Takaのエンタメ街道

一生を映画に捧ぐと決めたTakaが主に映画・テレビ・音楽について書くブログです。

<週刊興行批評>「ONE PIECE STAMPEDE」と「ライオン・キング」が初登場で1,2フィニッシュ!

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今週は初登場した「ONE PIECE STAMPEDE」、「ライオン・キング」の興行を見ていきます。

 

 

1.先週末のランキング

まずは、先週末のランキングを見てみましょう。

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1位は初登場ONE PIECE STAMPEDE」。 土日2日間で動員59万8000人、興収8億600万円をあげ、初日から12日までの4日間の累計では、動員125万人、興収16億円を突破している。

2位は初登場ライオン・キング」。土日2日間で動員49万7000人、興収7億2800万円をあげ、初日からの累計では動員98万4000人、興収14億500万円をあげるヒットスタートを切った。

3位は「天気の子」。土日2日間で動員46万8000人、興収6億4500万円をあげ、累計では動員584万人、興収78億円を超え、歴代興収72位を記録。

4位は「トイ・ストーリー4」。土日2日間で動員25万6000人、興収3億3300万円をあげ、累計で動員604万人、興収78億円を突破し、歴代興収は「天気の子」に次ぐ73位となっている。

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5位は「ワイルド・スピード/スーパーコンボ」。土日2日間で動員19万8000人、興収2億9200万円をあげ、累計では間もなく動員140万人、興収17億円に達する。

6位は「ペット2」。累計で動員100万人、興収12億円を突破。

7位は「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」。累計で動員65万人、興収9億400万円を突破。

8位は「アルキメデスの大戦」。 累計で動員99万人、興収12億円を突破。

9位は「ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」。累計で動員194万人、興収23億円を突破。

10位は「仮面ライダージオウ Over Quartzer/騎士竜戦隊リュウソウジャー THE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!!」。

 

2.「トイ・ストーリー4」と「天気の子」の行方は?

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今週の初登場作品を見ていく前に今年の夏休み映画で最も引っ張っている「トイ・ストーリー4」と「天気の子」について分析したい。

今週末までに「トイ・ストーリー4」が78.6億円に対して、「天気の子」が78.9億円と僅かに上回っている。

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まずはこの2つの作品のこれまでの興行を見ていこう。1週早く公開された「トイ・ストーリー4」がオープニング成績が上だが、2週目以降の週末成績では「天気の子」が上回っている。今後、この差がどこまで開いていくのだろうか。
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つづいて、「天気の子」と新海誠監督の前作「君の名は。」の成績を比較してみよう。「君の名は。」は2週目でピークを迎え、高稼働をしているため、4週目の時点で100億直前のところを迎えている。「天気の子」が夏休みの最初に公開されたのに対し、「君の名は。」が夏休みの最後に公開されてこのような成績を叩き出してることを考えると改めて凄い作品だ。
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トイ・ストーリー4」は最近メガヒットした同じディズニー映画の「アラジン」と比較してみよう。

こちらもオープニング成績は「トイ・ストーリー4」が上だが、2週目以降の週末では「アラジン」のほうが上回っており、累計興収も5週目時点で「アラジン」が上回っているという結果となった。

トイ・ストーリー4」、「天気の子」ともに100億を上回ることは確実だが、そこからどこまでヒットするかは非常に興味深い内容なので、来週以降もやっていこうと思う。

 

3.興行チェック!「ONE PIECE STAMPEDE」

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今週初登場1位になったのは「ONE PIECE STAMPEDE」。アニメ化20周年を記念して、原作者の尾田栄一郎監修による世界中の海賊が集う「海賊万博」を舞台にしたオリジナルストーリーが展開される。

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ここ10年のワンピース映画で比べてみたが、前作「ONE PIECE FILM GOLD」を下回るスタートとなった。

同じくジャンプ原作のアニメ映画で昨年冬に公開された「ドラゴンボール超 ブロリー」(63万9000人・8億1300万円、最終興収:38.9億円)とほぼ同じスタートダッシュを切ったことから最終興収は30〜40億あたりで落ち着きそうだ。

 

4.興行チェック!「ライオン・キング

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初登場2位となったのは実写版「ライオン・キング」。賀来賢人らが務めた吹替版やCGで描かれた動物たちの描写から日本では"超実写版"と宣伝されている一作だ。

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何より今年はディズニーが例年以上に大ヒットを連発しており、「ライオン・キング」も50万人近くを動員し、7億円を超える稼ぎを記録した。

ちなみに同じチームで作られた2016年の「ジャングル・ブック」(20万人、3億214万円)は最終興収が22.1億円となっており、「ライオン・キング」は30〜40億近い稼ぎが予想される。

今年、ディズニーは「マレフィセント」やアナ雪、SWの続編とまだまだ稼ぎ頭が控えており、日本でどれだけ稼ぐのかにも注目したいところだ。

 

5.今週の注目作

永遠に僕のもの」(8月16日公開) (R15+)

1971年のアルゼンチンで12人以上を殺害した連続殺人事件の犯人である少年をモデルに、スペインの名匠ペドロ・アルモドバルが製作を務めて描いたクライムドラマ。

1971年のブエノスアイレス。思春期を迎えたカルリートスは、子どもの頃から他人が持っている物を無性に欲しがる性格だった自分の天職が、窃盗であることに気づいてしまう。新しく入った学校で出会ったラモンという青年にたちまち魅了されたカルリートスは、ラモンの気をひくためにこれ見よがしな対応を取り、2人はいとも簡単に殺人を犯してしまう。次第にカルリートスとラモンの蛮行はエスカレートし、事態は連続殺人へと発展していく。

本作が映画デビューとなる俳優ロレンソ・フェロが主人公カルリートスを演じる。

ダンスウィズミー」(8月16日公開)

スウィングガールズ」「ハッピーフライト」の矢口史靖が監督・脚本を手がけたミュージカルコメディ。

一流商社で働く勝ち組OLで、幼いころの苦い思い出からミュージカルを毛嫌いする鈴木静香は、ある日、姪っ子と訪れた遊園地で怪しげな催眠術師のショーを見学し、そこで「曲が流れると歌って踊らずにいられない」という“ミュージカルスターの催眠術”にかかってしまう。その日から、静香は街中に流れるちょっとしたメロディや携帯の着信音など、あらゆる音楽に反応するように。術を解いてもらおうと再び催眠術師のもとを訪れた静香だったが、そこは既にもぬけの殻。困り果てた彼女は、催眠術師の助手をしていた千絵とともに、催眠術師の行方を捜すが……。

グッモーエビアン!」の三吉彩花が主演を務め、ミュージカルシーンの全ての歌とダンスを吹き替えなしで演じる。共演には、お笑い芸人のやしろ優、シンガーソングライターでモデルのchay、「怒り」の三浦貴大、「銀魂」のムロツヨシ、ベテラン俳優の宝田明ら個性豊かなキャストが集結。

HOT SUMMER NIGHTS/ホット・サマー・ナイツ」(8月16日公開) (PG12)

君の名前で僕を呼んで」や「ビューティフル・ボーイ」で一躍世界から注目を集めるティモシー・シャラメが主演を務めた青春映画。

1991年、最愛の父を亡くしたショックから立ち直ることができないダニエル・ミドルトンは、夏を叔母の家で過ごすため、美しい海辺の小さな町ケープコッドにやって来る。周囲の人たちとなじむことができないダニエルは、複雑な家庭の事情を抱え、地元ではワルで有名なハンター・ストロベリーとつるむようになる。町で1番の美女と称される妹のマッケイラを守ることには命をかけていたハンターからの「妹には近寄るな」との言葉に怯えながらも、ダニエルはマッケイラと秘密のデートを重ねていく。マッケイラと過ごすひとときはダニエルが自分を解放できるかけがえのない時間だった。

シャラメのほか、「イット・フォローズ」のマイカ・モンロー、「ザ・リング リバース」アレックス・ロー若手俳優陣が顔をそろえる。監督は本作が長編デビュー作となるイライジャ・バイナム。

イソップの思うツボ」(8月16日公開)

カメラを止めるな!」の上田慎一郎監督を中心とした製作スタッフが再結集し、再び予測不能な物語を紡ぎだしたオリジナル作品。上田監督と「カメ止め」助監督の中泉裕矢、スチール担当の浅沼直也が3人で共同監督・脚本を務めた。

カメだけが友達の内気な女子大生・亀田美羽、大人気タレント家族の娘である恋愛体質の兎草早織、父と2人で復讐代行業を営む戌井小柚。ウサギとカメ、イヌの名前を持つ3人は、有名童話さながらの奇想天外な騙し合いを繰り広げるが……。

舞台やテレビ、ミュージックビデオで活躍する石川瑠華が美羽、「4月の君、スピカ。」の井桁弘恵が早織、「光」「アイスと雨音」の紅甘が小柚をそれぞれ演じ、「恋に至る病」の斉藤陽一郎、「愛のむきだし」の渡辺真起子、「らせん」の佐伯日菜子らが脇を固める。

命みじかし、恋せよ乙女」(8月16日公開)

2018年9月に他界した樹木希林が初めて出演した海外製作作品で、女優として最後の出演作となったドイツ映画。桃井かおり出演の「フクシナ・モナムール」など、これまでにも日本を舞台にした作品を手がけてきたドイツ出身のドーリス・デリエ監督が、孤独なドイツ人男性と、男の父親と親交のあった日本人女性が、人生を取り戻すためにともに旅する姿を描いた。

ミュンヘンに暮らすカールは、酒に溺れて仕事を失い、妻は子を連れて家を出てしまう。孤独に苦しむ彼のもとに、ある日、ユウという日本人女性が訪れてくる。ユウは10年前に東京を訪れていたカールの父ルディと親交があり、ルディの墓と生前の家を見に来たのだという。最初はしぶしぶユウに付き合っていたカールだったが、次第に彼女に惹かれていき、今度はユウの祖母に会うため日本へ向かうが……。

2人が訪れる茅ヶ崎の老舗旅館「茅ヶ崎館」の女将を樹木が演じている。

感染家族」(8月16日公開)

崖っぷちに立たされた一家がゾンビを使って金儲けを始めたことから、田舎町でパンデミックが巻き起こるさまを描いた新感覚のサバイバルパニック。

田舎の寂れたガソリンスタンドで、定職もなく、その日暮らしを送っているパク一家。そんな彼らの前にある日、ゾンビが現れる。そして、そのゾンビに噛まれた父親マンドクが若返ったのを見た一家は、そのゾンビを利用して金儲けに乗り出す。若返りを求めてやってくる人々は日に日に増え、稼いだお金でガソリンスタンドを再建することにも成功した一家だったが、ゾンビに噛まれて若返りを果たした人々に思わぬ副作用が表れはじめ……。

殺人者の記憶法」のキム・ナムギルをはじめ、「さまよう刃」のチョン・ジェヨン、「ソウォン 願い」のオム・ジウォンら豪華キャストが集った。

 

というわけで、今週は以上。閲覧ありがとうございました。

<週刊興行批評>「ワイスピ」スピンオフ&山崎貴監督作「アルキメデス」、「ドラクエ」が2週連続で初登場!

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今週は初登場した「ワイルド・スピード/スーパーコンボ」、「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」と先週から公開されている「アルキメデスの大戦」の興行を見ていきます。

 

 

1.先週末のランキング

まずは、先週末のランキングを見てみましょう。

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1位は「天気の子」。 動員50万5000人、興収7億1800万円をあげ、累計では動員433万人、興収59億円を突破した。

2位は初登場ワイルド・スピード/スーパーコンボ」。土日2日間で動員33万1000人、興収5億400万円をあげ、初日から3日間の累計では動員47万6000人、興収7億1200万円をあげるヒットスタートを切った。

3位は「トイ・ストーリー4」。土日2日間で動員30万5000人、興収4億1000万円をあげ、累計では動員512万人、興収67億円を突破し、歴代興収98位に。

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4位は初登場ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」。土日2日間で動員21万5000人、興収3億900万円をあげ、初日から3日間で動員31万4700人、興収4億4400万円を突破した。

5位は「アルキメデスの大戦」。累計で動員68万人、興収8億6700万円を突破した。

6位は「ペット2」。累計興収は7億7600万円を突破した。

7位は「仮面ライダージオウ Over Quartzer/騎士竜戦隊リュウソウジャー THE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!!」。累計興収は5億8900万円を突破した。

8位は「ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」。累計で動員166万人、興収20億円を突破した。

9位は「アラジン」。累計興収113億円を突破し、歴代興収23位に。

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10位は「劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム」。公開8週目ながら累計興収12億円を突破とファンの根強い足運びにより大ヒットを果たしている。

 

2.興行チェック!「ワイルド・スピード/スーパーコンボ

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今週初登場2位は「ワイルド・スピード/スーパーコンボ」。ルーク・ホブス(ドウェイン・ジョンソン)とデッカード・ショウ(ジェイソン・ステイサム)を主人公にしたスピンオフ作品だ。

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上は過去シリーズの興収を比較したものだ。「SKY MISSION」や「ICE BREAK」を下回るオープニング成績となったが、30億近くの興行収入を稼ぎ出しそうで、夏休み映画としても充分な売り上げとも言えるだろう。

にしても、日本では初期は10億円にも満たなかったが、今では30億は当たり前になり、洋画のドル箱シリーズにもなっている。継続は力なりとはこのことか?

3.興行チェック!「アルキメデスの大戦」、「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」


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今週、4位には人気RPGゲームを3DCGアニメ化した「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」が初登場。そして、5位には菅田将暉主演で同名マンガを実写化した「アルキメデスの大戦」が2週目のランクインを果たした。どちらも山崎貴監督作品であり、2週連続で同じ監督の新作が公開されることは滅多にないだろう。

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上は近年の山崎貴監督の興収を比較したもの。アルキメデス」については15〜20億あたり、「ドラクエ」も20〜30億程度のヒットは見込めるが、ネット上の評価がドラクエに関しては良いとは言えずネタ状態と化しているため、2週目以降の動向次第では変わってくるかもしれない。

永遠の0」に続き戦争を描いた「アルキメデスの大戦」、「STAND BY ME ドラえもん」のチームで作られた「ドラクエ」や12月に公開される「ルパン三世 THE FIRST」と今年だけで3本も作品が公開される山崎貴監督。来年の東京オリンピックパラリンピックの開閉会式の演出を任されるなど評価はあるにしても、日本映画のヒットメーカーの一人であるということは確かだろう。

 

4.今週の注目作

BRING THE SOUL: THE MOVIE」(8月7日公開)

グローバルに活躍している韓国の7人組ヒップホップグループ「BTS防弾少年団)」のドキュメンタリー第2弾。

2018年、ソウルを皮切りにヨーロッパなどの各都市を巡った「BTS WORLD TOUR“LOVE YOURSELF”」のツアー最終日翌日にパリで開かれた、ささやかな打ち上げの席でのメンバーの会話から、ツアーを振り返っていく。スポットライトが消えた後のメンバーの素顔や、数多くのステージを経験し、さまざまな都市を巡るなかで培われていった彼らの思いなどが明らかにされる。

ライオン・キング」(8月9日公開)

アフリカの雄大な自然を背景にライオンの王子シンバの成長と冒険を描いたディズニー・アニメの名作「ライオン・キング」を、「ジャングル・ブック」のジョン・ファブロー監督が、フルCGで新たに映画化。

アフリカの広大なサバンナで、動物たちの王であるライオンのムファサの子として生まれたシンバは、いつか父のような偉大な王になることを夢見ながら成長していく。しかし、ある時、王位を狙う叔父スカーの策略によって父の命を奪われ、シンバ自身もサバンナを追われてしまう。やがてたどりついた緑豊かなジャングルで、イボイノシシのプンバァとミーアキャットのティモンといった新たな仲間との出会いを得たシンバは、過去を忘れて穏やかに時を過ごしていく。一方、スカーが支配するサバンナは次第に荒れ果て、存続の危機が迫っていた。

シンバの声を、グラミー賞を受賞したラッパーとしても活躍するドナルド・グローバーが担当し、ジンバの幼なじみナラ役をビヨンセが担当。2人が新たに歌唱に参加した、エルトン・ジョンによる「愛を感じて」ほか、「サークル・オブ・ライフ」「ハクナ・マタタ」など名曲の数々がスクリーンを彩る。

ONE PIECE STAMPEDE」(8月9日公開)

原作コミック、アニメともに絶大な人気を誇る「ONE PIECE」の3年ぶりとなる劇場版。アニメ化20周年を記念して製作され、原作者の尾田栄一郎監修の下、世界中から海賊が集う「海賊万博」を舞台にしたオリジナルストーリーが展開する。

海賊の海賊による海賊のための祭典「海賊万博」に招待されたルフィたち麦わら一味。会場には世界中から海賊が群がり、万博の目玉である「海賊王(ロジャー)の遺した宝探し」で、お宝争奪戦が繰り広げられる。しかし、その盛り上がりの裏には、万博の主催者であり別名「最悪の戦争仕掛け人」と呼ばれるブエナ・フェスタの企みがあった。そして、お宝争奪戦が熱を帯びる中、元ロジャー海賊団「“鬼”の跡目」と呼ばれた男ダグラス・バレットが乱入し、ルフィたちの前に立ちふさがる。

ゲスト声優はユースケ・サンタマリア指原莉乃山里亮太南海キャンディーズ)。

カーライル ニューヨークが恋したホテル」(8月9日公開)

米ニューヨークにある伝説の5つ星ホテルの魅力に迫るドキュメンタリー。

マンハッタンで1930年に創業し、1泊200万円もするスイートルームを擁する超高級ホテル「ザ・カーライル ア ローズウッド ホテル」。世界中のセレブたちに愛され、スターたちがさまざまな逸話を残してきたことから、ニューヨーク・タイムズはこのホテルを「秘密の宮殿」と呼んだ。数ある上等なホテルの中、英国王室や歴代米大統領、映画スター、ミュージシャン、アスリートといったセレブたちはなぜカーライルを選ぶのか。本作ではジョージ・クルーニーソフィア・コッポラらカーライルを愛する総勢38人のスター、そしておもてなしの心意気を忘れない個性的なホテルスタッフの証言から、「まるで我が家のよう」とセレブたちが絶賛するカーライルの魅力をひも解いていく。

監督は「ニューヨーク・バーグドルフ 魔法のデパート」などでセレブの素顔を見事に引き出してきたマシュー・ミーレー

ゴーストランドの惨劇」(8月9日公開) (R15+)

マーターズ」の鬼才パスカル・ロジェが6年ぶりにメガホンをとり、絶望的な惨劇に巻き込まれた姉妹の運命を、全編に伏線と罠を張り巡らせながら描いたホラー。

人里離れた叔母の家を相続し、そこへ移り住むことになったシングルマザーのポリーンと双子の娘。奔放で現代的な姉ベラとラブクラフトを崇拝する内向的な妹ベスは、双子でありながら正反対の性格だった。新居へ越してきた日の夜、2人の暴漢が家に押し入ってくる。母は娘たちを守るため必死に反撃し、姉妹の目の前で暴漢たちをメッタ刺しにしてしまう。事件から16年後、ベスは小説家として成功したが、ベラは精神を病んで現在もあの家で母と暮らしていた。久々に実家に帰って来たベスに対し、地下室に閉じこもるベラは衝撃の言葉をつぶやく。

出演はテレビドラマ「ティーン・ウルフ」のクリスタル・リード、「ブリムストーン」のエミリア・ジョーンズ。

ピータールー マンチェスターの悲劇」(8月9日公開)

「秘密と嘘」「ヴェラ・ドレイク」などで知られるイギリスの名匠マイク・リーが、19世紀初頭のイギリスで起きた事件「ピータールーの虐殺」を映画化。

1819年、ナポレオン戦争後で困窮のさなかにあるマンチェスター。深刻化する貧困問題の改善を訴え、政治的改革を求める民衆6万人がセント・ピーターズ・フィールド広場に集まった。鎮圧のため派遣された政府の騎馬隊は、非武装の群衆の中へ突入していく。多くの死傷者を出し、イギリスの民主主義において大きな転機となったこの事件の全貌を、リー監督が自ら執筆した脚本をもとにリアルに描き出す。

出演は「007 スペクター」のロリー・キニア、「博士と彼女のセオリー」のマキシン・ピーク。

 

というわけで、今週は以上。閲覧ありがとうございました。

あいちトリエンナーレに行ってきたという話

最近は映画の興行収入のことしか話してない当ブログですが、久々にTwitterだけでは留められない話題を見つけたので書きます。

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にしても、今住んでいる愛知県がえらい騒ぎになってしまっている。

というのも、現在開催されている「あいちトリエンナーレ」に置かれている一部の展示について議論が巻き起こっているのだ。

それは「表現の不自由展・その後」という企画でのこと。特に慰安婦をテーマにした「平和の少女像」と昭和天皇(と推定される)の肖像を燃やす「焼かれるべき絵」、昭和天皇を燃やす映像(「遠近を抱えて」が収録された図録が焼却された「富山県立近代美術館事件」を元に燃やした映像)を挿入した「遠近を抱えて Partll」が大きく議論を起こしている。

こうした議論が起こる中で、名古屋市市長の河村たかしさんは「少女像」の展示中止を要求するなど政治問題へと発展している。

この問題を自分も認識して、不快にならなかったかといえば不快にはなってしまったのだが、果たしてその表現を潰せばいい話になるのか。いかさか疑問に感じました。

ということでせっかくなら、行って確かめてみようじゃないかというわけで(いつかは行こうとはしてたけど)、早速行ってまいりました。

もちろん、「表現の不自由展」だけではなく、様々な展示がされていたので、今回は個人的に興味深かった展示にも触れながら、語っていきたいと思います。

 

 

1.あいちトリエンナーレ2019で興味深かった展示たち

「表現の不自由展」ばかりが取り上げられて、それだけでもう行かないという選択を挙げた方々もいらっしゃって、その方々を否定するつもりはありませんが、もったいないなと。せっかくこうして書く以上、「表現の不自由展」ばかりを考えるのではなく、興味深かった展示についても取り上げていこうと思います。

今回は私的な都合上、愛知文化芸術センターしか回ることができませんでしたが、他にも名古屋市美術館(ホドロフスキーは見たかった…)や四間道・円頓寺豊田市美術館といった会場でも開催されてたりします。

まず、入るとステージの幕と言われる音楽バンドのTシャツを縫い合わせたものが目に入ってきました。

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今回、初めてこういう芸術イベント(地元民なのに初トリエンナーレ)を見にきたのでこういう展示がたくさんあるのかなと期待感を煽るのには良い起爆剤になったと個人的に感じながらチケットカウンターへ。

料金は1DAYパスなら、大人1600円、大学生1200円、高校生600円で1日中ならこの料金で全部回ることができます。複数日ならフリーパスといったものもあり。あと、manacaTOICAを提示すると100円割引されるといったこともありますよ。

さあ、いよいよ中へ。ここからは興味深かった展示をいくつか紹介していきます。芸術文化センターの10階から見てきた順に紹介します。

1.「The Kiss

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まず、中へ入り目に飛び込んでくるのは2つのスマホ型のでかいモニターが重なり、映し出されているのは目を閉じた人の顔。重なる部分が口になっているため、まるでキスをしているこのアート。初っ端からこんなアイデアを思いつくなんて…と驚かされました。

2.「60分間の笑顔

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スーツを着た立派な大人たちが60分間笑いながら僕たちを見つめ続けるというこの作品。生身の人間なので、ずっと同じ所作が出来るわけでもなく動いちゃったり、60分間笑顔で居続けるということはそれは作られた笑顔になる人もいたりと面白かったし、見ているこっちも自然にニコッとなってしまった。

3.「孤独のボキャブラリー

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「60分間の笑顔」を抜けた先に待ち受けるは45体のピエロ。まるで本当に生きてるみたいで少しゾッとしたりしたんですが、様々なポーズをしたピエロの彫刻たちは面白いし、僕を含め皆さん、スマホ片手にいかにそのピエロを上手に撮るかといったことをしていて、面白かった。たぶん、一番印象に残るのはこれだと思う。

4.「Function Composition」「Semantic Segmentation」Translation Zone

「レシピに著作権はない」という言葉に惹かれ、長い時間、映像を見てしまった作品。料理のレシピには著作権がないこと、レシピサイトにはそのレシピの成り立ちについて書かれてるとか、今、日本にはレシピサイトというものが溢れてる中でこういうのやるのは興味深かった。

5.「環世界とプログラムのための肖像」Decoy-walking

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現実世界と監視社会としての仮想世界を歩行という表現で訴えてくるわけだが、どうやら自分が来た前日にパフォーマンスをしたらしく、それはそれで見たかった…

6.「抽象・家族

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絵、映像、文、セットというものを使って家族を表現した作品。

映像は長かったので全部は見れてませんが、3ヶ所あっても語られ方が異なってたり、家族のルーツでは祖先に韓国人がいるという話をしてたり、普通なら自分に関係のない事柄でもこうして切り取ることで見えてくる共有という形。興味深かった…

7.「ラストワーズ/タイプトレース

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様々な人が10分で書いた遺言を見ることができるコーナー。この試みも面白い。

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真ん中に置かれたiMacは自動でキーボードを打ち続けるのはエモかった。

↓どうやらまだまだ書けるみたいなので、やってみようかな…

8.「Untitled(Static)

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なんともない外の景色にぶら下げられてるスピーカーから聞こえてくる音は頭の中をくすぐらせてくる音。その音が頭をくすぐってくれることでなんともない景色がちょっと違って見えてくるというもの。天気とかでも考えが変わってきそうだな…

9.「その後を、想像する

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もし、お子さんを連れて行く方がいらっしゃるなら、ぜひともここに来ればいいのではないか?と思います。まるで「ピタゴラスイッチ」を彷彿とさせる(と言っても、作った人がピタゴラスイッチに参加してるんだけど。)作りになっていて、想像力掻き立てられます…

10.展望回廊へ行ってみた

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10階の展示を全て回ったところで展望回廊へ。なんかあるのかなと思ってもガラスに説明が書いてるだけで何だろうと思ったら、下を見てみると、これまた面白い…

11.「tsurugi」「peak」

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つづいては、8階へ。まず、最初に目に入るのはこの作品。版画のシルクスクリーンという技法を用いて制作しているらしく、1万回近くも刷り重ねることによって、インクが積み重なり、地層なような表現になるんだそうだ。


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作品に大地、命が宿るとはこのことを言うのかと感じたり、作者のこの努力は普通に尊敬できるレベルだと思っちゃった次第…

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12.「日常演習

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個人的に一番衝撃を受けたのはこの作品。台湾で毎年春先に実施される「萬安演習」という防空演習を捉えたもの。鳴り響くサイレンに誰もいない都市を写すあの映像は虚構ではなく、現実であること。サイレンの残滓とともに残酷なまでに心に響いた。

また、ここの作品にはもう一つあり、「トゥモローランド」という作品なんですが、この言葉を聞いて何かしら引っかかったりしたら、それで合ってますよ。某ランドを彷彿とさせるお城が聳える遊園地が突然爆破をするという作品なのですが、ループしていて終わりがないんです。夢の世界が悪夢のように残酷なまでに壊される。それが直され、また壊される。虚構感は強いけど、どこか現実で起こり得る恐怖を備えているので、なかなか考えさせられた作品でした。個人的にこの作品が一番良かったですね…

13.「チャイルド・ソルジャーf:id:ot20503:20190803042212j:image

こちらは9つの写真とそれらをスライドショーにした2構成になっているのですが、こんな子供なのに兵士として生きているという…これも残酷であり、世界のどこかで今もいるんだということなんですよね…色々と考えさせられます。アートってこういうことが出来るのが素晴らしい。

14.「表現の不自由展・その後

さあ、ここまで回っての例のアレです。これは後で色々書いていきます。

15.「43126

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なんかすげぇメンソール臭いなとここに来るまで感じていたのですが、ここのためだったのですね…特に部屋には何かあるわけではありませんが、メンソールのおかげで涙が出てくるんです。難民の数が書かれてるわけですが、たぶんそれだけ見ても変に感情は動かないかもしれません。涙を出すというアクションを起こすためにこういうアイデアを出してきたのは非常に面白かったです。

 

2.「表現の不自由展・その後」に行ってみた

さあ、お待たせしました。議論に議論を呼んでいる展示物へとやってきました。

なお、SNSから汲み取る情報よりも実際に来て確かめて欲しいという意向なのか、撮影は禁止という注意書きがありましたので、この言葉に従って、ここでは画像は出さずに文章だけで書いて行こうと思います。

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透明なカーテンを潜り抜けるとあるのは右側に議論をされていた映像、左側には肖像が焼かれる絵や日本人ならパッと見ただけですぐに気づける「空気#1」といった作品があって、お客さんでいっぱいなおかげで狭い通路を抜けると目に飛び込んでくるのは「時代の肖像ー絶滅危惧種 idiot JAPONICA 円墳ー」。憲法改憲や秘密保護法の記事が貼ってあったり、近代オリンピック不要論なる文もあったりして、正しく偏った思想の記事を貼り合わせて一つのお家を作り上げてしまうという恐ろしさと世の中の片隅にはこんな人がわんさかいるんだろうなとか考えながら、次に目に飛び込んできたのは「落米のおそれあり」。これがまた風刺が効きすぎていて、これは実際に見ていただくしかないかなと思います。その横には「アルバイト先の香港式中華料理屋の社長から「オレ、中国のもの食わないから。」と言われて頂いた、厨房で働く香港出身のKさんからのお土産のお菓子」という長いタイトルながらこれがダメなんだと思っちゃいましたね…さらに横に行くと「表現の不自由を巡る年表」が。古いものだと「Nice Boat.」でおなじみ「School Days」などの放送中止や「靖国 YASUKUNI」の上映中止、新しいものだと「遊戯王」のキャラを用いたイラスト問題や札幌での安倍首相へのヤジの排除が書かれていたりしてました。一応、年表の下にはアンケートを記入できるコーナーがあり、僕がきた時は抗議の文を書いてるおじさんと巡り会いました。まあ、色々と見てくと居ても立っても居られない人がいるのも分からなくはないなとは思いましたけどね。「これは許せん…」って言ってたおじさんとおばさんもいたし。そして、その年表の後ろにあるのが「平和の少女像」。片隅にちょこんと座っていて、隣の席で一緒に写真を撮れるスペースもあります。初めて見ましたけど、思ったより嫌な思いはしなかったかな…何の感情も浮かばなかった。むしろ、個人的に今回の展示でえっ、これダメなんだと思ったのがChim↑Pomの「気合い100連発」と「耐え難き気合い100連発」。経緯や背景の真偽はあるにせよ、これらと並んで100連発が展示されているのはどこか異質というか違ったこれダメなんだ…は感じました。

ここのコーナーは展示が出来なかった作品たちがどうして展示できなかったのか。を集めたコーナーなので、個人的には俺、これが不快だから潰すわ…という気は起きませんでしたね。確かにこれはダメだわという考えをするのを否定はできないし、かと言って様々な人がいるこの社会で自分と真逆の考えを持つ人がいようとそれを潰したくないとも思います。自分はそういう異なった意見を拾うのは好きな方ですし、なのでこうした世の多数の人は許さないだろうこうした作品と出会えたのはなかなか面白い機会ではありました。なので、そうした表現を潰す気は無いですね。あと、もうひとつ問題なのがこれがトリエンナーレであること。すなわち愛知県が動いていて、文化庁が助成をしているということ。確かにこの手の表現を公的に行なっているのはそれ相応の批判は来るし、その意見は間違いでは無いと思う。県がこれを動かしてるのと自分たちで動かすのでは全然違いますから。でも、それはリアクションの数も違ってくるだろうと僕は思いますし、僕はトリエンナーレでこれをやるには思想の偏りやらありはしますけど、間違いではないと思います。

 

3.最後に

今回は3時間程しか見ることができませんでした。「表現の不自由展」ばかり騒がれていて、他にもいい作品があるから来てみてというしか言いようはないですけど、色々な考え方、アイデアの数々に出会えて、非常にいい時間の使い方をしたなと思います。

今回行って、あそこの空間に「共感」なんて言葉は存在しないなと思いました。ここ最近SNSをやっていて「共感」という言葉に違和感を抱いていたので、トリエンナーレに行って「個性」の強さを改めて思い知りました。その「個性」で人々を良い意味でも悪い意味でも動かすことができる。でも、あの空間で「共感」を生み出したらその個性は潰されるだろうなというのも同時に感じました。

僕はトリエンナーレを通してその「個性」を潰す行為はしなくてもいいんじゃないかと思いました。あそこにあったのは群れではなく、1人1人が肯定や否定といった正解がない「個性」がしっかりと生きる社会でした。そんな環境を潰して何になるんですか。「個性」が群れで潰してその先に何があるんですか。

そんな自分にない「個性」を探しにトリエンナーレに行くのもいいかもしれませんよ。

<週刊興行批評>2019年夏休み映画興行予想!

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今週は夏休み映画の興行を予想していきます。

 

 

1.先週末のランキング

まずは、先週末のランキングを見てみましょう。

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1位は「天気の子」。土日2日間で動員70万4000人、興収10億1200万円をあげ、累計では動員287万人、興収39億円を突破している。

2位は「トイ・ストーリー4」。土日2日間で動員45万6000人、興収6億2800万円をあげ、累計では動員415万人、興収55億円を突破しており、ディズニー、ピクサーのアニメーション全タイトル中、史上最短となる記録を打ち立てている。

3位は初登場アルキメデスの大戦」。土日2日間で動員20万2000人、興収2億6500万円をあげ、初日からの3日間の累計では動員26万6000人、興収3億4600万円をあげている。

4位は初登場仮面ライダージオウ Over Quartzer/騎士竜戦隊リュウソウジャー THE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!!」。土日2日間で動員19万4000人、興収2億4600万円をあげ、初日からの3日間の累計では動員26万2200人、興収3億3300万円をあげている。

前年の夏の東映特撮ヒーロー映画よりは少し落ちてしまい、まずは10億をいくかいかないかといったところだ。

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5位は初登場ペット2」。土日2日間で動員17万5000人、興収2億2300万円をあげ、初日からの3日間で動員22万4400人、興収2億8200万円をあげた。

前作「ペット」を下回る結果となり、最終興収は10億円台となりそうだ。

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6位は「アラジン」。累計で動員767万人、興収109億円を突破し、歴代興収27位となった。

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7位は「ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」。累計で動員139万人、興収17億円を突破した。

8位は「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」。累計で動員196万人、興収28億4700万円を突破し、前作「ホームカミング」の成績(28.0億円)を上回った。

9位は「チャイルド・プレイ」。累計興収は2億4600万円を突破した。

10位は「Dinner ダイナー」。累計で動員76万人、興収10億5100万円を突破した。

 

2.夏休み映画興行予想!

さあ、いよいよ夏休み映画商戦が本格化してきたので夏休み映画の興行予想をしていきたいと思います。

アラジン」(公開中)

最終興収(予想):110〜125億円

現在、109億円とメガヒット中の「アラジン」。さらに数字を伸ばして120億円という大台を突破なるか。2017年に公開された「美女と野獣」は124億円となっている。

Dinner ダイナー」(公開中)

最終興収(予想):10〜15億円

藤原竜也主演の作品。現在、10億円を突破と大ヒット。15億までいけるか?

トイ・ストーリー4」(公開中)

最終興収(予想):110〜130億円

現在、ディズニーアニメ史上最大のヒットを記録しているのが本作。「3」は108億円だったが、本作はそれを超えると予想。アナ雪の255億までは無理だと思われる。

ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」(公開中)

最終興収(予想):25〜35億円

ミュウツーの逆襲」が21年の時を経て3Dリメイク。オープニング成績は「名探偵ピカチュウ」(30億円)を上回るスタートとなったため、35億円となる可能性もあり得る。

天気の子」(公開中)

最終興収(予想):100〜130億円

君の名は。」の新海誠監督最新作。「君の名は。」は年越しロングランとなったが、今回はさすがに厳しいと予想。「君の名は。」の半分くらいと予想。充分なヒットと言える。

東京喰種 トーキョーグール【S】」(公開中)

最終興収(予想):3〜10億円

「東京喰種」の実写映画版の続編。前作(11億円)は下回るのではないか?と予想。

チャイルド・プレイ」(公開中)

最終興収(予想):3〜8億円

30年以上にわたって恐怖を与えてきたチャッキーくんがリメイクされ、久々の劇場公開。10億は難しいが、夏休みホラー映画の需要を担うことは間違いなし。

アルキメデスの大戦」(公開中)

最終興収(予想):20〜35億円

山崎貴監督最新作。同監督作の「海賊と呼ばれた男」(23.7億円)並みあるいはそれ以上の興収になると予想。

仮面ライダージオウ Over Quartzer/騎士竜戦隊リュウソウジャー THE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!!」(公開中)

最終興収(予想):5〜10億円

夏の東映特撮ヒーロー映画。前年を少し下回るオープニング成績となっており、10億に届くか届かないかといったところだ。

ペット2」(公開中)

最終興収(予想):10〜15億円

2016年に公開された「ペット」(42.3億円)の続編。しかし、オープニング成績は前作の半分という手厳しいスタート。10億円台がやっとといったあたりか?

ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」(8/2公開)

最終興収(予想):20〜40億円

国民的RPGドラゴンクエスト」を山崎貴監督が3DCGアニメ化。頑張っても40億と予想したが、誰もが知るゲームのアニメ化。大きな注目は集めるだろうし、「STAND BY ME ドラえもん」(83.8億円)のようなヒットになるかもしれない。

ワイルド・スピード スーパーコンボ」(8/2公開)

最終興収(予想):20〜40億円

日本でもヒットしているワイスピシリーズのスピンオフ。2017年に公開された「ICE BREAK」が40.5億円であったが、今作も同程度の稼ぎになると予想。

ライオン・キング」(8/9公開)

最終興収(予想):30〜50億円

またまたディズニー。2016年に「ジャングル・ブック」(22.1億円)の実写化に成功したMCUのハッピーでもお馴染みジョン・ファブローが監督した作品。日本でも知名度の高い作品。50億のヒットも十分にあり得る作品ではある。ディズニーの宣伝力次第ではなかろうか?

ONE PIECE STAMPEDE」(8/9公開)

最終興収(予想):35〜55億円

今年でテレビアニメ20周年を迎えた「ワンピース」。2016年に公開された前作「ONE PIECE FILM GOLD」は51.8億円となっているため、本作もそれ並みの収入となることは予想されている。

ダンスウィズミー」(8/16公開)

最終興収(予想):5〜15億円

ウォーターボーイズ」などの矢口史靖監督の新作。予想はしたものの、予想外のヒットを見てみたい。

ロケットマン」(8/23公開)

最終興収(予想):5〜10億円

エルトン・ジョンの半生を描いた作品。頑張って10億と予想したが、それ以上のヒットもあり得る。

劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD」(8/23公開)

最終興収(予想):10〜20億円

昨年、話題を呼んだドラマの劇場版。夏休み後半とあって、10億のヒットでも充分と予想。

二ノ国」(8/23公開)

最終興収(予想):5〜15億円

レベルファイブのゲームをアニメ化。ジブリ作品に多数関わったスタッフを起用しているが、10億いくかいかないかくらいだろう。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」(8/30公開)

最終興収(予想):3〜10億円

映画ファン待望のクエンティン・タランティーノ監督の新作にして、ブラッド・ピットレオナルド・ディカプリオが初共演することでも話題の一作。近年のタランティーノ監督作品を考えると10億行けば御の字といったところ。

引っ越し大名!」(8/30公開)

最終興収(予想):5〜15億円

星野源高橋一生高畑充希が出演することで話題の作品。10億を超えると予想。

 

といった感じで今年は40億円台〜100億円台までの作品が多数出てくる夏休み映画商戦となりそうだ。興収を追う身として楽しみだ。

 

3.今週の注目作

ワイルド・スピード スーパーコンボ」(8月2日公開)

メガヒットシリーズ「ワイルド・スピード」の通算9作目で、「ワイルド・スピード MEGA MAX」で初登場して以降、シリーズの顔となったドウェイン・ジョンソン演じるルーク・ホブスと、「ワイルド・スピード EURO MISSION」からシリーズに参戦したジェイソン・ステイサム扮するデッカード・ショウがタッグを組んで挑む戦いを描く。

かつては敵同士で何もかも正反対のホブスとショウが、いがみあいながらも、目の前に立ちふさがる謎の強敵ブリクストンに挑んでいく。

ブリクストン役は「パシフィック・リム」「マイティ・ソー」シリーズのイドリス・エルバが務め、物語の鍵を握るショウの妹ハッティに「ミッション:インポッシブル フォールアウト」のバネッサ・カービー。監督は「ジョン・ウィック」「デッドプール2」のデビッド・リーチ。

ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」(8月2日公開)

1986年の第1作発売以来、シリーズを重ねて国民的RPGとして人気を誇る「ドラゴンクエスト」の5作目で、92年に発売された「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」を原案に3DCGアニメ映画化。総監督に山崎貴、監督に八木竜一、花房真と「STAND BY ME ドラえもん」を手がけたスタッフが結集し、オリジナルゲームの生みの親である堀井雄二が監修、同じく「ドラクエ」テーマ曲などで知られる作曲家すぎやまこういちが音楽を担当した。声優は佐藤健有村架純、波瑠、坂口健太郎山田孝之ら豪華俳優陣が務めた。

少年リュカはゲマ率いる魔物たちに連れ去られた母マーサを取り戻すため、父パパスと旅を続けていた。しかし、道中での魔物たちとの激闘により、パパスはリュカの目の前で非業の死を遂げてしまう。それから10年後、故郷に戻ったリュカは「天空のつるぎと勇者を探し出せば、母を救うことができる」と書かれた父の日記を発見。パパスの遺志を受け継ぎ、冒険へと旅立つ。次々と立ちはだかる試練の数々、ビアンカとフローラをめぐる究極の選択など、リュカの壮大な冒険が描かれる。

世界の涯ての鼓動」(8月2日公開)

パリ、テキサス」「ベルリン・天使の詩」の巨匠ヴィム・ヴェンダース監督、「リリーのすべて」のアリシア・ヴィキャンデル、「X-MEN」シリーズのジェームズ・マカヴォイ主演による恋愛サスペンス。

フランス・ノルマンディーの海辺にあるホテルで出会ったダニーとジェームズは、わずか5日間で情熱的な恋に落ち、互いが生涯の相手であることに気付くが、生物数学者であるダニーにはグリーンランドの深海に潜り地球上の生命の起源を解明する調査、そしてMI-6の諜報員であるジェームズには南ソマリアに潜入して爆弾テロを阻止する任務が待っていた。互いの務めを果たすため別れた2人だったが、やがてダニーは潜水艇が海底で操縦停止となる事態に遭遇し、ジェームズはジハード戦士に拘束されてしまうという、それぞれが極限の死地に立たされてしまう。

守護教師」(8月2日公開)

新感染 ファイナル・エクスプレス」で一躍人気を集めたマ・ドンソクが、女子高生失踪事件に挑む熱血教師に扮した主演作。

かつてはボクシングのチャンピオンの座に就きながら、暴力沙汰によりコーチの職を失ってしまったギチョルは、女子高の体育教師として働いていた。女生徒たちに囲まれた職場は、男ばかりの世界で過ごしてきたギチョルにとっては戸惑うことばかりだったが、学校になじもうとする中で不登校中の同級生の行方を捜すユジンと出会う。こつ然と姿を消してしまったその生徒を、他の教師は単なる家出と取り合わず、警察の捜査もまったく進展が見られなかった。生徒の行方を捜さないのは意図的ではないかと感じさせるこの町の不穏な空気をギチョルが感じる中、ユジンが何者かに襲われてしまう。ギチョルはユジンに代わって生徒の行方を探そうとするのだが……。

ユジン役は、「冬の小鳥」「アジョシ」などで天才子役として注目を集めたキム・セロン。

サマー・オブ・84」(8月3日公開) (R15+)

思春期まっただ中のオタク少年たちが隣家の警察官を殺人鬼と疑い、独自に調査を始めたことから、思いがけない恐怖に直面する姿を描いた青春ホラー。カナダの映像制作ユニット「ROADKILL SUPERSTARS(RKSS)」(フランソワ・シマール、アヌーク・ウィッセル、ヨアン=カール・ウィッセル)が、1980年代のスラッシャー映画やホラー、サスペンス、青春映画にオマージュをささげて描いた。

84年夏、アメリカ郊外の田舎町に暮らす好奇心旺盛な15歳の少年デイビーは、向かいの家に暮らす警察官マッキーが、近隣の町で発生している子どもばかりを狙った連続殺人事件の犯人ではないかとにらみ、親友のイーツ、ウッディ、ファラディとともに独自の調査を開始。しかし、そんな彼らの行く手には、想像を超えた恐ろしい現実が待ち受けていた。

メランコリック」(8月3日公開)

深夜に殺人が行われる銭湯を舞台に、ひょんなことから人生が大きく動き出してしまう人々の人間模様を、サプライズ満載の変幻自在なストーリー展開で描いたサスペンスコメディ。

名門大学を卒業後、アルバイトを転々とし、うだつの上がらない生活を送っていた和彦。ある日、偶然訪れた銭湯で高校時代の同級生・百合と再会した彼は、そこで一緒に働かせてもらうことに。やがて和彦は、その銭湯が閉店後の深夜に浴場を「人を殺す場所」として貸し出していることを知る。さらに、同僚の松本が殺し屋であることが明らかになり……。

新人監督・田中征爾の長編デビュー作で、第31回東京国際映画祭「日本映画スプラッシュ」部門で監督賞を受賞(武正晴監督の「銃」と同時受賞)。和彦役の皆川暢二、松本役の磯崎義知、田中監督による映画製作ユニット「One Goose」の映画製作第1弾作品。

 

というわけで、今週は以上。閲覧ありがとうございました。

<週刊興行批評>いよいよ夏休み突入!「トイ・ストーリー4」、「天気の子」の行方は?

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毎週発表される興行ランキングを見ていく「週刊興行批評」。私的に忙しかったということで2週ぶりの更新です。しかも、「トイ・ストーリー4」、「天気の子」という強力作を2本も取り扱うことに。がっつり扱います。

 

 

1.先々週末のランキング

まずは、先々週末のランキングを見てみましょう。

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1位は初登場トイ・ストーリー4」。土日2日間で動員103万1000人、興収13億7700万円をあげ、初日から4日間の累計では、すでに動員185万人、興収24億円を突破しており、圧倒的な強さで初登場1位を飾った。

2位は初登場ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」。土日2日間で動員45万4000人、興収5億5300万円をあげ2位に初登場。4日間の累計では動員75万人、興収9億円を突破し、前年の「みんなの物語」や「名探偵ピカチュウ」を上回る好スタートを切った。

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3位は「アラジン」。土日2日間で動員35万人、興収4億9100万円をあげ、累計では動員690万人、興収98億円を突破した。

4位は「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」。累計で動員169万人、興収24億円を突破した。

5位は「Dinner ダイナー」。累計で動員51万人、興収7億1000万円を突破した。

6位は「ザ・ファブル」。累計で動員114万人、興収15億円を突破。

7位は「それいけ!アンパンマン きらめけ!アイスの国のバニラ姫」。

8位は「劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム」。応援上映も好調で、累計興収9億円を突破している。

9位は「新聞記者」。累計で動員27万人、興収3億3000万円を突破した。

10位は「劇場版 Free!−Road to the World−夢」。

 

2.先週末のランキング

続いて、先週末のランキングを見てみましょう。

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1位は初登場天気の子」。土日2日間で動員83万人、興収11億8500万円をあげ、初日から3日間の累計では、動員116万人、興収16億円をあげる大ヒットスタートとなっている。

2位は「トイ・ストーリー4」。土日2日間で動員63万人、興収8億5500万円をあげ、累計では早くも動員300万人、興収40億円に届く勢いだ。

3位は「ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」。土日2日間で動員20万人、興収2億5100万円をあげ、累計では動員105万人、興収12億円を突破した。

4位は「アラジン」。土日2日間で動員19万3000人、興収2億8800万円をあげ、累計で730万人、興収104億円を突破し、歴代興収ランキングで30位まで順位をあげている。

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5位は「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」。累計で動員184万人、興収26億円を突破した。

6位は初登場チャイルド・プレイ」。初日からの3日間で動員8万1000人、興収1億900万円を突破している。

7位は初登場東京喰種 トーキョーグール 【S】」。初日からの3日間で動員8万2000人、興収1億1200万円を突破(「チャイルド・プレイ」は土日にヒットし、「東京喰種」は初日にお客さんが入って順位に差が出たか?)と前作より厳しいスタートを切っている。

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8位は「Dinner ダイナー」。累計で動員65万人、興収9億900万円を突破した。

9位は「ザ・ファブル」。累計で動員122万人、興収16億円を突破した。

10位は「劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム」。累計興収は10億円を突破した。

 

3.興行チェック!「トイ・ストーリー4」

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先週初登場1位、今週は2位と好調を記録している「トイ・ストーリー4」。

前作「3」は108億円とメガヒットを記録しただけに今作の成績も注目を集めたが、オープニング成績は洋画アニメとしてはアナ雪を超える歴代1位となった。現在、興行収入は40億円近く稼いでいる。

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こちらは懐かしい10年代のピクサー映画で比較した表。10年代のピクサー作品と比べても成績の高さが伺えるだろう。

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ちなみに10年代のオープニング成績では今年の名探偵コナンに次ぐ成績。

果たして、「3」の108億を超えることができるか。今後の成績に注目だ。

ディズニーは今年だけでどれだけ稼ぐ気だろうか…

 

4.興行チェック!「天気の子」

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今週、初登場1位に輝いたのは「天気の子」だ。

君の名は。」で250.3億円と歴代4位を記録した新海誠監督の新作ともあって、今年一の注目作と言っていいだろう。しかも、7月の第3週はジブリ映画といった東宝のヒット映画が公開されたりと東宝としてもかなりの自信の入れようだったに違いない。

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試写会などをせず、東宝史上最大規模のスクリーン数での上映、さらに、初日・初回は午前9時に一斉上映を始めたりとした本作。蓋を開けてみれば、「君の名は。」を上回るオープニングとなった。250億も稼いだ監督の新作となれば、前作を上回る成績となるのは当然だろう。

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ちなみに直近のメガヒット作品での比較はご覧の通り。「アラジン」や宮崎駿監督の「風立ちぬ」を上回る成績だ。

さあ、成績がどうなるかについてだが、監督の前作「君の名は。」は口コミによる社会現象になったこともあり、年越しロングランヒットを記録したわけだが、今回はさすがにそこまで上手くはいかないだろう。というのも、夏休みの最初から公開されていることと既に新海誠監督の名を日本中に届けてしまったため、これ以上名を轟かせることも難しい。そのため、前作以上のムーブメントは起こりにくい。

だとしても、夏休みの間、さらにその後しばらくはヒットを果たし、100億を超えることは容易だろう。

自分も鑑賞したが、新海誠監督の作家性が前作より大きく出た作品となっているため、今作がヒットすれば、真の意味で日本を代表するアニメーション監督と言っていいかもしれない。

 

5.今週の注目作

ペット2」(7月26日公開)

ミニオンズ」「SING シング」のイルミネーション・エンターテインメントが手がけ、飼い主がいない間のペットたちが巻き起こす騒動を描いた人気アニメ「ペット」のシリーズ第2弾。

ニューヨークを舞台に犬のマックスとデュークをはじめとした個性的なペットたちが、新たな仲間を加えて、さらなる大騒動を巻き起こす。

監督は前作「ペット」や「怪盗グルー」シリーズを手がけてきたクリス・ルノー。日本語吹き替え版声優は、マックスとディーク役を務めるお笑いコンビ「バナナマン」の設楽統&日村勇紀をはじめ、佐藤栞里永作博美沢城みゆき中尾隆聖らが前作から続投した。

アルキメデスの大戦」(7月26日公開)

戦艦大和の建造をめぐるさまざまな謀略を描いた三田紀房による同名マンガを、菅田将暉主演、「ALWAYS 三丁目の夕日」「永遠の0」の山崎貴監督のメガホンで実写映画化。

日本と欧米の対立が激化する昭和8年、日本帝国海軍上層部は巨大戦艦・大和の建造計画に大きな期待を寄せていたが、海軍少将・山本五十六はその計画に待ったをかけた。山本は代替案を提案するも、上層部は世界に誇示する大きさを誇る大和の建造を支持していた。山本は大和の建造にかかる莫大な費用を算出し、大和建造計画の裏に隠された不正を暴くべく、天才数学者・櫂直を海軍に招き入れる。数学的能力、そして持ち前の度胸を活かし、大和の試算を行っていく櫂の前に帝国海軍の大きな壁が立ちはだかる。

菅田が櫂役、舘ひろし山本五十六役を演じるほか、浜辺美波柄本佑笑福亭鶴瓶らが顔をそろえる。

よこがお」(7月26日公開) (PG12)

カンヌ国際映画祭ある視点部門で審査員賞を受賞した「淵に立つ」の深田晃司監督が、同作でもタッグを組んだ筒井真理子を再び主演に迎え、不条理な現実に巻き込まれたひとりの善良な女性の絶望と希望を描いたサスペンス。

周囲からの信頼も厚い訪問看護師の市子は、1年ほど前から看護に通っている大石家の長女・基子に、介護福祉士になるための勉強を見てやっていた。ニートだった基子は気の許せる唯一無二の存在として市子を密かに慕っていたが、基子から市子への思いは憧れ以上の感情へと変化していった。ある日、基子の妹・サキが失踪する。1週間後にサキは無事に保護されるが、誘拐犯として逮捕されたのは意外な人物だった。この誘拐事件への関与を疑われたことを契機に市子の日常は一変。これまで築きあげてきた生活が崩壊した市子は、理不尽な状況へと追い込まれていく。

主人公・市子役を筒井が演じるほか、市川実日子池松壮亮吹越満らが脇を固める。

劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer/騎士竜戦隊リュウソウジャー THE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!!」(7月26日公開)

「劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer」

2018年9月からテレビ放送を開始し、平成仮面ライダーシリーズとして記念すべき20作目となった「仮面ライダージオウ」の劇場版。

消滅の危機にある仮面ライダードライブを救うため、1575年の戦国時代へやってきた常磐ソウゴ/仮面ライダージオウたちは、後世で「魔王」と言われる、かの有名な織田信長と出会う。さらに、そんなソウゴたちの前に「歴史の管理者(クォーツァー)」が立ちはだかり、その傍らには不敵な笑みを浮かべるウォズの姿があった。

織田信長役は映画「エミアビのはじまりとはじまり」や、auのCM「三太郎シリーズ」の一寸法師役で知られる俳優の前野朋哉。ダンス&ボーカルグループ「DA PUMP」が主題歌を担当し、メンバー全員が歴史の管理者役で出演する。

「騎士竜戦隊リュウソウジャー THE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!!」

スーパー戦隊シリーズの43作目となる「騎士竜戦隊リュウソウジャー」の劇場版。

コウ/リュウソウレッドたちリュウソウジャーは、6500万年前の恐竜時代にタイムスリップし、リュウソウ族の祖先ヴァルマとその娘ユノと出会い、そこで太古の恐竜時代に隠されたリュウソウジャー誕生の秘密が明らかになる。テレビシリーズにも登場し、コウと対峙した謎の戦士ガイソーグのほか、巨大マイナソーやキシリュウジン、さらには地球に迫りくる超巨大隕石など、数々のピンチがリュウソウジャーたちを襲う。

ヴァルマ役で佐野史郎、娘のユノ役で北原里英がゲスト出演。

パラダイス・ネクスト」(7月27日公開)

妻夫木聡豊川悦司がダブル主演し、孤独な男たちの運命が交錯していく様子を全編台湾ロケで描いたノワールサスペンス。

世間から身を隠すように台北でひっそりと暮らすヤクザの島の前に、お調子者でなれなれしい牧野が現れる。牧野は初対面のはずの島の名前を知っており、島が台湾に来るきっかけになった事件の真相についてほのめかす。得体の知れない牧野をいぶかしく思う島だったが、牧野が何者かに命を狙われていると知り、一緒に台湾東海岸の町・花蓮へと向かう。そこで出会った女性シャオエンの存在により、牧野と島の閉ざされた過去が明らかになっていく。

2人の運命の女性であるシャオエンを、「黒衣の刺客」でも妻夫木と共演した台湾の人気女優ニッキー・シエが演じる。共演に「目撃者 闇の中の瞳」のカイザー・チュアン。ホウ・シャオシェンジャ・ジャンクーといった名匠たちの作品の映画音楽で知られる半野喜弘が監督・脚本を手がけ、坂本龍一がテーマ曲を担当。

 

というわけで、今週は以上。閲覧ありがとうございました。

<週刊興行批評>「新聞記者」がヒットを飛ばしている件

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今週はまだまだ健在の「アラジン」と初登場した「Dinner ダイナー」、現在ヒット中の「新聞記者」の興行の動向を見ていきます。

 

 

1.先週末のランキング

まずは、先週末のランキングを見てみましょう。

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1位は「アラジン」。土日2日間で動員46万8000人、興収6億9900万円をあげ、落ちの少ない安定した興行を続けており、累計では間もなく動員600万人、興収86億円に届く勢い。

2位は「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」。土日2日間で動員26万2000人、興収3億9400万円をあげ、累計では動員125万人、興収18億円を突破している。

3位は初登場Dinner ダイナー」。土日2日間で13万2000人、興収1億9100万円をあげ、初日から3日間の累計では、動員18万2000人、興収2億6000万円をあげる好スタートを切った。

4位は「ザ・ファブル」。累計で動員94万人、興収12億円を突破した。

5位は「それいけ!アンパンマン きらめけ!アイスの国のバニラ姫」。累計興収2億5000万円を突破した。

6位は「劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム」。

7位は初登場いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46」。

8位は「新聞記者」。累計興収は1億9000万円を突破した。

9位は初登場劇場版 Free!−Road to the World−夢」。

10位は「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」。累計興収27億円を突破した。

 

2.興行チェック!「アラジン」

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今週も1位をとり、V5となった「アラジン」。

今週も「美女と野獣」、「名探偵コナン 紺青の拳」とともに週末の興収と累計興収の推移を比較していこう。

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夏休みなどのシーズンなどでもないのに、これだけ毎週高い数字を落としてないのは異例と見て良いだろう。

今週末からは同じディズニー映画の「トイ・ストーリー4」が公開されるため、さすがに客足は落ちるだろうと思うが、最終興収100億円突破はおかしくない領域に達した。

 

3.興行チェック!「Dinner ダイナー」

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さあ、今週初登場3位となったのは「Dinner ダイナー」だ。

蜷川実花が「ヘルタースケルター」以来7年ぶりに映画監督をした作品。藤原竜也はじめキャストの個性のぶつかり合いを蜷川ワールドが彩った作品となっている。

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今回は主演の藤原竜也、監督の蜷川実花で興収を比べてみた。こう見るとまずまずと言った感じだろうか。最終興収も10億を超えるか否かといったところだ。

また、今年は蜷川実花監督の作品がもう一つ。

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9月に小栗旬太宰治を演じ、太宰を取り巻く3人の女性たち(宮沢りえ沢尻エリカ二階堂ふみ)の目線から小説「人間失格」の誕生秘話を描く「人間失格 太宰治と3人の女たち」が公開予定。こちらもどれだけヒットするか注目だ。

 

4.興行チェック!「新聞記者」

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先週は10位、今週は8位にランクインしているのは「新聞記者」。

東京新聞の記者・望月衣塑子の同名ベストセラーを原案にした物語で、現政権下で起きている例の事件を想起させると話題の作品だ。

今作が143スクリーンと小規模で公開されているにもかかわらず、このように結果を残してるということで、今回取り上げることにした。

週末のランキングよりも注目したいのは週間のランキング。こちらは6位を記録している。これはすなわち平日でも高稼働しているという表れなのだろう。

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100スクリーン規模で行われている作品で現在、2億円を記録しているのは大ヒットと言っていいだろう。

参院選を控えている中でこうした映画がヒットしている現状は色々と考えさせられることがある。

自分も実際に鑑賞させていただいたが、お世辞にも良い出来とまではいかなかった。

というか、この映画を出来とか関係なしにメッセージを汲み取るのみに完結をしたりするようではこの映画の姿勢は果たせても、意義を果たしているのかは疑問です。

実際に現在進行形の出来事をベースにしているため、物語の虚構としてのラインやメッセージの伝え方、そしてそれを汲み取ったとして、議論を成立させることができるのかどうか。そんなことを考えてると今作を手放しに喜ぶのもいかがなものかと考える。

 

参院選までにまだまだヒットをするだろうし、出来ればたくさんの人に観てもらいたいという気持ちもあるが、観た後にそこから何を感じるか。それをしっかりと明確に対話が出来てこそ、この映画は大ヒットと言えるのではないでしょうか?

 

5.今週の注目作

トイ・ストーリー4」(7月12日公開)

おもちゃの世界を舞台に描くピクサー・アニメーションの大ヒットシリーズ「トイ・ストーリー」の第4作。

ウッディたちの新しい持ち主となった女の子ボニーは、幼稚園の工作で作ったフォーキーを家に持ち帰る。ボニーの今一番のお気に入りであるフォーキーを仲間たちに快く紹介するウッディだったが、フォークやモールでできたフォーキーは自分を「ゴミ」だと認識し、ゴミ箱に捨てられようとボニーのもとを逃げ出してしまう。フォーキーを連れ戻しに行ったウッディは、その帰り道に通りがかったアンティークショップで、かつての仲間であるボー・ピープのランプを発見する。一方、なかなか戻ってこないウッディとフォーキーを心配したバズたちも2人の捜索に乗り出すが……。

ボー・ピープが「トイ・ストーリー2」以来19年ぶりに再登場を果たすほか、物語の鍵を握るフォーキー、ふわもふコンビのダッキー&バニー、かわいいアンティークのおもちゃギャビー・ギャビーなど新キャラクターたちも続々と登場。数々のピクサー作品でストーリーボードアーティストを担当し、「インサイド・ヘッド」では脚本にも参加したジョシュ・クーリーが長編初監督を務める。

ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」(7月12日公開)

1998年公開のポケモン映画シリーズ第1作「劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」をフル3DCGでよみがえらせたアニメ映画。

全てのポケモンの“はじまり”と言われ、「清らかな心と、会いたいと強く願う気持ち」の2つを持つ冒険者の前にだけ現れるという幻のポケモン・ミュウ。世界中のポケモン研究者がその行方を追う中、ついにある科学者がミュウの化石を発見し、それをもとに禁断の行為に手を染めてしまう。人間のエゴによって生み出された伝説のポケモンミュウツーは、自身の存在理由も分からないままに兵器としての実験を繰り返され、心の中に人類への憎悪の念を宿していく。

劇場版第1作でミュウツーの声を演じた俳優の市村正親が再び同役を担当。これまで数々のポケモンアニメを手がけてきた湯山邦彦と「ルドルフとイッパイアッテナ」の榊原幹典が監督を務める。

さらば愛しきアウトロー」(7月12日公開)

ハリウッド屈指の美男俳優として人気を集め、「明日に向って撃て!」や「オール・イズ・ロスト 最後の手紙」など長年にわたり活躍してきた名優ロバート・レッドフォードが俳優引退作と公言している最後の主演作。

1980年代初頭からアメリカ各地で銀行強盗を繰り広げ、それによる逮捕と脱獄を繰り返した実在の人物フォレスト・タッカーを描いた。強盗といいながらも、発砲もしなければ暴力も振るわないという紳士的で風変わりな犯行スタイルを貫いた主人公タッカーをレッドフォードが演じ、タッカーを追う刑事ジョン・ハント役を「マンチェスター・バイ・ザ・シー」のケイシー・アフレックが担当。そのほか、シシー・スペイセクトム・ウェイツダニー・グローバーらが共演。監督は「A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー」のデビッド・ロウリー。

ハッピー・デス・デイ 2U」(7月12日公開)

イムループによって自分が殺される誕生日を何度も繰り返すはめになった女子大生の姿を描いた新感覚ホラー「ハッピー・デス・デイ」の続編。

誕生日の繰り返しから抜け出して翌日を迎えたツリーは、恋人のカーターと充実した生活を送ろうとしていた。しかし、今度はカーターのルームメイトのライアンがタイムループに巻き込まれ、謎の殺人鬼に狙われてしまう。やがて、すべての原因が、ある研究に関係していることに気づいた3人だったが、そこで再びツリーの身にもタイムループが起こり、またしても誕生日の朝に戻ってしまう。ところが、そこは元の世界と微妙に異なったパラレルワールドで……。

主演ジェシカ・ロース、監督クリストファー・ランドン、製作ジェイソン・ブラムら、前作を手がけたキャスト&スタッフが再結集。

アイアン・スカイ 第三帝国の逆襲」(7月12日公開)

月の裏側に潜伏していたナチスが、UFOの大群を率いて地球を侵略するという大胆な設定で注目され、有志から資金を募って製作されたことでも話題を集めたSF映画アイアン・スカイ」の7年ぶりとなる続編。

月面ナチスの侵略を退けた人類だったが、その後、自ら引き起こした核戦争によって地球は荒廃。それから30年後、人々はナチスが建設した月面基地で生き延びていたが、月面基地のエネルギーが枯渇し、人類は絶滅の危機にあった。そんな状況に胸を痛めていた月面基地の機関士オビは、地球の深部には未開の世界「ロスト・ワールド」が広がっており、そこに新たなエネルギー資源があることを知り、仲間とともに「ロスト・ワールド」へと旅立つが……。

前作を生み出したフィンランドのティモ・ボレンソラ監督が、今作でもクラウドファンディングでファンから資金を調達し、製作した。

シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢」(7月12日公開) (PG12)

さえない中年男性たちがシンクロナイズドスイミングで人生を再スタートさせるスウェーデンで実際にあった実話をもとに、マチュー・アマルリックギョーム・カネらフランスの実力派俳優の共演で描いたヒューマンドラマ。

2年前から患ったうつ病により会社を退職したベルトランは、引きこもりがちな毎日を送っていた。ある日、ベルトランは地元の公営プールで男子シンクロナイズドスイミングのメンバー募集の文字を目にする。家族から軽蔑され、嫌味を言われる日常をなんとか打破したいと思っていたベルトランはチーム入りを決意するが、そのメンバーはいずれも家庭や仕事、将来など、ベルトランと同じように何らかの不安を抱えるおじさんの集団だった。コーチであるシンクロ選手のデルフィーヌの指導のもとで、さまざまなトラブルに見舞われながらも彼らはトレーニングに勤しんでいた。そんな彼らが無謀にも世界選手権での金メダル獲得を目指すことになるが……。

カニバ パリ人肉事件38年目の真実」(7月12日公開) (R15+)

1981年にフランス・パリで起きた猟奇殺人事件「パリ人肉事件」の犯人・佐川一政の現在にスポットを当てたドキュメンタリー。

81年、パリに留学中の日本人男性・佐川一政が、オランダ人女性を射殺して遺体を食すという衝撃的な事件を起こす。帰国後、佐川は異端の文筆家として注目を集めメディアにも度々登場するが、2000年代半ば以降は表舞台から姿を消していた。2013年に脳梗塞で倒れて歩行が困難となり、実弟の介護を受けながら年金暮らしを送る佐川に、フランスの撮影クルーが15年6月から約1カ月間にわたって密着。弟との奇妙な関係性を浮き彫りにしつつ、佐川の心の奥にある「カニバリズム」を追求していく。

監督は「リヴァイアサン」を手がけた人類学者で映像作家のルーシァン・キャステーヌ=テイラーとベレナ・パラベル。第74回ベネチア国際映画祭オリゾンティ部門で審査員特別賞を受賞。

 

というわけで、今週は以上。閲覧ありがとうございました。

<週刊興行批評>アベンジャーズ効果でスパイダーマンも大ヒットなるか?

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今週はまだまだ健在の「アラジン」と初登場した「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」の興行の動向を見ていきます。

 

 

1.先週末のランキング

まずは、先週末のランキングを見てみましょう。

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1位は「アラジン」。土日2日間で動員61万1000人、興収8億7900万円をあげ、前週比88%以上と落ちの少ない興行を続けており、累計では動員504万人、興収72億円を突破。

2位は初登場スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」。土日2日間で動員46万人、興収6億9900万円をあげ、初日から3日間の累計では動員70万人、興収10億円を記録する好スタートを切った。

3位は「ザ・ファブル」。土日2日間で動員16万4000人、興収2億2700万円をあげ、累計では動員70万人、興収9億3000万円を突破した。

4位は初登場それいけ!アンパンマン きらめけ!アイスの国のバニラ姫」。土日2日間で動員10万5000人、興収1億2600万円をあげ、初日からの3日間では動員11万4000人、興収1億3700万円を突破した。歴代最高となる最終興収6.5億円を記録した前作「それいけ!アンパンマン かがやけ!クルンといのちの星」を上回る好スタートを切った。

5位は「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」。累計で動員180万人、興収26億円を突破した。

6位は「劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム」。

7位は「メン・イン・ブラック:インターナショナル」。累計興収は8億5000万円を突破した。

8位は初登場今日も嫌がらせ弁当」。

9位は「コンフィデンスマンJP」。累計で動員213万人、興収27億円を突破した。

10位は初登場新聞記者」。初日からの3日間で動員4万9000人、興収6000万円を突破し、143スクリーンと規模が小さいながらも健闘したと言える。

 

2.興行チェック!「アラジン」

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今週も1位をとり、V4となった「アラジン」。注目の大作「スパイダーマン」が公開されても人気が衰えていないところが驚きだ。

先週も行った「美女と野獣」、「名探偵コナン 紺青の拳」とともに週末の興収と累計興収の推移を比較した図を4週目に更新。「アラジン」の落ちの少なさがさらに顕著に表された形となった。

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この興行の推移はどう展開されていくのか。

 

3.興行チェック!「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」

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さあ、今週初登場2位となったのは「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」だ。

MCUスパイダーマンの新作であり、「アベンジャーズ/エンドゲーム」(以下、「アベンジャーズ/EG」)の後の作品としても注目の作品だ。

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こちらがMCUでの比較した表だ。「アベンジャーズ/EG」の現象級の大ヒットによる余熱が今作でも現れた形となった。スパイダーマンの単独シリーズの前作「ホームカミング」を上回る成績を残し、さらには「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」をも上回るオープニングとなった。

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では、近年のスパイダーマン映画ではどうだ?MCU前のシリーズに当たる「アメイジングスパイダーマン」の2作品を上回るオープニングとなっている。

これは最終興収30億以上はいけるだろうし、夏休みの興行が上手くいけば、40億円以上もあり得るだろう。

日本でも安定して大ヒットを叩き出すスパイダーマンシリーズ。MCUという枠においてもその強みというのは遺憾なく発揮している。今後、MCU上でも重要なポジションとなるだろうし、さらなる日本でのMCU現象化も充分にあり得るだろう。

もしかしたら、洋画全盛期だった2000年代に公開されたサム・ライミ監督による「スパイダーマン」シリーズの興行収入*1に近づく時代も来る?かもしれない。

MCU興収振り返りに本作を付け加えて更新しました。よろしければご覧ください。↑

 

4.今週の注目作

Diner ダイナー」(7月5日公開)

藤原竜也蜷川実花監督が初タッグを組み、平山夢明の小説「ダイナー」を映画化。

元殺し屋の天才シェフ、ボンベロが店主をつとめる殺し屋専用の食堂「ダイナー」。日給30万円の怪しいアルバイトに手を出したばかりに闇の組織に身売りされてしまった少女オオバカナコは、ボンベロに買われウェイトレスとして働くことに。ボンベロが「王」として君臨するダイナーには、全身傷だらけの孤高の殺し屋スキンや、子どものような姿をしたサイコキラーのキッド、不気味なスペイン語を操る筋肉自慢の荒くれ者のブロら、ひと癖もふた癖もある殺し屋たちが次々とやって来て……。

ダイナーの店主ボンベロ役を藤原、物語の鍵を握る少女オオバカナコ役を玉城ティナが演じるほか、窪田正孝斎藤工小栗旬土屋アンナ奥田瑛二ら豪華キャスト陣が殺し屋役で出演。

ゴールデン・リバー」(7月5日公開) (PG12)

ディーパンの闘い」「君と歩く世界」「真夜中のピアニスト」などで知られるフランスの名匠ジャック・オーディアール監督が初めて手がけた英語劇で、ジョン・C・ライリーホアキン・フェニックスジェイク・ギレンホールリズ・アーメッドという豪華キャストを迎えて描いた西部劇サスペンス。2018年・第75回ベネチア国際映画祭銀熊賞(監督賞)を受賞した。

ゴールドラッシュに沸く1851年、最強と呼ばれる殺し屋兄弟の兄イーライと弟チャーリーは、政府からの内密の依頼を受けて、黄金を探す化学式を発見したという化学者を追うことになる。政府との連絡係を務める男とともに化学者を追う兄弟だったが、ともに黄金に魅せられた男たちは、成り行きから手を組むことに。しかし、本来は組むはずのなかった4人が行動をともにしたことから、それぞれの思惑が交錯し、疑惑や友情などさまざまな感情が入り乱れていく。

Girl ガール」(7月5日公開) (PG12)

トランスジェンダーの主人公が、バレリーナを目指して葛藤や苦悩を乗り越えながら夢を追いかける姿を描いたドラマ。

男性の体にうまれたトランスジェンダーのララは、バレリーナになることが夢で、強い意志と才能、そして血がにじむような努力で、難関とされるバレエ学校への入学を認められる。しかし、成長とともに変わっていく体によってうまく踊れなくなることへの焦りや、ララに対するクラスメイトの嫉妬や嫌がらせにより、次第に心身ともに追い込まれていく。

2018年・第71回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品され、これが長編デビュー作のルーカス・ドン監督がカメラドール(新人監督賞)、主演のビクトール・ポルスターが最優秀俳優賞を受賞した。

ワイルドライフ」(7月5日公開) (PG12)

スイス・アーミー・マン」などの個性派俳優ポール・ダノが初メガホンを取り、「ドライヴ」のキャリー・マリガンと「ナイトクローラー」のジェイク・ギレンホールが夫婦役を演じた人間ドラマ。ダノが「ルビー・スパークス」で共演したパートナーのゾーイ・カザンと共同で脚本・製作も手がけ、ピュリッツァー賞作家リチャード・フォードの小説「Wildlife」を原作に、幸せな家庭が崩壊していく様子を14歳の息子の姿を通して描き出す。

1960年代、モンタナ州の田舎町で暮らす少年ジョーは、仲の良い両親ジェリーとジャネットのもとで慎ましくも幸せな毎日を送っていた。ところがある日、ジェリーがゴルフ場の仕事を解雇され、山火事を食い止める危険な出稼ぎ仕事へと旅立ってしまう。残されたジャネットとジョーもそれぞれ仕事を見つけるが、生活が安定するはずもなく、優しかったジャネットは不安と孤独にさいなまれるようになっていく。

いちごの唄」(7月5日公開)

ミュージシャンで俳優としても活躍する峯田和伸のバンド「銀杏BOYZ」の楽曲からインスパイアされた人気脚本家の岡田惠和が、自らの脚本でつむいだオリジナルストーリーを映画化。岡田脚本のドラマ「泣くな、はらちゃん」「ど根性ガエル」などを手がけたテレビドラマ演出家の菅原伸太郎が長編映画初メガホンを取った。

冷凍食品の製造工場で働く笹沢コウタの大親友・伸二は、2人が「天の川の女神」と崇拝していたあーちゃんを交通事故から守り、あーちゃんの身代わりとなって死んでいった。それから10年、コウタは偶然あーちゃんと再会する。伸二の「死」を背負いながら生きていたコウタとあーちゃんは、伸二の命日に1年に一度「逢うこと」を約束。毎年逢瀬を繰り返すコウタは、次第にあーちゃんに恋心を抱くようになる。

俳優のほか、バンド「The SALOVERS」のボーカリストとしても活動する古舘佑太郎がコウタ役、NHK連続テレビ小説半分、青い。」の石橋静河があーちゃん役をそれぞれ演じる。

劇場版 Free! Road to the World 夢」(7月5日公開)

水泳に打ち込む青年たちの絆を描く京都アニメーションの人気テレビアニメ「Free!」の第3期「Free! Dive to the Future」を再構築し、新たなエピソードを追加した劇場版。

幼い頃、初めてのチームとして絆を結びあった遙、真琴、渚、凛。時は流れ、大学へ進学した遙と真琴は、中学時代のチームメイトである旭と郁弥に再会する。しかし、かつて結んだ絆は形を変えて郁弥を重く縛っていた。遙はそんな郁弥を救うため、ある決断をする。そして真琴もまた、様々な選手たちの心に触れていく。一方、岩鳶高校水泳部にも新しい春が訪れる。怜と渚が遙や真琴とともに結んだ絆は、新たな蕾となって花開こうとしていた。

いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46」(7月5日公開)

人気アイドルグループ「乃木坂46」のドキュメンタリー映画第2弾。

前作から4年ぶりとなる今作では、初のシングルミリオンセールスや日本レコード大賞受賞を果たした2017年、史上初の明治神宮球場&秩父宮ラグビー場での2会場同時ライブ開催やレコ大2連覇を成し遂げた18年、そしてエースであり絶大な人気を誇ったメンバーの西野七瀬が卒業し、新たな時代を迎えた19年と、近年のグループの歩みをメンバーたちの証言でつむぎ、少女たちが抱える心の葛藤や成長を、これまでにないほどの親密な距離感で描き出していく。

監督は、乃木坂46のライブの舞台裏を追ったドキュメンタリー映像などを手がけてきた岩下力。

こはく」(7月6日公開)

俳優の井浦新と、本名の「大橋彰」名義で出演した芸人のアキラ100%が、兄弟が幼いころに突然姿を消した父を長崎の町で必死に捜し歩く姿を描いたヒューマンドラマ。

長崎県に暮らす亮太は、幼いころに別れた父が営んでいたガラス細工の工場を受け継ぎ、なんとか毎日を送っていた。しかし、亮太自身も父と同じように離婚を経験し、子どもたちと会うことがかなわずにいた。ある日、亮太は定職に就くことなくブラブラした生活を送る兄の章一から、町で偶然父の姿を見かけたと告げられる。しかし、虚言癖がある兄の言葉を亮太はにわかに信じることができなかった。そんな折に現在の妻である友里恵から「お父さんになる自信、ある?」と妊娠を告げられた亮太は、自分が父のいない過去を引きずったまま生きていることに気づかされる。

井浦が弟・亮太役、大橋が兄・章一役をそれぞれ演じる。「ゆらり」の横尾初喜監督が手がけ、横尾監督の幼少期の実体験をベースに「きらきら眼鏡」の守口悠介が脚本を執筆した。

 

というわけで、今週は以上。閲覧ありがとうございました。

*1:「1」は興収75億、「2」は興収67億、「3」は興収71.2億となっている