリトル」や「ソニック  ザ・ムービー」などの対応だ。頭を悩ませるところだろう。これらについてはストリーミングの項目でまた書いていくことにしよう。

次は単館系だ。今回の公開延期はメジャー映画ばかりではない。ミニシアターで上映されているような映画も次々と延期している。これで一番最悪なパターンが配給会社が倒産してしまうこと。今現在はまだそうした状況に陥る可能性は多くはないが、長期化すると最悪な道もなくはない。そうならないことを願うしかないが、今でもシネコン、ミニシアター関係なしに映画館に客が来ない状態で映画館側が潰れて、契約が消えるということも考える。最悪な事態に陥らないためにもお金は落としたいところ…だが、難しいというのが現状だ。

ストリーミング

続いて、日本のストリーミングについて思うことを書いていく。ここでのストリーミングはNETFLIXAmazonプライム・ビデオ、huluなどのいわゆる定額制(SVOD方式)とiTunesなどでレンタルや購入をするTVOD方式について書いていく。思うことは2つだ。

1つ目は果たして、このようにコロナウイルスのような状況下になったとしても、日本にストリーミングサービスは普及するのかどうか?これに関して、今がチャンスなのではないか?と考える人もいるだろう。が、個人的にその考えには疑問が浮かぶ。確かにストリーミングサービスがもっと普及すれば、日本のエンタメも面白いことになるかもしれない。しかし、日本の社会構造とストリーミングサービスが肌に合っているのかどうかは正直疑問なのだ。金を払い、それなりに時間を設けてというハードルをどうも踏み越えれない人がたくさんいるように思える。日本のTwitterトレンド1位が「#再放送希望ドラマ」だったことからもオンデマンドで見るというよりもテレビで見たいのほうがまだ勝ってるように思える。

ただ、普及はしているので是非とも引き続きアピールはしていく気概は充分にあるとは思います。まだあたりまえになってないだけです。

2つ目は日本のストリーミングサービスが延期に陥った映画の救済に乗り出すのもありなんじゃないか?ということ。先ほど、メジャー映画に関しては既に他国で公開された映画の対応について、また、単館系でも最悪な事態が来る可能性は0ではないことを書いたのですが、そこにストリーミングサービスが手を差し伸べるというのは大いにありなのではないかと感じます。既にアメリカでは「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒」などがダウンロード販売を前倒し、「2分の1の魔法」に関してはダウンロード販売だけでなく、既にディズニーが所有している定額制サービス「Disney+」で配信が開始されることが発表されていたりする対応が取られている。

日本でもこうした対応をストリーミングサービス側からやってみるのも良いかもしれない。個人的に今の日本のストリーミングサービスはオリジナルを作ろうと固めている印象が強くあるのでここで手を差し伸べたりしたら、業界自体もかなり活性化したりするんじゃないか?とも思ったりしますが、これに関しては前途多難。でも、やったらかなり面白いことだと思います。

 

というわけで、配給会社とストリーミングサービスについて思うことを書きました。上記に触れた以外にも配給会社は過去作を劇場やテレビ局に向けで販売を強化したりなんかするのもありだと思います。今回、書いたのは個人的に思ったことで恐らく書かなくても既に動いていることはたくさんあるでしょう。そして、それに頭を抱えていることでしょう。しかし、娯楽が未来を閉じ込めさせることはありません。これまでも困難がありながらも娯楽は未来を開いてきました。今だからこそ、未来を開くために今までやってないことをやるのもありじゃない?なんて思いながら、娯楽が再び、未来を切り開いてくれることを願い、今回の記事を締めさせていただきます。あとは補償を…というのはどこぞの話やらレベルになってきましたが、ボチボチはやってるみたいですね。他国に比べたらあれですけど……

 

(今週も「今週の注目作」の紹介をしたところで自粛要請への逆効果を生み出す観点から紹介はなしにしておきます。)

 

というわけで、今週は以上。閲覧ありがとうございました。