Takaのエンタメ街道

一生を映画に捧ぐと決めたTakaが主に映画・テレビ・音楽について書くブログです。

<週刊興行批評>「ラーヤと龍の王国」の劇場/配信の並行公開の是非、シン・エヴァは初日8億スタート!!

f:id:ot20503:20210314031753j:image

今週は「太陽は動かない」、「ラーヤと龍の王国」の2作品を取り上げ、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の初日の興収の情報が出たため、そちらについても取り上げたいと思います。

 

 

1.先週末のランキング

まずは、先週末のランキングを見てみましょう。

f:id:ot20503:20210314031835j:image

1位は「花束みたいな恋をした」。土日2日間で動員11万4000人、興収1億5600万円をあげ、前週比は動員、興収ともに-11.2%と腰の強い興行を続けている。累計では動員196万人、興収26億円を突破した。

2位は「劇場版「鬼滅の刃」無限列車編」。土日2日間で動員9万7000人、興収1億6300万円をあげ、公開から21週目を迎えてもなお、興収では前週比+4.5%、1位の『花束〜』を上回るという怪物ぶりを見せている。累計では動員2787万人、興収384億円を突破しており、400億円突破まであと16億円足らずである。

3位は初登場太陽は動かない」。土日2日間で動員7万9000人、興収1億900万円をあげ、初日からの3日間で動員10万7400人、興収1億4500万円をあげた。

4位は「名探偵コナン 緋色の不在証明」。累計で動員65万1500人、興収9億1600万円を突破。

5位は「ライアー×ライアー」。累計興収は5億8400万円を突破。

6位は初登場ラーヤと龍の王国」。初日からの3日間で動員5万5400人、興収7000万円をあげた。

7位は「劇場版ポケットモンスター ココ」。累計で動員147万人、興収17億円を突破。

8位は「樹海村」。累計興収は6億400万円を突破。

9位は「映画 えんとつ町のプペル」。累計で動員168万人、興収23億円を突破した。

10位は初登場ARIA The CREPUSCOLO」。

 

2.興収チェック!「太陽は動かない」

f:id:ot20503:20210313183450j:image

先週末初登場3位にランクインしたのは「太陽は動かない」。「怒り」「悪人」などで知られる吉田修一のスパイアクション小説を藤原竜也竹内涼真出演、羽住英一郎監督で映画化。当初は昨年5月15日に公開予定だったが、新型コロナウイルスで公開延期をしており、ようやくの公開となった。

f:id:ot20503:20210313183656j:image

藤原竜也出演作品で興収比較してみたが、「Dinner ダイナー」に対して動員比60%、興収比57%と少々物足りない結果に。最終興収も5〜7億円程度となるだろう。

 

3.興収チェック!「ラーヤと龍の王国」

f:id:ot20503:20210313183712j:image

先週末初登場6位にランクインしたのは「ラーヤと龍の王国」。龍の王国を舞台に少女の戦いと成長を描くディズニーの長編アニメーション。

f:id:ot20503:20210313183724j:image

ディズニー作品の興収比較をしてみたが、「モアナと伝説の海」との動員比9.7%、興収比9.8%、コロナ禍の影響を受けた「2分の1の魔法」との動員比35%、興収比33%とディズニー作品としてはかなり低調なスタートとなっている。この勢いだと、最終興収も2〜3億円あたりとなりそうだ。

というのも、本作はディズニーの配信サービスである「Disney+」でプレミアアクセスとして追加料金を設けた上での同時公開をしていたためであり、公開館数も従来のディズニー作品よりも規模を縮小して行われていることが原因である。大手シネコンチェーンではイオンシネマは全館で上映しているのに対し、TOHOシネマズは本作においては全館で公開をしていないという異例の公開形態となった。

2010年代のディズニー無双が一転し、2020年代に入り、日本にもDisney+の普及が始まり、コロナウイルスによる公開延期を余儀なくされたことから劇場公開予定だった「ムーラン」や「ソウルフル・ワールド」は配信に移行した。そして、今回、日本のメジャー洋画としては初めて、劇場と配信での並行公開が始まった。配信でどれだけ視聴されているかは不明だが、それ相応の再生数は記録してるだろう。ただ、ディズニー側も通常の劇場公開の映画に比べると宣伝の力もそこまで発揮をしていないのも事実であり、まだ手探り状態であることは明らかだ。劇場側としてもディズニーの新作を配信と並行公開されることを危惧してる側面もあり、双方が納得するまでにはまだ時間は要しそうだ。ただ、本作のオープニング興収だけを読み取ると、本来なら、ディズニーの新たな物語を大きく向かい入れたいところなのに、この数字は物足りなさすぎるのではないだろうか?と思う節がある。本作がディズニー、はたまたハリウッド作品の日本公開にどう影響を受けるか。配信という選択肢の利点が増えてきた今、避けて通れない事態である。良い方向性に向くことを期待したいところだ。

ただ、まず、日本はDisney+をアメリカと同様の仕様(ラインナップの多様さ、4K、5.1chサラウンド配信など)に持っていくことから始めないとさらに遅れを取ることになると考える。

 

4.「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の初日は8億円スタート!!

f:id:ot20503:20210306044047j:image

さて、今週月曜日、3月8日、ついに公開が始まった「シン・エヴァンゲリオン劇場版」。2007年から始まった「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズ全4部作、ならびに25年に渡って続いた「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズの完結編とあって公開前から大きな話題となっていた。度重なる延期によって、ファンの期待値もさらに挙げていたことだろう。公開日発表が公開から僅か10日前、初日が平日の月曜日と異例の興行形態で客入りはどの程度のものかと期待していたが、蓋を開ければ、初日だけで観客動員数53万9623人、興収8億277万4200円というスタートを切った。

これは前作「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」(動員44万3408人、興収6億4838万3550円)の動員比121.7%、興収比123.8%である。

f:id:ot20503:20210313183738j:image

また、これがどれほどのスタートなのか。近年のメガヒット作品の初日興収と比較してみよう。同じく庵野秀明総監督の「シン・ゴジラ」の動員比354.9%、興収比381.1%、新海誠監督の「天気の子」の動員比164%、興収比174.9%と80〜100億円クラスの作品の初日興収を上回っているのだ。流石に「鬼滅の刃」に比べると動員比59.2%、興収比63.3%と下回るものの、「シン・エヴァ」以外はすべて金曜日公開での成績である。多くの人が勤勉に勤しむ平日の月曜日を初日としたときの成績としては「鬼滅の刃」並みの数字を叩き出したという解釈をするほうが良いだろう。まさか、個人的にもここまでの数字を叩き出すとは思いもしなかった(前回の予想で初日5億、1週間で15〜20億円と予想したのが恥ずかしくなるくらいには)。

鬼滅の刃」並みの数字と表現したが、熱気でもそれに匹敵する、あるいはそれを上回ると解釈することも出来る。鬼滅は原作もあり、既にオチを知って鑑賞することも出来た。しかし、本作はこれまでと同様、情報をほとんど出すこともなく、しかもシリーズ最終作としてどういう結末を迎えるかを観客は何も知らずに鑑賞をする。もはや、初日に観にいくことが一種のイベントと化していたのだ。そして、Twitter上ではファンはネタバレに気をつけながら感想を呟くユーザーが多数いた(初日のトレンドに「ネタバレ」が入るほどに)。

鬼滅の刃」とあまり比較して語るのも良くないのでここまでとするが、とにかく「シン・エヴァ」が前作「Q」の50億円を上回ることはほぼ確実であり、100億円突破も夢じゃないと考えている。むしろ、本作を観た身としてはそれくらい稼がないと製作費の回収が難しいんじゃないかというくらいには詰め込まれているからだ(エンドロールがハリウッド作品並みに長かったこともありますし)。

既に20億円を突破しているという情報も入っており、おそらく初めての週末を迎える今週末も平日を耐えてきた初めての方や初日を見て平日は勤勉し再び観に行くリピーターの方の両方で多くの観客が押し寄せることは予想できる。興収も30億円は突破できるのではないかと予想する。

ここまで来るとすごいことになってきましたね。来週はさらにエヴァの宣伝手法、ブランド化していったことを踏まえながら、週末興収を見ていこうと思います。

 

5.今週末の注目作

ブレイブ 群青戦記」(3月12日公開) (PG12)

集英社週刊ヤングジャンプ」で連載された笠原真樹原作の人気コミック「群青戦記」を、「踊る大捜査線」シリーズの本広克行監督が実写映画化。新田真剣佑が単独初主演を飾るほか、三浦春馬松山ケンイチら実力派キャストが集う。

スポーツ名門校で弓道部に所属する西野蒼は目立つことが苦手で、弓道場で練習に打ち込むばかりの日々を送っていた。幼なじみの瀬野遥は、そんな蒼のことを心配している。ある日、1本の雷が校庭に落ちた直後、突如として校庭の向こうに城が出現、校内には刀を持った野武士たちがなだれ込んでくる。全校生徒がパニックに陥る中、歴史マニアの蒼は、学校がまるごと戦国時代、しかも“桶狭間の戦い”の直前にタイムスリップしてしまったことに気づく。織田信長の軍勢に友人たちを連れ去られた蒼は、後に徳川家康となって天下統一を果たす松平元康と手を組み、野球部やアメフト部の選抜メンバーたちと共に立ち上がるが……。

主人公を導く松平元康(後の徳川家康)を三浦春馬、彼らの前に立ちはだかる織田信長松山ケンイチがそれぞれ演じる。

ビバリウム」(3月12日公開) (R15+)

不動産屋に紹介された住宅地から抜け出せなくなったカップルの運命を描いたサスペンススリラー。

新居を探すトムとジェマのカップルは、ふと足を踏み入れた不動産屋で、全く同じ家が建ち並ぶ住宅地「Yonder」を紹介される。内見を終えて帰ろうとすると、すぐ近くにいたはずの不動産屋の姿が見当たらない。2人で帰路につこうと車を走らせるが、周囲の景色は一向に変わらない。住宅地から抜け出せなくなり戸惑う彼らのもとに、段ボール箱が届く。中には誰の子かわからない赤ん坊が入っており、2人は訳も分からないまま世話をすることに。追い詰められた2人の精神は次第に崩壊していき……。

ソーシャル・ネットワーク」のジェシー・アイゼンバーグと「グリーンルーム」のイモージェン・プーツが主人公カップルを演じる。プーツは第52回シッチェス・カタロニア国際映画祭で最優秀女優賞を受賞。

フィールズ・グッド・マン」(3月12日公開)

 

アメリカのアンダーグラウンドコミック界の人気アーティスト、マット・フューリーが生み出したキャラクターがたどることとなった数奇な運命と現在のアメリカ社会を、アニメーションを織り交ぜて描いたドキュメンタリー。

カルト的な人気を博したマット・フューリーの漫画「Boy’s Club」。主人公ペペが放った「feels good man(気持ちいいぜ)」のセリフとともにネットミームとして改変されたペペが、マットの意思とは裏腹に掲示板やSNSで一人歩きしてしまう。2016年アメリカ大統領選時には、匿名掲示板でオルタナ右翼たちが人種差別的なイメージとともにペペを拡散し、ADL(名誉毀損防止同盟)からヘイトシンボルとして認定。さらにペペの乱用は加速し、トランプ大統領の誕生に一役買うまでになってしまう。この事態にマットはペペのイメージ奪還に乗り出す。

すくってごらん」(3月12日公開)

エリート銀行マンが左遷先で出会った金魚すくいを通じて成長していく姿を描いた、大谷紀子の同名人気コミックを実写映画化。これが映画初主演となる歌舞伎俳優の尾上松也と「ももいろクローバーZ」の百田夏菜子が共演する。

些細なことにより左遷され、東京本社から片田舎の町へやってきた大手メガバンクのエリート銀行マン・香芝誠。荒んだ気持ちを抱えていた香芝は、左遷初日に金魚すくいの店を営む美女・吉乃と運命的な出会いを果たし、彼女に一目ぼれをする。生来のネガティブな性格と左遷のショックから心を閉ざし、仕事だけを生きがいに生きていくことを心に決めていた香芝だったが、吉乃のことがなかなか頭から離れず、なんとか彼女と仲良くなろうとするが……。

監督は「ボクは坊さん。」「ラスト・ホールド!」の真壁幸紀。ヒロインの吉乃を演じる百田夏菜子が、役名の生駒吉乃として主題歌を歌っている。

奥様は、取り扱い注意」(3月19日公開)

綾瀬はるか西島秀俊が元特殊工作員と公安エリートの夫婦を演じた人気ドラマの劇場版。

特殊工作員だった過去を持つ専業主婦の伊佐山菜美と、現役の公安警察であることを隠しながら菜美を監視するやさしい夫・伊佐山勇輝。半年前、ある出来事により菜美は記憶喪失になってしまい、2人は桜井久実と裕司に名前を変えて、小さな地方都市で新しい生活を始めていた。2人が新生活を送る珠海市では、新エネルギー源「メタンハイドレード」の発掘をめぐり、開発反対派と推進派の争いが激化していた。そんな中、新エネルギー源開発の裏でロシアと結託した国家レベルの陰謀が潜んでいる事実を公安が突き止める。勇輝が公安の協力者になるか特殊工作員だった妻を殺すかの選択を迫られる中、菜美は大きな事件へと巻き込まれていく。

菜美役を綾瀬はるか、勇輝役を西島秀俊が演じるほか、岡田健史、前田敦子鈴木浩介小日向文世らが脇を固める。監督は「カイジ ファイナルゲーム」の佐藤東弥

ミナリ」(3月19日公開)

1980年代のアメリカ南部を舞台に、韓国出身の移民一家が理不尽な運命に翻弄されながらもたくましく生きる姿を描いた家族映画。2020年・第36回サンダンス映画祭でグランプリと観客賞をダブル受賞した。

農業での成功を目指し、家族を連れてアーカンソー州の高原に移住して来た韓国系移民ジェイコブ。荒れた土地とボロボロのトレーラーハウスを目にした妻モニカは不安を抱くが、しっかり者の長女アンと心臓を患う好奇心旺盛な弟デビッドは、新天地に希望を見いだす。やがて毒舌で破天荒な祖母スンジャも加わり、デビッドと奇妙な絆で結ばれていく。しかし、農業が思うように上手くいかず追い詰められた一家に、思わぬ事態が降りかかり……。

父ジェイコブを「バーニング 劇場版」のスティーブン・ユァン、母モニカを「海にかかる霧」のハン・イェリ、祖母スンジャを「ハウスメイド」のユン・ヨジョンが演じた。韓国系アメリカ人のリー・アイザック・チョンが監督・脚本を手がけた。 

トムとジェリー」(3月19日公開)

多才だがお調子者でドジなネコのトムと、見た目はかわいらしいがずる賢く容赦ないネズミのジェリーが繰り広げるドタバタを描き、1940年の誕生から80周年を迎えた「トムとジェリー」を実写映画化。アニメーションで描かれるトムとジェリーが実写映像に融合し、クロエ・グレース・モレッツをはじめとした俳優陣と共演する。

ニューヨークの高級ホテルに引っ越してきたジェリーと、そんなジェリーを相変わらず追いかけるトム。新人ホテルスタッフのケイラが働くそのホテルでは、世界が注目するセレブカップルのウェディングパーティが行われようとしていたが、トムとジェリーのせいで台無しになってしまう。汚名返上のためタッグを組むことになったトムとジェリーが、世界一素敵なウェディングパーティを開こうと奮闘する。

ケイラ役のクロエ・グレース・モレッツほか、「アントマン」シリーズのマイケル・ペーニャ、「デッドプール2」のロブ・ディレイニー、「ハングオーバー!」シリーズのケン・チョンらが共演。「ファンタスティック・フォー 超能力ユニット」のティム・ストーリーがメガホンをとった。

まともじゃないのは君も一緒」(3月19日公開)

婚前特急」の監督・前田弘二と脚本・高田亮が再タッグを組み、成田凌と清原果耶がダブル主演を務めた恋愛ドラマ。人とのコミュニケーションが苦手で、数学ひと筋で生きてきた予備校講師の大野。今の生活に不満はないが、このままずっと1人でいることに漠然とした不安を抱えている。世間知らずで「普通」が何かわからない彼は、女の子とデートをしてもどこかピントがずれているような空気を感じる。教え子の香住は、そんな大野を「普通じゃない」と指摘してくれる唯一の相手だ。恋愛経験はないが恋愛雑学だけは豊富な香住に、「普通」を教えてほしいと頼み込む大野だったが……。

映画ヒーリングっど♥プリキュア ゆめのまちでキュン!っとGoGo!大変身!!」(3月20日公開)

人気アニメ「プリキュア」劇場版シリーズの通算29作目。「思いやり」と「絆」をテーマに2020年2月~21年2月に放送されたシリーズ17作目「ヒーリングっど♥プリキュア」の劇場版。

のどかたちが身に着ける「ゆめペンダント」の力で心の中に思い描いた夢を映し出す「ゆめアール」体験が流行している東京。みんなの夢があふれる街で、のどかたちは不思議な力をもった少女カグヤと出会う。そこへ夢を狙う謎の敵が現れて……。

プリキュア」シリーズ4作目「Yes!プリキュア5」と、その続編でシリーズ5作目「Yes!プリキュアGoGo!」のプリキュアたちも登場し、「ヒーリングっど・プリキュア」のプリキュアたちと共闘する。短編アニメ「映画トロピカル~ジュ!プリキュア プチ とびこめ!コラボ・ダンスパーティ!」が同時上映。

 

というわけで、今週は以上。閲覧ありがとうございました。