Takaのエンタメ街道

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<週刊興行批評>「2分の1の魔法」の苦戦と「ムーラン」が日本でも配信スルー…ディズニーの決断をどう見る?

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先週末は「糸」と「2分の1の魔法」が公開。今回は本作の興行分析とディズニーの動向を考えたいと思います。

 

 

1.先週末のランキング

まずは、先週末のランキングを見てみましょう。

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1位は初登場」。土日2日間で動員17万1000人、興収2億3400万円をあげ、先行上映が行われた8月12日と初日を合わせた4日間の累計では、動員27万8000人、興収3億7300万円をあげる好スタートを切った。

2位は「ドラえもん のび太の新恐竜」。土日2日間で動員16万4000人、興収2億300万円をあげ、累計では動員183万人、興収21億円を突破した。

3位は「劇場版 Fate/stay night [Heaven’s Feel] III. spring song」。累計で動員58万人、興収9億6000万円を突破した。

4位は初登場2分の1の魔法」。土日2日間で動員11万9000人、興収1億6300万円をあげた。初日からの3日間の累計では動員15万9500人、興収2億1600万円をあげた。

5位は「今日から俺は!!劇場版」。累計で動員358万人、興収45億円を突破。

6位は「コンフィデンスマンJP プリンセス編」。累計で動員215万人、興収29億円を突破。

7位は「思い、思われ、ふり、ふられ」。累計で動員35万人、興収4億4700万円を突破。

8位は「弱虫ペダル」。累計で動員33万人、興収4億2300万円を突破。

9位は初登場映画 ギヴン」。土日2日間で動員2万2100人、興収3700万円をあげた。

10位は「ぐらんぶる」。累計興収は3億6900万円を突破した。

 

2.興収チェック!「糸」

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先週、初登場1位にランクインしたのは「」。1998年にリリースされた中島みゆきの「糸」をモチーフに瀬々敬久監督、菅田将暉×小松菜奈主演で平成元年に生まれた男女の18年間を平成史とともに描いていく。元々は4月24日に公開予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大防止により公開が4ヶ月延期されていた。

蓋を開ければ、土日2日間で動員17万1000人、興収2億3400万円をあげた。10年前の同時期に公開された同じくTBS製作による曲の映画化である「ハナミズキ」(初週末の動員30万1300人、興収3億9900万円、最終興収28.3億円)と比較すると動員比57%、興収比59%、1年前に公開された「雪の華」(初週末の動員15万1000人、興収1億9900万円、最終興収11.2億円)と比較すると動員比113%、興収比118%のスタートとなっている。最終興収は10〜15億円近くとなるだろう。

3.興収チェック!「2分の1の魔法」

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先週、初登場4位にランクインしたのは「2分の1の魔法」。亡くなった父親にもう一度会いたいと願う兄弟が、魔法によって半分だけ復活した父親を完全によみがえらせるため奮闘する姿を描くピクサーの最新作。元々は3月13日に公開予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大防止により公開が5ヶ月延期されていた。

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蓋を開ければ、土日2日間で動員16万4000人、興収2億300万円をあげたが、これは昨年の「トイ・ストーリー4」と比較すると動員比17%、興収比15%となった。なお、これではオープニング成績が桁違いのためあまり比較にならない。オープニング成績が近い作品で比較すると「メリダとおそろしの森」と比較すると動員比155%、興収比145%、「アーロと少年」と比較すると動員比86%、興収比88%となっている。最終興収も10億円近くとなるだろうが、ピクサー作品としては今一つという結果となりそうだ。

これは今年の夏休み映画の総括となるが、「今日俺」や「コンフィデンスマンJP」、「Fate」、今週末1位にランクインした「糸」はヒットを記録したものの、ドラえもんや本作のようなファミリー映画は苦戦を強いられたことになる。まだまだ映画館に家族で行こうとするのは少しハードルがあるようだ。

さあ、ここからは違うトピックスを取り上げて、本作の興収分析をさらに考える。「ムーラン」の日本での公開展開についてだ。日本でもアメリカやヨーロッパと同様に9/4(もともとこの日は日本の劇場公開予定日でもあった)にDisney+で配信されることが明らかとなった。この報道はネット上でも大きな反響を持って迎えられた。

料金は米国とほぼ同じの2980円(税抜)。ただ、これは米国の4K配信ではなく、日本ではFull HDで2chサラウンドと品質は劣っても同じ価格となる。2020年において4K配信はおろか、5.1chサラウンドでの配信もできないで3000円もの料金を払うのはぼったくりと言っても良い。確かに親子、カップル2人分だとしたら同じ料金ではあるが、果たしてこの価格設定で良かったのだろうか?と疑問を抱かずにはいられない。

米国での配信の際に書いた記事で劇場公開や劇場との並行公開される可能性にも触れたが、残念ながら日本でも配信スルーされることとなった。 

これまで劇場公開されることを告知する広告やグッズの準備もしたのに全てがなくなり、前売り券は使えなくなり、劇場は金が入らずに配信作品を広告したことになる。これは個人的に残念でならない。「ムーラン」が劇場公開すれば、コロナ前に比べれば落ちはするだろうが、それでも劇場を支えてくれる柱になり得たかもしれないからだ。あくまでもディズニーは「ムーラン」の配信スルーは実験的側面があるとしているが、大作なだけに成功する可能性もあり、今後のディズニー作品の配信スルーの可能性も十分にあり得る。とある海外の調査ではMCUの新作「ブラック・ウィドウ」を劇場で観たいと答えた人よりも家で観たいと答えた人の方が多かった。

もちろん、配信へ切り替えることを全面的に否定しているわけではないが、映画館が死にかけるような状況でさらに力を蓄えないで欲しいとは思う。映画館があり、配信がある構図が理想的だ。何なら、配信で公開されてる作品が劇場でも流れるのはアリなのではないか?日本では劇場が元気を取り戻してる状況なだけに劇場での展開も視野に入れて欲しかったという気持ちがある。だが、「2分の1の魔法」の成績を見るとネズミから「いや、劇場でやっても想定した客は来ないよ。だったら自分とこのサービス強化したほうがいいね」と言われそうだ。

 

4.今週の注目作

青くて痛くて脆い」(8月28日公開)

「君の膵臓をたべたい」の住野よるの同名青春サスペンス小説を、吉沢亮杉咲花主演で映画化。

コミュニケーションが苦手で他人と距離を置いてしまう田端楓と、理想を目指すあまり空気の読めない発言を連発して周囲から浮いている秋好寿乃。ひとりぼっち同士の大学生2人は「世界を変える」という大それた目標を掲げる秘密結社サークル「モアイ」を立ち上げるが、秋好は「この世界」からいなくなってしまった。その後のモアイは、当初の理想とはかけ離れた、コネ作りや企業への媚売りを目的とした意識高い系の就活サークルへ成り下がってしまう。そして、取り残されてしまった田端の怒りや憎しみが暴走する。どんな手段を使ってもモアイを破壊し、秋好がかなえたかった夢を取り戻すため、田端は親友や後輩と手を組んで「モアイ奪還計画」を企てる。

監督は「映画 妖怪人間ベム」の狩山俊輔。

事故物件 恐い間取り」(8月28日公開)

「事故物件住みます芸人」として、実際に9軒の事故物件に住んだ芸人・松原タニシの実体験を記したノンフィクション「事故物件怪談 恐い間取り」を亀梨和也主演で映画化。監督は、「スマホを落としただけなのに」「貞子」の中田秀夫が務めた。

売れない芸人・山野ヤマメは「テレビに出してやるから事故物件に住んでみろ」と先輩から無茶ぶりされ、テレビ出演と家賃の安さから殺人事件が起きた物件に引っ越す。その部屋は一見普通の部屋だったが、部屋を撮影した映像には謎の白いものが映り込み、音声が乱れるなどといった現象が起こった。ヤマメの出演した番組は盛り上がり、ヤマメは新たなネタを求めて事故物件を転々とする。住む部屋、住む部屋でさまざまな怪奇現象に遭遇したヤマメは「事故物件住みます芸人」として大ブレークするが……。

オフィシャル・シークレット」(8月28日公開)

イラク戦争開戦前夜に英米政府を揺るがせた告発事件を、キーラ・ナイトレイ主演で映画化したポリティカルサスペンス。

2003年、イギリスの諜報機関GCHQで働くキャサリン・ガンは、アメリカの諜報機関NSAから驚きのメールを受け取る。イラクを攻撃するための違法な工作活動を要請するその内容に強い憤りを感じた彼女は、マスコミへのリークを決意。2週間後、オブザーバー紙の記者マーティン・ブライトにより、メールの内容が記事化される。キャサリンは自分がリークしたことを名乗り出るが、告発も空しくイラク侵攻は開始され、彼女は起訴されてしまう。キャサリンを救うため、人権派弁護士ベン・エマーソンらが立ち上がるが……。

弁護士エマーソン役に名優レイフ・ファインズ、記者ブライト役にテレビシリーズ「ドクター・フー」のマット・スミス。監督は「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」のギャビン・フッド。

ようこそ映画音響の世界へ」(8月28日公開)

ハリウッドの映画音響にスポットをあてたドキュメンタリー。1927年に初のトーキー映画「ジャズシンガー」が誕生して以来、常に進化を続けている映画音響。本作では「キング・コング(1933)」「市民ケーン」「ROMA ローマ」など、新旧名作群の映像を使用し、映画音響の世界を紹介。ジョージ・ルーカススティーブン・スピルバーグデビッド・リンチクリストファー・ノーランら監督陣、「スター・ウォーズ」のベン・バート、「地獄の黙示録」のウォルター・マーチ、「ジュラシック・パーク」のゲイリー・ライドストロームといった映画音響界のレジェンドたちのインタビューを盛り込み、映画における「音」の効果と重要性に迫っていく。

幸せへのまわり道」(8月28日公開)

トム・ハンクスが、アメリカで1968年から2001年にわたって放送された長寿子ども向け番組の司会者フレッド・ロジャースに扮し、アカデミー助演男優賞にノミネートされたヒューマンドラマ。雑誌「エスクァイア」に掲載された新聞記者ロイド・ボーゲルによる記事の映画化で、ボーゲル役を「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」でもハンクスと共演したマシュー・リスが演じた。

雑誌記者として華々しいキャリアを築いてきたロイド・ボーゲルは、姉の結婚式に招待され、そこで長らく絶縁していた父ジェリーと再会する。家庭を顧みず自分たち姉弟を捨てた父を、ロイドはいまだ許せずにいた。数日後、仕事で子ども向け番組の司会者として人気のフレッド・ロジャースを取材することになったロイド。フレッドは、会って間もないロイドが抱えている家族の問題や心のわだかまりを見抜き、ロイドもそんなフレッドの不思議な人柄にひかれていく。やがて2人は公私ともに交流を深めていくが……。

監督は「ある女流作家の罪と罰」「ミニー・ゲッツの秘密」のマリエル・ヘラー。

ソワレ」(8月28日公開) (PG12)

「燦燦 さんさん」の外山文治監督が、村上虹郎と芋生悠演じる若い男女の切ない逃避行を描いたドラマ。豊原功補小泉今日子、外山監督らが立ち上げた映画制作会社・新世界合同会社の第1回プロデュース作品。

俳優を目指して上京した翔太は、俳優では芽が出ずに今ではオレオレ詐欺に加担してなんとか食い扶持をつないでいる。ある夏、翔太は故郷の和歌山にある高齢者施設で演劇を教えることになり、その施設で働くタカラと出会う。数日後、祭りに誘うためにタカラの家を訪れた翔太が目撃したのは、刑務所帰りの父親から激しい暴行を受けるタカラの姿だった。とっさに止めに入る翔太、そして逃げ場のない現実に絶望してたたずむタカラ。翔太はタカラの手を取り、夏の街の中へと駆け出していく。

ブルータル・ジャスティス」(8月28日公開) (R15+)

 

トマホーク ガンマンvs食人族」「デンジャラス・プリズン 牢獄の処刑人」などでカルト的人気を集める気鋭の監督S・クレイグ・ザラーが手がけたバイオレンスアクション。

ベテラン刑事のブレットと相棒のトニーは、強引な逮捕が原因で6週間の無給の停職処分を受けてしまう。どうしても大金を必要としていたブレットは、犯罪者たちを監視し、彼らが取引した金を強奪するという計画を練る。ブレットはトニーを誘って計画を実行に移し、ボーゲルマンという男の監視を開始する。そしてある朝、動き始めたボーゲルマンとその仲間を尾行するが……。

ブレット役をメル・ギブソンが演じ、トニー役は「デンジャラス・プリズン 牢獄の処刑人」でもザラー監督とタッグを組んだビンス・ボーンが務めた。そのほか「戦場のピアニスト」「タクシー運転手 約束は海を越えて」のトーマス・クレッチマンが出演し、極悪非道の強盗犯を演じている。

マロナの幻想的な物語り」(8月29日公開)

ハート型の鼻を持つミックス犬マロナの生涯を、手書きをベースとした独特なアニメーション表現で描いた長編アニメ。

血統書付きの母と少し乱暴な父との間に生まれたミックス犬マロナは、同時に生まれた9匹の末っ子であることから「ナイン」と呼ばれる。彼女は生まれてすぐに曲芸師マノールの手に渡り、「アナ」と名付けられる。アナは大好きなマノールと幸せな日々を送るが、マノールの新たな仕事が“犬禁止”だと知り、彼のもとを去ることを決意。寂しく通りをさまよっていた彼女は、エンジニアのイストヴァンに拾われ、「サラ」という新しい名前をもらう。イストヴァンからはかわいがられたものの、彼の家族からひどい扱いを受けたサラは家を逃げ出し、公園で少女ソランジュと出会う。新たな名前はマロナ。持ち前の愛くるしさで家族全員を魅了し、絆を深めていくマロナだったが……。

京アニメーションアワードフェスティバル2020で長編グランプリを受賞。日本語吹き替え版では、主人公の犬マロナの声を「この世界の片隅に」ののんが担当する。

インターステラー」(9月4日公開)

ダークナイト」「インセプション」のクリストファー・ノーラン監督によるオリジナル作品。

世界的な飢饉や地球環境の変化によって人類の滅亡が迫る近未来を舞台に、家族や人類の未来を守るため、未知の宇宙へと旅立っていく元エンジニアの男の姿を描く。

主演は、「ダラス・バイヤーズクラブ」でアカデミー主演男優賞を受賞したマシュー・マコノヒー。共演にアン・ハサウェイジェシカ・チャステイン、ノーラン作品常連のマイケル・ケインほか。

クリストファー・ノーラン監督の「TENET テネット」公開にあわせたノーラン監督作のリバイバル上映企画「ノーラン夏祭り」の第4弾としてIMAX版でリバイバル公開。

mid90s ミッドナインティーズ」(9月4日公開) (PG12)

ウルフ・オブ・ウォールストリート」などの俳優ジョナ・ヒルが初監督・脚本を手がけ、自身が少年時代を過ごした1990年代のロサンゼルスを舞台に、13歳の少年の成長を描いた青春ドラマ。

シングルマザーの家庭で育った13歳の少年スティーヴィーは力の強い兄に負けてばかりで、早く大きくなって見返してやりたいと願っていた。そんなある日、街のスケートボードショップに出入りする少年たちと知り合ったスティーヴィーは、驚くほど自由で格好良い彼らに憧れを抱き、近づこうとするが……。

ルイスと不思議の時計」のサニー・スリッチが主演を務め、母を「ファンタスティック・ビースト」シリーズのキャサリン・ウォーターストン、兄を「マンチェスター・バイ・ザ・シー」のルーカス・ヘッジズがそれぞれ演じる。

宇宙でいちばんあかるい屋根」(9月4日公開)

作家・野中ともその同名人気小説を映画化し、「愛唄 約束のナクヒト」の清原果耶が映画初主演を果たしたファンタジードラマ。

14歳のつばめは、隣人の大学生・亨にひそかに恋心を抱くごく普通の女の子。両親と3人で幸せな生活を送っているように見えたが、父と、血の繋がらない母との間に子どもができることを知り、どこか疎外感を感じていた。誰にも話せない思いを抱える彼女にとって、通っている書道教室の屋上は唯一の憩いの場だった。ある夜、いつものように屋上を訪れたつばめの前に、ド派手な装いの見知らぬ老婆が現れる。その老婆「星ばあ」がキックボードに乗って空を飛ぶ姿に驚きながらも、不思議な雰囲気を漂わせる彼女に次第に心を開き、恋や家族の悩みを相談するつばめだったが……。

監督・脚本は日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作「新聞記者」や、清原も出演した「デイアンドナイト」を手がけた藤井道人

行き止まりの世界に生まれて」(9月4日公開)

閉塞感に満ちた小さな町で必死にもがく若者3人の12年間を描き、第91回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門にノミネートされた作品。

かつて栄えていた産業が衰退し、アメリカの繁栄から取り残された「ラストベルト(錆びついた工業地帯)」に位置するイリノイ州ロックフォード。キアー、ザック、ビンの3人は、それぞれ貧しく暴力的な家庭から逃れるようにスケートボードに熱中していく。スケート仲間は彼らにとって唯一の居場所であり、もうひとつの家族だった。そんな彼らも成長するにつれ様々な現実に直面し、少しずつ道を違えていく。低賃金の仕事を始めたキアー、父親になったザック、そして映画監督になったビン。幼い頃からスケートビデオを撮りためてきたビンのカメラは、明るく見える3人の悲惨な過去や葛藤、思わぬ一面を浮かび上がらせていく。そんな彼らの姿を通して、親子、男女、貧困、人種といった様々な分断を見つめ、アメリカの知られざる現実を映し出す。

ファナティック ハリウッドの狂愛者」(9月4日公開) (PG12)

ジョン・トラボルタが映画オタクのストーカーを演じるスリラー。

ハリウッド大通りでパフォーマーをしながら、さえない毎日を送っている映画オタクのムース。そんな彼の夢は、熱狂的なファンである人気俳優ハンター・ダンバーからサインをもらうことだった。しかし、ようやく念願かなって参加したサイン会でダンバーから冷たくあしらわれたことから、ムースの愛情が歪みはじめる。ダンバーの豪邸を突き止めたムースは何度も彼に接触を試みるが、ムースを気味悪がるダンバーから激しく拒絶されてしまう。そして、ムースのダンバーへの行動が次第に暴走していき……。

監督は「奇跡のロングショット」のフレッド・ダースト。

人数の町」(9月4日公開)

中村倫也の主演で、衣食住が保証され快楽をむさぼることができる謎の町を舞台に描くディストピアミステリー。映画配給会社キノフィルムズを擁する木下グループが、映画業界の新たな才能発掘を目的に2017年に開催した第1回木下グループ新人監督賞の準グランプリ受賞作品を映画化した。

借金で首が回らなくなり、借金取りから暴行を受けていた蒼山は、黄色いツナギを着たヒゲ面の男に助けられる。蒼山のことを「デュード」と呼ぶその男は、蒼山に「居場所」を用意してやるという。蒼山が男に誘われ、たどり着いたのは、出入りは自由だがけっして離れることができない、ある奇妙な町だった。

蒼山役を中村倫也が演じるほか、石橋静河、本作が映画初出演となる立花恵理、山中聡らが顔をそろえる。監督・脚本は、松本人志出演による「タウンワーク」のCMやMVなどを多数手がけ、本作が初長編監督作品となる荒木伸二。

僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46」(9月4日公開)

人気アイドルグループ「欅坂46」の初のドキュメンタリー映画。「乃木坂46」に続く「坂道シリーズ」第2弾のグループとして2015年に結成され、16年にデビューした欅坂46は、アイドルという枠を超えた圧倒的なライブパフォーマンスと独創的な世界観でファンを魅了。NHK紅白歌合戦出場や全国での大規模アリーナツアー、異例のロックフェス参戦などを実現させ、破竹の勢いで坂道を駆け上がっていく。デビューから約3年半となる19年9月には2日間の東京ドーム公演を成功させるが、20年1月、絶対的センターだった平手友梨奈が突然脱退する。そして、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によって活動自粛を余儀なくされるなか、同年7月に無観客配信ライブ「KEYAKIZAKA46 Live Online,but with YOU!」を開催。その場で、20年10月開催のライブをもって欅坂46としての5年間に幕を閉じ、グループ名を改めて再出発することを発表する。激動の5年間の活動の中で、メンバーたちは胸の内にどんな思いを抱いていたのか。メンバーやスタッフの証言をはじめ、初公開となる貴重な記録映像の数々、そして再編集されたライブパフォーマンスの映像などを交え、欅坂46の5年間を映し出す。

監督は「AKB48」や「THE YELLOW MONKEY」のミュージックビデオ、ドキュメンタリーなどを多数手がけてきたことで知られる高橋栄樹

Reframe THEATER EXPERIENCE with you」(9月4日公開)

国内外で人気を誇る3人組テクノポップユニット「Perfume」の20年間にわたる全歴史を再構築したコンセプトライブ「Reframe 2019」を劇場公開。

2020年9月に結成20年&メジャーデビュー15周年を迎えるPerfume。19年10月、LINE CUBE SHIBUYA(旧・渋谷公会堂)のこけら落としとして開催された「Reframe 2019」では、これまでもPerfumeのライブを手がけてきた演出振付家MIKIKOや、真鍋大度を中心とするクリエイティブ集団「ライゾマティクス」とともに、デジタル技術を駆使したアートな表現に挑戦。楽曲、音声、ダンスパフォーマンス、写真、映像といったノーマル素材から、モーションキャプチャーや3Dスキャンといった特殊素材まで、様々なデータを最先端の技術と独創的な演出アイデアで再構築した。Perfumeの「過去・現在・未来」を地続きで表現する壮大な試みを実現した同公演を、劇場の大スクリーンと高音質で再現する。

「はたらく細胞!!」最強の敵、再び。体の中は“腸”大騒ぎ!」(9月5日公開)

清水茜による人気漫画をアニメ化し、擬人化された細胞たちが人間の体を健康に保つため奮闘する姿を描く「はたらく細胞」のテレビシリーズ第2期「はたらく細胞!!」の特別先行上映版。2021年1月から放送のテレビシリーズ第2期で描かれる、原作コミックス第5巻のエピソードを上映。

たくさんの細胞たちが働く人間の体の中。ある時、白血球(好中球)と赤血球は、迷子の乳酸菌を保護した一般細胞と出会う。乳酸菌を仲間のもとに送り届けるため、白血球(好中球)と一般細胞は腸へと向かうが、そこでは最強の敵であるがん細胞が待ち受けていた。がん細胞と悪玉菌により腸内環境は荒らされ、体内はかつてないピンチに陥る。

声の出演は、赤血球役の花澤香菜、白血球(好中球)役の前野智昭ら。ショートアニメ「血小板 映画館へ行く」が同時上映。

東京事変2020.7.24閏vision特番ニュースフラッシュ」(9月5日公開)

シンガーシングライターの椎名林檎を中心とした人気バンド「東京事変」が2020年7月24日に無観客で行ったライブの記録映像。

20年1月1日、8年ぶりの活動再開を発表し、“再生”を果たした東京事変。2月から4月にかけて全国ツアー「Live Tour 2020 ニュースフラッシュ」を開催する予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、ほとんどの公演の開催を断念。そして、東京オリンピックの開会式が開催されるはずだった同年7月24日、東京・渋谷のNHKホールでバンドメンバーやスタッフが集結し、無観客の中で「Live Tour 2020 ニュースフラッシュ」の演目を披露。その模様を余すことなく映像収録した。

20年9月5日からPIA LIVE STREAM、ZAIKO、WOWOWメンバーズオンデマンドで配信されるほか、9月5、12、13、14日の4日間限定で劇場上映。

もう終わりにしよう。‬」(9月4日NETFLIXにて配信)

イアン・リードが手掛けた小説を「マルコヴィッチの穴」や「エターナル・サンシャイン」の脚本を手掛けた鬼才チャーリー・カウフマン監督により映画化。

主人公の女性は、付き合い始めたばかりの恋人ジェイクとの別れを考えていた。ところが、打ち明けられないまま彼女は、彼の実家が営む農場へと訪問することに。猛吹雪により身動きが取れなくなってしまった彼女は、両親と時間を過ごす内に、恋人のこと、自分自身のこと、そして世界の全てに対する疑問を抱き始めていく……。

主人公の女性役に「ワイルド・ローズ」のジェシー・バックレイ、ジェイク役に「アイリッシュマン」のジェシー・プレモンス、母親役に「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」のトニ・コレット、父親役に「ワンダーウーマン」のデヴィッド・シューリスなどが名を連ねている。

‪ムーラン‬」(9月4日Disney+にて配信)

美女と野獣」「アラジン」など往年の名作アニメの実写化を次々と成功させているディズニーが、愛する父の身代わりとなり、兵士として国の運命をかけた戦いに身を投じるヒロインを描いた1998年のディズニー・アニメ「ムーラン」を実写化。

ヒロインのムーラン役には、「ザ・レジェンド」や「ドラゴン・キングダム」のリウ・イーフェイが抜てきされた。「ハンニバル・ライジング」「マイアミ・バイス」のコン・リー、「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」のドニー・イェン、「エクスペンダブルズ」シリーズのジェット・リーら、それぞれハリウッドでも活躍するアジア圏のスター俳優が共演。監督は、「クジラの島の少女」「スタンドアップ」などで知られるニュージーランド出身の女性監督ニキ・カーロ。Disney+にて追加料金が必要なプレミアアクセスで配信。

 

というわけで、今週は以上。閲覧ありがとうございました。