またまた1ヶ月も更新途絶えてしまいました。ですが、その分、記事3本同時更新です。
今回はいよいよ公開された「名探偵コナン 緋色の弾丸」の公開規模について書いていきます。
1.先週末のランキング
まずは、先週末のランキングを見てみましょう。
1位は「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」。土日2日間で動員16万1000人、興収2億6500万円をあげた。4月11日には新宿バルト9において、シリーズ初となる庵野秀明総監督ら監督陣と、碇シンジ役の緒方恵美によるによる舞台挨拶が行われ、全国328の劇場に同時中継された。累計では動員484万人、興収74.2億円を突破。
2位は「劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班」。土日2日間で動員6万7000人、興収9200万円をあげ、累計で動員32万7000人、興収4億3700万円をあげた。
3位は「モンスターハンター」。累計では動員64万人、興収7億円を突破している。
4位は「劇場版「鬼滅の刃」無限列車編」。累計は動員2869万人、興収396億円を突破。400億円突破まであと4億円足らずとなっている。
5位は「奥様は、取り扱い注意」。累計で動員68万1000人、興収8億6900万円を突破。
6位は「騙し絵の牙」。累計で動員28万7000人、興収3億7500万円を突破。
7位は「トムとジェリー」。累計で動員50万1600人、興収6億900万円を突破。
8位は「花束みたいな恋をした」。累計で動員265万人、興収35億円を突破。
9位は「映画ヒーリングっど♥プリキュア ゆめのまちでキュン!っとGoGo!大変身!!」。
10位は初登場「21ブリッジ」。累計興収は2億8500万円を突破した。
「ザ・スイッチ」は惜しくも圏外のスタートとなった。
2.いよいよ公開!「名探偵コナン 緋色の弾丸」
さて、いよいよ「名探偵コナン 緋色の弾丸」の公開が開始した。本作は人気キャラクターの一人である赤井秀一ら赤井ファミリーを主軸にした作品である。元々は昨年の同時期に公開を予定していたが、コロナウイルスの感染拡大と緊急事態宣言の影響による映画館の閉館が重なり、公開を延期。公開を1年延期して、満を辞しての公開となった。
公開を延期した分、宣伝にも力が入った。2月には赤井ファミリーに焦点を当てた「緋色の不在証明」を公開。こちらは3週間限定公開が好評により、公開延長。興収は10億円を超えた。
さらには、公開初日からIMAX、4D、ドルビーシネマといった特殊上映も同時公開。
4Dは過去作では公開から数ヶ月後の公開する形となっていたが、初日から上映。なお、IMAXとドルビーシネマは今回が初めてである。
・公開規模は「鬼滅の刃」「シン・エヴァ」超え?
さて、今回も「鬼滅の刃」、「シン・エヴァ」での調査と同様に東宝の上映劇場一覧に載せられてる劇場すべての初日の上映スケジュールを調べてみました。
上映館数は鬼滅が365館、シン・エヴァが346館なのに対し、372館。上映回数も3日間で25000回以上の上映を展開。鬼滅が3日間で23500回以上だったので、それを上回っています(「シン・エヴァ」は緊急事態宣言の影響もあり、鬼滅の7割ほどしか上映できなかったので、コナンとの比較では初日で約1.5倍の上映量で上回る)。
ちなみに、3日間で100回以上上映する劇場は23館。
一番上映回数が多いのはイオンシネマ港北ニュータウン。なんと、3日間で180回。しかも、初日は65回上映。初回の7時台の上映は全スクリーンをコナンに充てる暴挙とも言える状態に。それ以降、6〜7スクリーンをコナンに充て、深夜1時台の上映までつづくというもはやどれだけコナンを上映できるか競争に発展してる事態となった(しかも、港北ニュータウンはIMAXや4Dなどの特殊上映が一切ない状態でここまでの体制を整えたのだからすごい)。
4/16(金)~4/18(日)
— イオンシネマ港北ニュータウン (@ac_kouhokunt) 2021年4月12日
「#名探偵コナン #緋色の弾丸 」
上映スケジュールを御案内申し上げます。
心配するな。1日65回上映する限り、
見逃す真似はさせない。決してな。#港北NT #ウルティラ pic.twitter.com/RSkvnnSJKv
なお、前作「紺青の拳」でも一番多いところは3日間で87回、「鬼滅の刃」でも一番多いところは3日間で124回でした。 それよりも多くやる劇場がいるという…
「鬼滅の刃」以降、大作には各上映館が複数のスクリーンに跨る上映方式がより顕著になったイメージがあるが、本作においてはその力をより活かした形となった。今後もこういった形が増えていくのだろうが、こうした流れは他作品においてはなかなか上映が割けなくて迷惑とも言える状況であることも覚えておきたい。先々週末の新作が16本、先週末の新作が17本なのに対し、今週末は10本しか公開されないことからもコナンが来る前に上映をしようと考える流れがあり、コナンは毎年のように新作を出す流れからも今後この流れがより増えていくことも考えるとちょっとここらへんで抑えていただきたいものとも思うのである…
・興収はどうなる?
さて、シリーズでも最大規模の上映となる本作。近年ではGWに訪れる日本映画のビッグイベントとまで言える本シリーズの興行を見ることは重要なことである。
2019年に公開された前作「紺青の拳」は土日2日間で動員114万5000人、興収14億6400万円、初日からの3日間だと、動員145万8000人、興収18億8600万円という数字を叩き出した。
まずはこれを超えることはほぼ確実と考える。上映回数も多いことやこれまでのシリーズではなかったIMAXや4Dといった特殊上映の同時公開があり、これが上映回数の全体の1割を占めるなど興収において大いに貢献することが考えられるからだ。何よりファン層も強く、これを見越しての特殊上映限定の入場者特典を用意するまでだ。日本映画で初日からここまでの特殊上映をやるスタイルはなかったこともあり、東宝としても大いに自信を覗かせていると言っていいだろう。なので、前作のオープニング興収は超えるだろう。
ここで考えたいのは3日間の興収が20億円を超えるか否かである。決して無理ではない数字であり、前作を超えることを考えると、20億円台前半を叩き出せれば大成功と言える。鬼滅、シン・エヴァ、コナンと数字の感覚が麻痺してきそうだが、3日間で20億円稼ぎ出すだけでもすごいことだ。何せ、アナ雪2やパイレーツ・オブ・カリビアンでさえも、3日間で19億円がせいぜいだったからだ。
最後に。先程、日本映画界のビッグイベントと書いたコナンシリーズではあるが、これまで100億円の壁はなかなか超えられなかった。本作で超えられるか。これは今週末と来週末の成績を見てからじゃないと分からないが(来週末はるろ剣が公開されるため、比率は見ておきたいもの)、充分に余地はある体制を持っているので、あとはGWにどこまで集客できるかだ。そう、集客できるかなのだ。今、「まん延防止等重点措置」が宮城、大阪、兵庫、東京、沖縄に発令されており、今後、埼玉、千葉、神奈川、愛知にも発令される。この措置は時短依頼を行える効果もある。あくまでも任意ではあるが、GWという繁盛期においては良くはないニュースであり、まだまだ鑑賞にハードルを持つ観客が出る可能性も否定できない。
ただ、こうした効果を観客や映画館側がどう判断するかの余地は大いに残っているため、この勢いでいけば、100億を突破するような気は自分はする。
まずは今週末の数字を見届けたいところだ。感染者が良い感じに収まってくれたら良いのだが…
3.今週末の注目作
「名探偵コナン 緋色の弾丸」(4月16日公開)
青山剛昌の人気コミックをアニメ化した大ヒットシリーズ「名探偵コナン」の劇場版24作目。世界最大のスポーツの祭典「WSG」と、世界初の「真空超伝導リニア」の開発という2つのキーワードを軸に、前代未聞の事件に挑む江戸川コナンの活躍を描く。FBI捜査官・赤井秀一が、シリーズ20作目「純黒の悪夢」以来に劇場版に登場。さらに、赤井の弟でプロ棋士の羽田秀吉、女子高生探偵の妹・世良真純、3人の母親で“領域外の妹”と名乗る謎の女性メアリーも登場し、“赤井ファミリー”が集結する。
4年に一度開かれる世界最大のスポーツの祭典「WSG ワールド・スポーツ・ゲームス」が東京で開催され、その開会式にあわせ、最高時速1000キロを誇る世界初の「真空超電導リニア」を開発することが発表された。しかし、世界の注目を集める中、名だたる大会スポンサーが集うパーティ会場で突如事件が発生し、企業のトップが次々と拉致されてしまう。そして、その裏には事件を監視する赤井秀一と、彼の指令を待つFBIの姿があった。江戸川コナンは、今回の事件と、15年前にアメリカのボストンで起きた「WSG連続拉致事件」との関連性を疑うが……。
「戦場のメリークリスマス 4K修復版」(4月16日公開)
大島渚監督が、第2次世界大戦中のジャワの日本軍捕虜収容所を舞台に、極限状況に置かれた人間たちの相克を描いた異色のヒューマンドラマ。日本軍のエリート士官ヨノイと連合軍捕虜セリアズ少佐の愛情めいた関係を中心に、日本軍人と西洋人捕虜との関係が興味深く描かれる。デビッド・ボウイ、坂本龍一、ビートたけしといった国内外の異色スターたちが共演。坂本の音楽も高い評価を獲得し、テーマ曲「Merry Christmas Mr. Lawrence」は誰もが知る名曲となった。デジタル素材に修復した「4K修復版」でリバイバル公開。
「AVA/エヴァ」(4月16日公開) (PG12)
「ゼロ・ダーク・サーティ」「女神の見えざる手」のジェシカ・チャステインが組織に刃向かう暗殺者を演じたアクション。
完璧な容姿と知性、圧倒的な戦闘能力を持つ暗殺者エヴァ。彼女は完璧に任務をこなしながらも常に「なぜ標的たちは殺されるのだろうか」と自問自答を繰り返していた。ある日、エヴァは極秘の潜入任務に臨むが、組織から事前に与えられていた情報の誤りから、エヴァの正体に気づいた敵との銃撃戦へと突入してしまう。なんとか生き延びたエヴァは、自分を陥れようとしている存在を疑い、次第に組織に対して激しい不信感を抱くようになる。組織にとって危険因子となった彼女を始末しようとする殺し屋サイモンの魔の手がエヴァに迫っていた。
エヴァ役をジェシカ・チャステインが演じるほか、ジョン・マルコビッチ、コリン・ファレルらが脇を固める。監督は、チャステインがアカデミー助演女優賞にノミネートされた「ヘルプ 心がつなぐストーリー」のテイト・テイラー。
「約束の宇宙」(4月16日公開)
「007 カジノ・ロワイヤル」「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」のエヴァ・グリーンが主演を務め、シングルマザーの宇宙飛行士と幼い娘の愛と絆を描いたドラマ。
欧州宇宙機関(ESA)で日々訓練に励むフランス人宇宙飛行士サラ。物理学者の夫と離婚し7歳の娘ステラと2人で暮らす彼女は、「Proxima(プロキシマ)」と名付けられたミッションのクルーに選ばれる。長年の夢が実現し喜ぶサラだったが、宇宙へ旅立てば娘と約1年もの間、離れ離れになってしまう。過酷な訓練の合間に、サラはステラと「打ち上げ前に一緒にロケットを見る」という約束を交わすが……。
共演に「クラッシュ」のマット・ディロン、「ありがとう、トニ・エルドマン」のサンドラ・フラー。「博士と私の危険な関係」のアリス・ウィンクールが監督・脚本を手がけ、坂本龍一が音楽を担当。
「ガメラ3 邪神覚醒 4K HDR」(4月16日公開)
大映による特撮怪獣映画「大怪獣ガメラ」を復活させた「平成ガメラ」3部作の第3作。「ガメラが人類の敵だったら」というテーマのもと、ガメラとギャオスの戦闘による被害で両親を失った少女を主人公に、人口が密集する大都会に怪獣が出現することによる災害を真正面から描いた。
ガメラとギャオスの戦闘で両親を失ったことでガメラを憎んでいる少女・比良坂綾奈は、ある洞窟で謎の生物を発見し、「イリス」と名付けてかわいがっていた。一方、東京に2匹のギャオスが飛来し、ガメラがこれを撃退するものの甚大な被害が出たことから、政府はギャオス以上にガメラを危険視するようになる。やがて、綾奈のかわいがっていたイリスがギャオスの変異体であることが判明し……。監督は平成ガメラ3部作ですべてでメガホンをとった金子修介。特技監督も同様に前2作から引き続き樋口真嗣が務め、当時の最新技術を駆使し、日常の風景が奪われていく惨事を徹底した描写で描いた。
「ガメラ55周年記念プロジェクト」の一環として、4Dデジタル復元した「4K HDR版」が全国のドルビーシネマで期間限定上映。
『メイズ・ランナー』シリーズなどのディラン・オブライエンが主演を務める、アクションアドベンチャー。モンスターの出現によって荒廃した世界を舞台に、離れ離れになっていた高校時代の恋人と再会しようと旅に出る青年を描く。メガホンを取るのは『ファイブ・ウォリアーズ』などのマイケル・マシューズ。ドラマシリーズ「Marvel アイアン・フィスト」などのジェシカ・ヘンウィック、ドラマシリーズ「ウォーキング・デッド」などのマイケル・ルーカーらが出演する。
「さよなら歌舞伎町」「ここは退屈迎えに来て」の廣木隆一監督が、中村珍の漫画「羣青」を原作に、行き場を失った2人の女性の逃避行を描いたロードムービー。
裕福な家庭に生まれ育ち、何不自由ない生活を送ってきた永澤レイ。自由気ままに生きているように見える彼女だったが、実は同性愛者であることを家族に言えず生きづらさを感じていた。そんな彼女のもとにある日、高校時代に思いを寄せていた篠田七恵から連絡が来る。10年ぶりの再会に喜ぶレイだったが、夫からのDVで全身あざだらけになった七恵の姿に愕然とする。人生に絶望し死を口にする七恵を救うため、レイは彼女の夫を殺害。自分のために殺人を犯したレイに疎ましさと恐ろしさを感じる七恵と、すべてを受け入れるレイ。行くあてのない2人は、一緒に逃避行の旅に出るが……。
レイを「ノルウェイの森」の水原希子、七恵をロックバンド「ゲスの極み乙女。」のドラマーで女優としても活動するさとうほなみが演じる。
4.今回の更新
今週は3回分の記事を同時更新しました。ひとつは「シン・エヴァ」の興収、もうひとつは「モンスターハンター」の日本興収と「ゴジラvsコング」の世界興収について書いております。よろしければご覧ください。
というわけで、今回は以上。閲覧ありがとうございました。