「ゴールデンウィーク」の名称は、映画会社の大映が松竹と競作して1951年(昭和26年)に同時上映となった獅子文六原作の『自由学校』が大映創設以来(当時)最高の売上を記録し、正月映画やお盆映画以上の興行成績を残したことで、映画界でこの時期に多数の動員を生み出すことや活性化を目的として当時の大映常務取締役であった松山英夫によって作成された宣伝用語であり、和製英語である。1952年(昭和27年) - 1953年(昭和28年)頃から一般にも使用されるようになり、他の業界にも広まった。
(Wikipediaより)
元々は映画の宣伝用語だったゴールデンウィーク。今年は平成→令和へと切り替わることが原因で例年より多い10連休となった。
今回は2週分のランキングを振り返りながら、今年のGWを大いに賑やかした4作品の興行を書いて行こうと思う。
- 1.先々週末のランキング
- 2.先週末のランキング
- 3.興行チェック!「名探偵コナン 紺青の拳」
- 4.興行チェック!「キングダム」
- 5.興行チェック!「アベンジャーズ/エンドゲーム」
- 6.興行チェック!「名探偵ピカチュウ」
- 7.今週の注目作
1.先々週末のランキング
それでは、先々週末のランキングを見てみましょう。
1位は初登場「アベンジャーズ/エンドゲーム」。土日2日間で動員62万8000人、興収9億6200万円をあげ、初日から3日間の累計では動員96万人、興収14億円を突破。
2位は「名探偵コナン 紺青の拳」。土日2日間で動員46万8000人、興収6億1800万円をあげ、累計では早くも動員361万人、興収47億円を突破。
3位は「キングダム」。土日2日間で動員29万6000人、興収4億1100万円をあげ、累計では動員121万人、興収16億円を突破した。
4位は「映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン−失われたひろし−」。土日2日間で動員17万3000人、興収2億900万円をあげた。
5位は「シャザム!」。
6位は「翔んで埼玉」。累計では動員270万人を突破、興収は間もなく35億円を超える。
7位は初登場「東映まんがまつり」。
8位は「劇場版 響け!ユーフォニアム−誓いのフィナーレ−」。
10位は初登場「バースデー・ワンダーランド」。5月6日までの11日間の累計で動員11万人、興収1億3000万円を突破した。
2.先週末のランキング
それでは、先週末のランキングを見てみましょう。
1位は「名探偵コナン 紺青の拳」。土日2日間で動員44万8000人、興収5億8700万円をあげ首位に返り咲き。累計では6日までで動員591万人、興収75億円を突破している。
2位は「アベンジャーズ/エンドゲーム」。土日2日間で動員35万4000人、興収5億3300万円をあげ、累計では早くも動員279万人、興収40億円を突破し、MCU最高成績に。
3位は初登場「名探偵ピカチュウ」。土日2日間で動員31万7000人、興収4億5700万円をあげ、初日から4日間の累計では動員67万6000人、興収9億4800万円をあげた。
4位は「キングダム」。土日2日間で動員31万3000人、興収4億3600万円をあげ、累計では動員267万人、興収35億円を突破した。
5位は「映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン−失われたひろし−」。土日2日間で動員15万8000人、興収1億9200万円をあげ、累計では動員140万人、興収16億円を突破している。
6位は初登場「映画 賭ケグルイ」。 初日からの4日間の累計で動員12万人、興収1億5000万円を突破。
7位は「シャザム!」。累計では動員47万人、興収6億3000万円を突破した。
8位は「翔んで埼玉」。累計興収は36億円を突破。
9位は初登場「KING OF PRISM −Shiny Seven Stars− IV ルヰ×シン×Unknown」。
10位は「映画ドラえもん のび太の月面探査記」。累計では動員431万人、興収49億円を突破した。
「ルパンレンジャーVSパトレンジャーVSキュウレンジャー」は惜しくも11位のスタートとなった。
3.興行チェック!「名探偵コナン 紺青の拳」
やはりGW映画No.1は名探偵コナンになるようだ。
既に動員591万人、興収75億円を突破している。単純計算で1日3億を稼いでる計算となる。
前後はあるかもしれないが、10連休を使って、80億近くまで迫ってくるとは思わなかった。
こちらは「ゼロの執行人」と「紺青の拳」を比較した週末興収と週ごとに発表された累計興収を比較したグラフ。
わずかに「紺青の拳」が上回っている。特に第4週の累計興収。10連休が功を奏したか。「ゼロの執行人」の第4週時点の1.2倍の累計興収を稼ぎ出した。
GWも終わり、やや落ち着くかと思うが、5月中までに100億円を超えていてもおかしくはない状態となった。
4.興行チェック!「キングダム」
GWの実写邦画で一番稼いだのは「キングダム」。
累計は動員267万人、興収35億円を突破した。
これは昨年の漫画実写映画No.1「銀魂2」の最終興収(37.0億円)に匹敵する数字。
最終興収も40〜50億円が狙えるだろう。
5.興行チェック!「アベンジャーズ/エンドゲーム」
先々週末は1位、先週末は2位と好調を見せたのは「アベンジャーズ/エンドゲーム」。
初週末の土日2日間では動員62万8000人、興収9億6200万円を記録。歴代のMCU作品の中でも最高のオープニングを切った。
さらに、先週末の時点で既に動員279万人、興収40億円を突破しており、これまでのMCU作品の最終興収の最高記録を樹立した(各作品を興収面で振り返れる記事を来週はやる予定)。
これまで描かれてきたストーリーの完結編であり、高評価(ぴあの初日満足度やfilmarksでは歴代最高評価を記録)ということもあり、最終的には50億以上、シリーズの一つの集大成に華を添えれる数字となるのは確実だ。
ここ最近になって、より一層ブームが加速化したといえるMCU(物語として大きなピリオドを打ったのもデカいだろう)。6月のスパイダーマン以降より一層人気となれるよう良い結果を残して欲しいものだ。
ちなみに今週末からは応援上映も実施。こちらもどういう結果になるか注目だ。
6.興行チェック!「名探偵ピカチュウ」
先週末初登場3位はポケモン初のハリウッド映画がランクイン。
こちらはポケモン映画の2005年以降の成績。「名探偵ピカチュウ」は昨年の「みんなの物語」のオープニング成績を下回る結果に。
最終興収は20〜30億あたりだろうか?
「名探偵ピカチュウ」は大人の客も多く、本編終了後には「ミュウツーの逆襲 EVORUTION」の映像が見られる。
そのため、今作を観て、夏のポケモン映画や今年発売予定の「ポケットモンスター ソード/シールド」の鑑賞や購入をする人が出てくる可能性は充分にあり得る。
今作が成功するかは興収だけではなく、今後のポケモン展開にも関わってきそうな気がする。
7.今週の注目作
「甲鉄城のカバネ海門決戦」(5月10日公開) (PG12)
2016年4~6月に放送されたオリジナルアニメ「甲鉄城のカバネリ」の新作となる中編作品。近世から近代へと移り変わろうとしていた頃の極東の島国・日ノ本(ひのもと)を舞台に、「カバネ」と呼ばれる不死の怪物たちを相手に生き残りをかけて戦う人々の姿を描く。
分厚い装甲に覆われた蒸気機関車、通称「駿城(はやじろ)」のひとつである「甲鉄城」に乗り、熾烈な戦いを潜り抜けてきた生駒たちは、人間とカバネの新たな攻防の地である海沿いの廃坑駅「海門(うなと)」へやってくる。生駒たちは現地の人々と「連合軍」を結成し、カバネ撃退の策を立てるが、海門の地にはある秘密が隠されていた。
監督・脚本はテレビシリーズも手がけた「進撃の巨人」の荒木哲郎。キャラクター原案の美樹本晴彦、音楽の澤野弘之らおなじみのスタッフが再結集。
「ラ・ヨローナ〜泣く女〜」(5月10日公開)
中南米に古くから伝わる怪談「ラ・ヨローナ」を題材に、「死霊館」シリーズのジェームズ・ワン製作で描くホラー。
愛する夫に浮気をされ、嫉妬に狂った結果、夫が世界で一番愛する我が子を溺死させてしまった女、ヨローナ。そのことを後悔し、嘆き苦しんだ彼女は自ら川に身を投げた。呪いとなってこの世をさまようヨローナは、子どもたちをさらっていく。1970年代のロサンゼルス。ソーシャルワーカーのアンナは子どもたちが危険にさらされているという、ある母親からの助けを無視してしまうが、それは泣き声を聞いた子どもが必ず連れ去られてしまうヨローナの呪いだった。そして、ヨローナが次のターゲットとして狙いを定めたのは、
アンナの2人の子どもたちだった。「グリーンブック」「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」のリンダ・カーデリニがアンナ役を演じる。監督は「死霊館」第3弾でメガホンをとる新鋭マイケル・チャベス。
「チア男子!!」(5月10日公開)
「桐島、部活やめるってよ」「何者」で知られる直木賞作家の朝井リョウが実在する男子チアチームをモデルにし、アニメや舞台にもなった同名小説を横浜流星と中尾暢樹の主演で実写映画化。
柔道一家に生まれながら、やさしすぎる性格から強くなれずにいた晴希は、試合で肩を負傷してしまう。晴希が柔道を続けるべきか迷っていると、柔道仲間で無二の親友である一馬が「やりたいことがある」と、突然柔道をやめると宣言する。一馬が晴希と一緒にやりたいこと、それは男子チアリーディング部の創設だった。些細なことから大ケガにつながってしまうため「仲間を信頼すること」というチアの基本を守りながら、男子チア部「BREAKERS」は練習に打ち込んでいた。しかし、メンバー間の歯車が徐々におかしくなり、やがて決定的ともいえる亀裂を生んでしまう。
晴希役を横浜、一馬役を中尾が、「BREAKERS」のメンバーを浅香航大、瀬戸利樹、岩谷翔吾、菅原健、小平大智が演じる。
「オーヴァーロード」(5月10日公開) (R15+)
「スター・ウォーズ」「ミッション:インポッシブル」シリーズなど数々の話題作を手がけるヒットメイカーのJ・J・エイブラムスがプロデューサーを務めたサバイバルアクション。
第2次世界大戦時、ナチス占領下のフランスの小さな村を舞台に、思わぬ敵と戦うはめになった米軍兵士の姿を描いた。第2次世界大戦下の1944年6月。ノルマンディー上陸作戦が開始された直後、ナチス占領下のフランスに、侵攻作戦の成功を担う重要な使命を帯びた米軍の落下傘部隊が送り込まれる。激戦を潜り抜けて経て生き残った兵士たちは、ナチスの要塞となった教会の塔に潜り込むが、地下にある謎めいた研究所でこれまで誰も見たことのない敵と遭遇する。
監督は「ガンズ&ゴールド」のジュリアス・エイバリー。
「轢き逃げ 最高の最悪な日」(5月10日公開)
「相棒」シリーズでおなじみの俳優・水谷豊の長編映画監督第2作。水谷による完全オリジナル脚本で、ひき逃げ事件の加害者、被害者の両親、事件を追う刑事たちの人生が複雑に絡み合い、彼らが心の奥底に抱える何かを浮き彫りにしていくさまを描き出す。
ある地方都市でひき逃げ事件が起こり、ひとりの女性が命を落とす。車を運転していた青年・宗方秀一と、助手席に乗っていた親友の森田輝は、秀一の結婚式の打合せに急いでいたのだった。被害者の両親である時山光央と千鶴子は悲しみに暮れ、ベテラン刑事の柳公三郎と新米刑事の前田俊が事件の捜査にあたる。
監督の水谷はひき逃げで命を落とした女性の父・光央も演じる。事件の加害者となる秀一役は特撮ドラマ「牙狼 GARO 魔戒ノ花」の中山麻聖、親友の輝役を「カナリア」は石田法嗣。そのほか小林涼子、毎熊克哉、檀ふみ、岸部一徳らが出演。
「ホワイト・クロウ 伝説のダンサー」(5月10日公開)
「ハリー・ポッター」シリーズや「シンドラーのリスト」「グランド・ブタペスト・ホテル」で知られる名優レイフ・ファインズの監督作で、ソ連から亡命し、世界3大バレエ団で活躍した伝説的なダンサー、ルドルフ・ヌレエフの半生を描いた。
1961年、若きダンサーのルドルフ・ヌレエフは、海外公演のため生まれて初めて祖国ソ連を出る。フランスにやってきたヌレエフは、パリでの生活や文化・芸術に魅せられていくが、その行動はKGBに監視されていた。やがてフランス人女性クララ・サンとも親しくなったヌレエフだったが、それによってますます疑惑を深めるソ連政府から信じがたい要求を突きつけられる。やがて他の団員たちはロンドンへと旅立つが、ひとりパリに残ったヌレエフは、ある決断を下す。
主演はオーディションで抜てきされた現役ダンサーのオレグ・イベンコ。共演に「アデル、ブルーは熱い色」のアデル・エグザルホプロスと、バレエ界の異端児と呼ばれるダンサーのセルゲイ・ポルーニン。脚本は「めぐりあう時間たち」「愛を読むひと」のデビッド・ヘア。2018年・第31回東京国際映画祭で最優秀芸術貢献賞受賞。
「RBG 最強の85才」(5月10日公開)
85歳で現役の最高裁判所判事としてアメリカで広く知られる女性ルース・ベイダー・ギンズバーグ(通称・RBG)に迫ったドキュメンタリー。
アメリカでは関連本が何冊も出版され、Tシャツやマグカップといったグッズまで作られるほどの知名度と人気を誇る、RBGことルース・ベイダー・ギンズバーグ。85歳で現役の最高裁判所判事として活躍する彼女は1993年、ビル・クリントン大統領政権下でアメリカ最高裁判事に任命される。女性やマイノリティへの差別撤廃に緩やかに寄与していった彼女の判例の数々や、ニューヨークのユダヤ系の家に生まれ、苦学の末に最高裁判事まで上り詰めていったキャリア、そして、それを支える信念や愛情を、女性監督のベッツィ・ウェスト&ジュリー・コーエンがカメラに収めた。
というわけで、今週は以上。閲覧ありがとうございました。