Takaのエンタメ街道

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<週刊興行批評>4連休と座席緩和で「TENET テネット」、「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」が幸先良い初登場!

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今回は「TENET テネット」、「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」について考えたいくわけだが、ひとつの朗報がもたらされた。それは9月19日から飲食なしという条件つきではあるのだが、全席での販売が可能になった。何よりその週は4連休のシルバーウィークの効果もあり2作品のオープニング成績にも大きな弾みとなった。今回はそんな2作品について書いていきます。

 

 

1.ランキング

まずは、ランキングを見てみましょう。

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1位は初登場TENET テネット」。土日2日間で動員20万人、興収3億2700万円をあげ、初日から22日までの5日間の累計では動員46万8000人、興収7億5000万円を超えるヒットスタートとなっている。

2位は初登場劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」。土日2日間で動員17万5000人、興収2億5200万円をあげ、累計では動員39万2000人、興収5億6000万円をあげる好スタート。さらにスクリーンアベレージは160万円を超える圧倒的な強さとなっている。

3位は「映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者」。土日2日間で動員14万人、興収1億7000万円をあげ、累計で動員59万人、興収7億2000万円を突破した。

4位は「事故物件 恐い間取り」。累計で動員143万人を突破、興収は間もなく19億円を超える。

5位は「」。累計で動員141万人、興収18億円を突破。

6位は「ドラえもん のび太の新恐竜」。累計で動員253万人、興収30億円を突破。

7位は「窮鼠はチーズの夢を見る」。累計興収は3億6500万円を突破。

8位は「劇場版 Fate/stay night [Heaven’s Feel] III. spring song」。累計で動員106万人、興収17億円を突破。

9位は「BREAK THE SILENCE:THE MOVIE」。

10位は「今日から俺は!!劇場版」。累計で動員412万人、興収52億円を突破した

 

2.興収チェック!「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン

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初登場2位にランクインしたのは「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」。2018年に放送された京都アニメーションによる人気アニメの完全新作劇場版だ。本作は元々1月10日に世界同時公開が予定されていたが、昨年7月に発生した京都アニメーションの放火事件により、公開は延期。そして、4月24日に日を改めるも新型コロナウイルス感染症の影響で再び延期。ファンとしてはようやくの公開となった。

蓋を開ければ、土日2日間で動員17万5000人、興収2億5200万円をあげた。これは同じく京都アニメーション作品「映画 聲の形」(初週末の動員20万人、興収2億8300万円、最終興収23.0億円)の動員比88%、興収比89%のオープニング成績となった。なお、昨年9月に公開された「外伝 -永遠と自動手記人形-」(最終興収8.31億円)の初週末3日間の興行収入対比では176.4%となっており、最終興収10〜20億円を見込めるだろう。

3.興収チェック!「TENET テネット」

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初登場1位にランクインしたのは「TENET テネット」。「ダークナイト」や「インセプション」、「インターステラー」などで全世界の映画ファンを驚かせてきたクリストファー・ノーラン監督の最新作だ。時間の逆行を描いたショットが公開前から話題となっていた。

本作はノーラン監督の最新作となるだけに2020年最大の注目作とも言われていたが、コロナウイルスの影響でハリウッド映画が軒並みの延期、配信スルーを余儀なくされており、本作もその危機に瀕していた。しかし、本コーナーでも追ってきたとおり、ノーラン監督とワーナーは製作費回収の名目ではあるものの、劇場での公開を確約。元々、7月17日のアメリカでの劇場公開を1ヶ月近くの延期で済まし、コロナ禍でのハリウッド大作第一号として大きな注目を集めることとなった。 

日本においては元々の公開日を9月18日に決めており(夏休みはるろ剣が入っている関係上、9月公開となったのだろう)、2ヶ月遅れが数週間の遅れで済んだのはこんな時期に映画ファンとしてはちょっとした幸いではあった。公開まではコロナの公開延期により空きが生じたIMAXや4D上映館にて「ダークナイト」(7/10〜)、「ダンケルク」(7/31〜)、「インセプション」(8/14〜)、「インターステラー」(9/4〜)の4作品を「ノーラン夏祭り」と銘打ちリバイバル上映。公開までの熱を上げてきた。

 

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蓋を開ければ、土日2日間で動員20万人、興収3億2700万円をあげ、ノーラン監督の前作「ダンケルク」の動員比91%、興収比101%とほぼ変わらない成績を叩き出した。日本でもノーラン監督のネームバリューが浸透している証拠でもあるだろう。

そして、この成績は日本、世界的に見ても朗報で、洋画自体が週末のNo.1を記録したのは6月に公開された「ドクター・ドリトル」以来3ヶ月ぶり、さらには国内最大のスクリーンを持つ東京のグランドシネマサンシャインでは、IMAXの上映成績が全世界で1位になった。ノーラン監督はIMAXカメラでの撮影をしており、通常のスクリーンでは黒帯でトリミングされてる画面サイズもIMAXではフルサイズで観れる。しかも、このフルサイズで観れるのは日本では大阪の109シネマズ大阪エキスポシティと本劇場のみ。ともなれば、お客さんが詰めかけるのも納得だ。なお、日本においてはIMAX版が全体の興行の24%を占めているなどノーラン監督の意図を汲み取りたいファンも大勢詰め掛けたと考えていいだろう。

コロナ禍において、洋画大作が公開され、お客さんが足を運ぶこと自体、とても大きな意味があるように思える。そして、想定より早いペースで戻りつつある日本の映画興行において、ノーラン監督の近作とさほど変わらない成績を本作が出せたことも大きい。本作はぜひ、20億円を超える最終興収を叩き出して欲しい。

しかし、油断は禁物だ。「TENET」が世界の興行に真っ向から立ち向かってるのに対し、ハリウッド大作の公開延期は続いている。ディズニーは「キングスマン」や「ブラック・ウィドウ」を来年に延期をした。

まだまだアメリカの映画館の復興は鈍いといったところだろうか?だが、「TENET」の公開は映画に大きな風穴を開けたことは確かだと今回の成績を見て自分は思った。

3.今回の更新

今週は3週分の記事を同時更新しました。ひとつは「クレヨンしんちゃん」、もうひとつは「ミッドナイトスワン」について書いております。よろしければご覧ください。 

 

 

というわけで、今週は以上。閲覧ありがとうございました。